問題は
いつからだったろうか。僕の前を同じ人が同じ時間に通るようになったのは。
いや、それだけだったら別にいい。
問題なのは、彼女がこの世のものではないということだ。
顔だけを見れば普通なのだが、何せ足が透けている。どう見たって普通の人間じゃない。
どうして僕の前に現れるのだろうか? 彼女は知り合いでもなければ、見たこともない。恨まれる覚えもない。なら、どうして。
最近はそのことが気になって頭を離れない。
まだ僕に直接的な被害はないものの、これからは分からない。もしかしたら一緒にあの世へ、なんてあるかもしれないのだ。
僕は嫌な考えを振り払おうと頭を振った。
いつからだっただろうか。私の通り道に同じ人が同じ場所でずっと立っているのは。
いや、それだけならいい。
問題なのは、彼の足が透けているということで――。
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