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日常の崩壊

 いつも通りの日常。こんな平和な日がずっと続くとあの時の私は信じていた。




 ジリリリリリン!

 ……うるさい。目覚まし時計はどこ?んーっと、あった。まだ7時か。日曜ならまだ寝てたいんだけどな。


 よし、まだ眠いけど今日も一日、張り切って行こー!まだ眠いけど…。


 あ……。昨日は家に帰って来て着替える前に寝ちゃったんだっけ。

 取り敢えず制服に着替えようかな。んしょ、っと。


水月(みつき)、ご飯出来たよー!」

「はーい、今行くね!」


 今日の朝ごはんは何かな〜♪オムレツにサラダにポトフ。いつも通りの美味しさ!ん〜、最高!



 さて、今日のニュースを見てみよう。ポチッとな。 ん?見間違いかな?頭が二つある狼っぽいのが見えた気がしたけどな。

チャンネルかえてみたら変わったり……。

 ……見間違いじゃなかったね。他のチャンネルも全く変わらない、とんでもない内容を報道してる。


 そのとんでもない内容とは、東京のとある場所に凶暴な頭が二つの狼がいきなり現れ、街の人々を襲っていると言うものだった。既に死人も出ているとか。

 まあ、さすがにそんな狼も新潟まではやって来ないよね。




「ご馳走さまでした、行ってきます!」

「はい、いってらっしやい。気を付けてね。」


 玄関を出て、駅に向けて歩き出す。

 電車だと、自転車が使えないのが不便だね。 お昼ご飯もお弁当じゃ無くてコンビニおにぎりだし。シービーフおにぎりとエビカニマヨおにぎり二つで……216円かー…。消費税が上がる前はもうちょい安かったのに。


「雪野さん、おはようございます〜。」

「あ、柳原さん。おはよー!今朝のニュース見た?」

「今朝のニュースってあの頭が二つの狼の話です〜?あれなら昨日の夜にやってましたよ〜。」


 そうなんだ。昨日は一回もテレビ観てなかったからてっきり今日の事件だと思ってたよ…。


「ありゃ、そうだったんだ。昨日はニュース観なかったから知らなかった。取り敢えず駅に向かって歩こうよ。学校遅れるし。」

「そうですね〜、行きましょう〜。」「「ありがとうございました!またのご来店をお待ちしております。」」


 ビニール袋からおにぎりが出ないようにビニールでおにぎりを包んでからカバンにしまう。その時、ふと付いたスマホの画面。

 もう8時!?やばい、遅刻する!


「明里!ちょっと時間無いから走るよ!」

「はい〜」


 明里はいつもののんきさを保ってるけど本当に大丈夫なのかな?結構切羽つまっててもあのペースだし。

 以前、電車の踏切に閉じ込められた時もあのペースだったからあの時はもう『あの状況でよくそんなペースで居れたね……。いや無事で良かったんだけどさ。』って本人に直で言っちゃったし……。


「へくちっ」

「くしゃみなんて珍しいね、風邪?」

「風邪じゃないです〜、けど何か寒気がした気が…。」

「本当に気を付けてね。周りにうつっても困るし。」

「もちろんです〜。」


 まぁ大丈夫なら問題ないよ…ね?

 ん?いつもの濃厚な駅弁の匂いに混ざって何か変な臭いがする。


「ちょっと待って、何かおかしくない?変な臭いがするよ。」

「確かにそうですね〜、かすかに、ですがこれは死体の臭いです〜。映画みたいにゾンビでも溢れてくるんじゃないですか〜?」

「死体の臭いなんてどこで……。それにゾンビなんて実在する訳ないでしょ。あんなの創作物の中だけで十分!」

「親類のお葬式の時にちょっと、です〜。それにゾンビって言うのもあながち間違ってないみたいですし。……逃げるよ!走って!」


 え?ちょっと待って!ゾンビなんてどこにも居ないよ?


「ゾンビなんてどこに居るの、冗談はやめてよ。」

「後ろ見てもまだ冗談なんて言いますか?」

「あれは明里のファンだったり……」

「そっちこそ冗談言ってないで口より足を動かして下さい!」

「了解!恐らくあの様子だと避難所は全滅してると思うから明里の家に逃げるよ、あそこ大きかっよね?」

「水月の家族も連れてくので案内して下さい!」

「ありがとう、私の家はそこを左に曲がって真っ直ぐ突き進んだ所!お父さんとお母さんと私の3人だけだから!」


 ゴスッ


「あ、ごめんなさ……え?」


《世界改変後の魔物討伐ボーナスにより、スキルが付与されます。

 スキル【鑑定】を獲得しました。

 LV1になった為、メニューが解放されました。》


 ちょっと待って、意味がわかんない。

 曲がり角でゾンビにぶつかって、頭打ったと思ったら実はゾンビとぶつかってて、ゾンビの首を頭突きで吹き飛ばしたから魔物討伐?

 いやいやいや、でも世界改変って何さ。


「何かよく分かんないけど倒したみたい?」

「ですね。取り敢えず水月の家に行きましょう。」


 もう目の前まで迫った私の家。あっ、鍵!




「お父さん、母さん!最低限要るものだけ纏めて!」

「落ち着いて、一体何があったの?」

「ゾンビが来てるの!ホラー映画によく出るあいつが!」

「意味が全く分からないが言いたい事は分かった。日本では違法だが、もし本当にゾンビが居るならあれを持ち出しても問題無いだろう。」

「取り敢えず急がないとここも危ない!明里の家なら広いからまだ避難できるらしいの!」

「分かったわ、5分、いや2分だけ待ってちょうだい。」

「ありがとう。水月。

 柳原さんもありがとうね。」

「いえいえ、今の内に家に行っても問題ないか連絡とってみますね。」

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