表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

1

小鳥のさえずりの中、私は目を覚ました!

頭がズキズキして身体中に倦怠感がある!

「だりーな」

昨日は飲みすぎたな。こりゃあ二日酔いだな。

私は体だけを起こした

⁉︎

「ここはどこだ?」

辺りを見回すと目の前には6段程の石の階段がありその上には長方形の石の塊があった。まるでミイラでも入っているような大きさだ!その長方形の石の塊を囲むように1m程の太さは20cmぐらいの四本の石が伸びていた。まるで石の祭壇だな⁉︎全長は10mってところか⁉︎森の中なのにその祭壇の周りの半径15mは木が生えておらず丸く木々に囲まれていた!そしてこの祭壇に訪れる為の道が祭壇の正面に続いていた!

私はとにかくこの森を出て駅を探そうと怠い体を起こし立った!

⁉︎

先程から気になってはいたがなんで瓶が右手から離れないんだ?ちょうど口元に近い細くなっている部分を包み込むように握られている!その瓶はよく目にするお酒の一升瓶の形と大きさで中身は入ってなかった!ラベルには『聖剣』と書かれ貼られている。



聖剣⁉︎



聞いたこともないお酒だ!

私は力を込めて右手を開こうとしたがまるで瓶に吸い込まれてるようにビクともしなかった。今度は左手を使い力一杯ひいてみたが多少の痛みがあっただけでビクともしなかった!

誰かのイタズラか?こんなくだらない事するのはガキか⁉︎

私はなんとなく理由もなく祭壇を眺めた!



⁉︎



ま、まさか呪い⁉︎私は酔っ払って祭壇のお供え物か何かのこのお酒に手を付けてしまったのではないか⁉︎

私は恐る恐る祭壇へ続く階段を登った。一段、また一段と呼吸を整え登った。

階段を登りきると下から見えた長方形の石の塊の真ん中に20cm程の窪みがあった!私はその窪みに右手の酒瓶を入れてみた!


な、なんとピッタリ収まるではないか!私はこの酒瓶がこのまま窪みに収まり私の右手から離れる事を願いゆっくり、ゆっくりと小さい呼吸をしながら右手を上げた!


やはり一度抜いてしまった物は元には戻らず私の右手から離れる事はなかった!

なぜ、こんな事になってしまったのか⁉︎

私は昨日の記憶を必死に辿ってみた。

仕事終わりに同僚を誘い二人で飲みに行った。そいつとは気が合いよく飲みに行く。飲みに誘えば飲みに行く店も決まっていてその店では顔馴染みで時々サービスで一品出して頂いてる。相変わらず女っ気のない二人で会社の愚痴で盛り上がった。別に女っ気がないって言っても私達はまだ26歳で顔も良くよく言えばジャニーズ系でまだ遊び盛りの若さだが出会いがないだけであり、けしてモテない訳ではない!けして・・・・・・

次の日が会社の休みだったので、ついつい飲みすぎ四時間も飲んだ!ビールを三杯飲んでそれから日本酒を浴びるほど飲んだ。私達は終電もあり慌てて店を出た。そいつとは駅で別れ別々の電車に乗った!そこまでは意識がハッキリしてるのに肝心のその後が思い出せない!いくら思い出そうとしてもそこからここまでに至った経緯がポカンと穴が開いているように思い出せない! 私は頭を抱えた。散々、悩んだが答えに辿り着けないまま私は森を出る事にした!とにかく森を出て誰でもいいから相談したかった。もしかしたら救いの手が差し伸べられ今の窮地から抜け出させてくれるかも知れない!腕を切断!いやダメだ!そんな事を考えてはダメだ!必ず何か良い方法が見つかる筈だ!

私は嫌な想像を捨て森の出口であろう道を進んだ。進んでみたものの思ってたより長く私は腕時計を見た!しかし腕時計は壊れているのか12時を示したまま動いてなかった。進んでから10分ぐらいか⁉︎私は早くも喉が渇いていた。しかし、周りを見渡しても私の喉を潤してくれるものはなかった!

何て事だ!そう言えば鞄がないぞ!俺のビジネスバッグはどこに行った?右手の事ばかり考えていてスッカリ忘れていた。だが私が先程までいた祭壇の周りにはなかった筈!たぶん祭壇に来る途中でどこかに忘れてきてしまったのだろう。重要な書類はないので諦めるしかないか⁉︎鞄自体も安物の鞄だしな。それでも私は少しばかり意気消沈しまた森を進み出そうとしたが突如として幾羽もの鳥達が騒ぎ出し飛び立っていった。その方向を見ると幾つもの木が揺れ『キーッ キーッ』と鳴き声と共にこちらに近づいてきていた。なんだ猿か⁉︎それにしてもたかが猿に鳥達はあんなに騒ぐものなのか?数頭はいるだろうが・・・・・・⁉︎もし私が襲われるような事があれば走って猿を置いてけぼりにする自信がある!その猿共はもの凄い速さで近づいてきて私の目の前にドスーンと地面が揺れ一頭もの猿?いや!猿なんかじゃない!熊?いや!熊でもない!体長3mはありそうな動物が現れた!全身は茶色の毛で覆われ筋肉は隆々で顔は猿だが鋭く尖った長い三本もの爪を持っていた!私は驚き腰が砕けその場に座り込んでしまった!その動物?いや⁉︎怪物は私をまるで蔑むような目で見つめこちらの様子を仁王立ちしうかがっていた。私は恐怖で足がすくみ逃げ出したくても逃げられなかった。しかも後ろからもドスーン!ドスーン!と揺れと衝撃音と共にまた二体の同じ怪物が現れた!


絶体絶命!彼は本当に主人公なのか?それともこの窮地を乗り越えられぬまま生き絶えてしまうのか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ