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外れた世界で少女は。  作者: 三番茶屋
2/17

解答の終わり

 同日、午後二時三十分。 

 林檎ちゃんのお見舞いを終えて自宅に帰宅したあとすぐ、八千代から電話があった。

とくに慌てた様子もなく、落ち着いた声。

いや、むしろ呆れたといったほうが正しいかもしれない。

きっと電話の向こう側で彼女はいつもの癖のように、ストローの端を銜えて、尖った歯で噛み潰しているだろう。


「少年、林檎ちゃんがさらわれたようだ」


 僕は真っ黒のシャツに袖を通し、同じ色のネクタイを緩めに締め、黒のスラックスはいてジャケットを皺にならないように羽織った。

玄関で鈍く光った黒の革靴の踵を潰しながら履いて外に出る。

手には八千代が愛煙している銘柄の煙草。

たまにはプレゼントしてやろう。

ただの気まぐれだ。

八千代と落ち合う頃には失せているであろう、小さな気まぐれだ。

 

 さぁ――


 「始めようか、八千代」


 状況を始めよう。

 正義と悪、善悪の論理展開を始めよう。

 お生憎、善悪論はこっちにとって十八番だ。

 ついさっき少女に教わった程度だけれど。

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