バスケはどんな人がやるのかな?
断言しよう。
ルミアとイクミは仲が悪い。
今も、言い争っている。うるさいったらありゃしない。そんな中、ミノリだけは
「仲が良いね」
と、全くの的外れな事を言って、文庫本を読んでいる。
俺は頭を抱える事しかできないでいた。
今日、2人が喧嘩してる理由は、全くもってのしょうもないことだった。
しかし、そのしょうもないことが、あんな悲劇を巻き起こすなんて、俺は知る由もなかった。
事の発端はつい20分前。イクミが冷蔵庫を開けた時の事だった。ここは、機会研究部しか使わない教室なので、何を置いてもいいと言われている。だから、みんな私物なので必要な物は置いている。テレビや、ソファなどがある。
そんな中、イクミは自分の冷やしていたジュースを飲む為に冷蔵庫を開けた。
イクミはニヤニヤしながら、ジュースを取り出すと、グビグヒ飲んだ。
「ぷはぁ〜」
イクミは幸せそうに声を上げた。
「酒飲んだ後のおっさんか!」
俺はおっさんみたいなイクミにツッコミを入れた。
「うっさいわね!」
俺は注意の意を込めて、ツッコミしてやったのに・・・
「おっさんというのは、あながち間違えじゃないかもな」
ルミアはそう言って、テレビをつけた。と言っても、この時間はニュースしか、していない。ルミアはDVDを取り出し、PS3(プレイが凄いよ3)に入れた。PS3とは、ゲーム機の事である。しかしどの部員もゲームなんかしない。これは先日、黒鍵祭の賞品でとったものだ。黒鍵祭とは、春と秋にある黒鍵高校の文化祭の、秋の方である。小体育大会と、大きな文化祭となる。春は、規模が逆になる。それのビンゴでイクミが当てたのだ。そしてこの部室に置く事になった。
テレビが青い画面になった後、激しく点滅し始めた。そして、タイトル画面的な所に[全日本バスケットボール大会〜黒鍵高校VS香坂高校〜]とでた。
「バスケ・・・」
「どうしたんだ?ミノリ?」
「なんでもないわ」
ふーん。そうか。そんな事より、どうしてルミアはバスケの試合なんかみようとしたんだろ?
「おい。ルミア」
「なに?」
「どうして、バスケの試合なんか・・・」
ルミアはニコッと笑って答える。
「昨日バスケのゲーム買ったの。だけど、ルール知らないからね」
ああ。そういう事か・・・
っておい!ルール知らないのに買うやつがおるかっ!
「ほうほう。バスケとは面白いのぅ」
ルミアは目を輝かせ画面に釘付けに。
「あんたが、バスケをするにはまだ早いわっ!」
ルミアは輝かせていた瞳を暗黒の色にして、イクミを睨む。それに構いもせずにイクミは続ける。
「バスケというものは、私みたいな気品なのがやるスポーツなの」
お前の何処が気品なんだよ!それにバスケは気品じゃなくても楽しめるわいっ!
俺は心の中でツッコム。
それを、ルミアは代弁してくれた。
睨み合いが続く。
そして、現在に至る。
「いいわっ!なら今から私と勝負しなさいよっ!」
あーあ。そうなるか。
ここからバスケのゲームで2人が闘う。4勝4敗。両者譲らずだった。
そこで、終わって欲しかった。
しかし、現実はそういかない。
事態は俺とミノリを巻き込み、ゲーム大会に変わってしまった。
いやぁ。
もう一つと違って、こっちは一つ一つの話が短いんで、楽ですねっw