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放課後喫茶

掲載日:2025/10/08

 昔から。人の目は嫌いだ。

 何かを見定めるように見られるのも。

 何かにつけて順位で競わせようとするのも苦手だ。

 

 普通に育ててあげれればよかった。

 普通なら、働いて結婚して子供がいてもおかしくないのに――。

 両親が涙ながらに語る夜話も、変な時間に目が覚めたせいで静かな隣室から響いて、頭の中から消えてくれない。

 普通、普通、普通、普通。

 母も父も、弟も、祖父母もそればかりだ。

 逆に聞きたい。

 普通なら幸せなの?普通の人生には、ハッピーエンドしかないの?

 わたしだって、望んで病気に罹ったわけじゃない。

 胸の奥の重りは日に日に沈んで、心が濁っていくような毎日。

 仕事で疲弊する両親の傍ら、無理して笑顔を浮かべて愚痴話に合わせるのも、もう慣れた。

 最近、今まで〇×年以上ハマっていたネトゲをスパッとやめた。

 オンラインゲームでの人間関係がつかれたのと、祖父母が最近あまり元気がないからだ。

 いつでも優しいわたしの味方のおばあちゃん。

 口は厳しい頑固なおじいちゃん。でも根は優しくて心配性なことは、家族一同知っている。

 

 わたしには普通の学校生活も、普通の人生も普通の生き方もわからないよ。

 でも、そのおかげで友達が出来ました。

 わたしより年上の女の子。

 さやちゃんは、喫茶巡りが好きで、お洒落さんで、とっても聞き上手な子です。

 偶然同じ職業訓練で知り合って、意気投合しました。

 訓練が終わった今も、以前のように近場の喫茶店でコーヒーを飲みながら語らいあう仲です。

 たしかに、病気になったことで、不自由なことは増えた。

 旧友にも打ち明けにくい秘密だし、治る病気だと思ってたのに、なかなか治らないし……。

 でもね、病気になってみてわかったこともあるの。

 家族のありがたみや、友達の支え、何気ない日常を送るなかで気づけたんだ。

 だから、あまり自分たちを責めないで。

 いつかそういえたらいいのにな。

 わたしのことを両親がふたりで話しているとき、どこか自責の念が入っているのを本当は知っていた。

 ごめんねではなく、ありがとうと。

 いつの日にか話せるのなら、そう話したい。


 そして、わたしにも友達が出来たんだよって、自慢したい。



 

 

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