平和の訪れ
ボートをこいで、ネックレスの島に戻ります。光をとりもどし、輝く島。輝いているのは、島だけではありません。かいじゅうたちの目も、輝いています。
マリちゃんは、ネックレスの島へ住む妖精さんたちに、伝えました。みんなのおもいをきいて、みんながそれを認めました。
1日たてば、かいじゅうたちも、妖精さんたちも、とっても仲良し。平和な世界となりました。
マリちゃんは言いました。
「楽しそうでよかった! でも、わたし、ずーっとここにいる。戻らなくちゃ、怒られちゃう」
それを聞いて、キララちゃんは言いました。
「大丈夫、元の時間に戻してあげるから。でも、もうそろそろ帰らなきゃよね。」
続けて、少し寂しそうな笑顔で言いました。
「光をとりもどして、こんなに平和な島にしてくれてありがとう。もし、不安や悩みがあったら、このネックレスを手に持ってね。」
マリちゃんは、こっくりとうなずきました。
そうすると、ほかの妖精さんたちもやってきます。
「またあおうね! マリちゃん!」
「約束だからね!」
マリちゃんはお別れに少し悲しさを感じていました。泣きそうになっていると、キララちゃんが声をかけます。
「大丈夫、絶対会えるわ。このネックレスを大切にしてね! あと―この冒険のことも、世界のことも、私たち妖精と、マリちゃんだけの秘密よ。」
「内緒ってこと?」
「そうよ。」
「わかった! みんな、またあおうね! さようなら!」
マリちゃんは、声を振り絞って言いました。たくさんたくさん、大きな声で、そして、キララちゃんが魔法をかけ始めると、妖精さんたちへ、大きく手をふりました。
妖精さんたちも、大きくてをふりかえしました。
マリちゃんが目を開けると、ネックレスを手に取る前のすがたに戻っていました。箱に入っている、輝くネックレス。今は、とくべつな気がします。
次の日、宿題の作文を読む時間になりました。
「次は、マリさん、お願いします。」
先生にそう言われ、マリちゃんは立って、作文を読みました。
「私の宝物は、青いネックレスです。小さい頃に貰ったものなので、あまり、覚えていません。けれど、このネックレスには、たくさんの思い出があります。それは―」
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