「私の宝物」
これは、とある女の子の、冒険の物語です。ちょっと不思議で、楽しそうな、そんなお話です。
この女の子の名前はマリ。小学1年生で、友達からは、マリちゃんと呼ばれています。
小学校はとっても楽しくて、友達もたくさんいるマリちゃん。けれど、今日出された宿題は、少しだけ難しいようです。
冬景色が広がり、寒くなってきた下校中。落ち葉を踏むと、ザクザクと音を鳴らします。そして、1番仲の良い、ネネちゃんに聞いてみました。
「ねえねえ、宝物の作文、なんて書く?」
ネネちゃんは、笑顔で言いました。
「アタシはこのシュシュだよ。これはね、おまじないがかかってるの!」
「おまじないって?」
マリちゃんは、どんなおまじないなのか気になったのか、ネネちゃんにおまじないについてを聞きました。
けれどネネちゃんは、首を傾げて言いました。
「どんなおまじないなのかは、アタシにもわからない。けど、ママがかけてくれたの!だから今日、ママにどんなおまじないなのか聞いてみる!」
と言います。
続けてネネちゃんは、
「マリちゃんは、宝物、どうするの?」
と聞いてきました。マリちゃんは、正直に
「わたし、まだ決めてない。迷ってるの!」
と答えます。マリちゃんが宿題を難しいと言った理由はこれです。宝物が決まらないのです。
宝物と言われると、色々なものが思い浮かぶようで、友達からもらったシールとか、可愛いイヤリングとか、とにかく、たくさん思い浮かぶそうです。
家に帰って、マリちゃんは、お母さんに聞いてみました。
「ねえお母さん、宿題で宝物についての作文を書かなきゃいけないの。何かいいものないかな?」
お母さんは、キッチンで料理を続けながら、迷わずに答えました。キッチンからは、大好きなカレーライスの匂いがします。
「それなら、お母さんがあげた、青いネックレスがあるでしょう。」
「だって、そのネックレス、小さい頃にもらったものだから—」
「だからこそ、思い出があるのよ。ほら、書いてみな?」
ここまでは、マリちゃんは何も思っていなかったみたいです。お母さんに対しても、ネックレスに対しても、です。
けれども、引き出しからネックレスを取り出したとき―
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