表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

2週目(9/14-9/15)

9/14

カフェの店員が客と政治について昼間っから熱く議論を交わしている。金利がどーだ、移民があーだなどと30分以上も話している。店長に怒られないのかなと他人ごとのようにぼんやりと眺めながら手元にある「THATCHERISM」(Blitish politicsの宿題で出されていた本)に視線を戻す。今日は精神的にも、時間的にも余裕がある日。午前中にあったOxford Walking Tourはただぶらぶらと街を歩き回りながら、ガイドさんお話を聞くという普段の私なら絶対にアテンドしないイベントであったが、面接も授業も終えた私は無敵である。ついこの前オックスフォードの学士号を取得したというドイツ人の物理学専攻のメガネをかけた男性がツアーガイドだった。趣味でガイドを行っているという。もともと訪れる予定だったCollegeは残念ながら今日は空いていなかったらしく、本当にただ街を歩くだけのツアーだったが、至る所にある小さな歴史を拾って彼自身の大学在学中のエピソードを付け加えながら紹介し続けてくれたおかげで全くもって退屈にならないお散歩だった。グループの他の子達はお昼ご飯を食べにイタリアンのお店に行くと言っていたが、私はどうもそのような気分ではなかったためThe Covered Market(小さなお店がたくさん入っている商店街のようなところ)を探索しにいった。シエラが私についてきてくれた。二人でぶらぶらとマーケットを歩いていると、彼女はどこからかハムとチーズのパニーニを手に入れ、どっかの公園で本でも読みながら時間を過ごすとのこと。私も本を持ってきていたので、どこかカフェでも入ってのんびり本でも読もうと決めた。行く当てもなくただまっすぐ進んでいるとここの前美味しいスコーンを食べたArt Cafeが目に入る。あそこはWifiもついていることを思い出し、半日を過ごす場所を決めた。すでにスコーンの舌の私は迷わずスコーンと紅茶のセットを注文。今までで一番イギリスらしいことをしている気がする。3時にスコーンと紅茶。自分へのご褒美。3階の隅っこの窓際の席に座り、注文を待っていると、先にいた客の注文を届けにきた店員が初老のおじさまに話しかけられ、会話を始めた。


9/15

昨日の夜はアメリカの大学にいた頃を思い出すような夜だった。今ぐらいの時期は、毎週土曜日にプレミアリーグの試合が行われているらしい。昨日も例外ではなかった。グループメイトの一人はわざわざBurminghamの現地まで試合を見に行ったそうだ。私は地元のパブで現地の人とサッカー観戦をするために街に繰り出した。いや、フットボール観戦をするためにと言った方がこっちでは正しいのかも。同じハウスのマリーと、行きしなにシエラを拾って街の中央へ向かう。コルトンがW-cafeの前で待っているとのこと、ゲームが始まるのが20時からなので、それまでに観戦ができるパブを探そうと決まった目的地もなくぶらぶらと街を散策。もっと熱狂しているものかと思っていたが街は案外静かだ。それぞれのチュートリアルの感想を言い合いながら歩いていると、20時を少し過ぎた頃に叫び声のような大きな怒鳴り声を聞く。声をたどっていくと人で溢れているパブを発見、いくつものスクリーンでチェルシー vs. ボーンマスの試合をライブ中継している。全員が顔を見合わせ、今夜を過ごす場所はここに決まりだと言わんばかりに言葉もかわさずIDチェックの列に並んだ。中に入ると思っていたよりも広く、まだ夜も早いからかそこまで混んでいる感じでもなかった。pre-game(パーティーや飲み会に行く前に先に飲んでから行くこと)をしていなかったので、まずは四人でショットをとってからそれぞれ頼んだドリンクを片手にスクリーンの前に移動した。コルトンが隣にいた男の子に声をかけた。まだ高校を卒業したばかりの子らしく、今日は友達と一緒にチェルシーの応援をしにきたそうだ。彼らとなんでこんな場所にいるのかや何を学んでいるのかなど、いわゆるIce break talk(お互いのこと知って仲良くなろうぜ的な)をしながらスクリーンの中のプレイヤーにヤジを飛ばす。アイザイア, ブライアン, ソフィアが遅れて合流、彼らはここに来る前に違うパブでプリゲームをしてきてからきたそうだ。試合も終わり、気づいたら歩くのすら困難なぐらいパブの中が人で溢れかえっていた。3杯目のvodka soda片手にみんなでダンスフロアでしばらく踊ったあと、マリーとシエラがどこからか連れてきた二人組の少し年上?の女性方と二件目に移動。まだ時刻は22時を回ったばかりだ。二つ目のパブはもっと年齢層が高めな落ち着いた雰囲気。お酒片手にしっぽりとおはなしをした。聞くと、彼女たちは マンチェスターで小学校の先生をしているそうだ。私たちはオックスフォード大学で学ぶためにここにきた伝えると”You all so clever”と回ってない舌で何度も繰り返していた。23:45分ごろ、シャノンがBirminghamから合流、ソフィアとブラインが入れ替わりでいなくなり最後に向かったパブはOXO Pub。年齢層はここが一番若かったと思う、それにどこよりも混んでいた。one in one out(誰か出ないと入れない)で入店制限をしないといけないほど人で溢れていた。待っているときにMaryが「アメリカではcleverは地頭が良いみたいな意味だけどここではsmartみたいなコンテクストで使うんだね」と言ってたのがやけに記憶に残っている。中でかかっている音楽、年齢層、何から何までまんまアメリカの大学でいやというほど見てきたパーティーそのままだった。日付けが変わるまでずっと踊っていた。帰り道、街の中にシェアハウスがあるIsaiah, Colton, Shannonたちと別れ、一緒にきた三人で家に戻る、マリーが「みんなでレンタルバイクしてかえりたい」と言う。いつの間にかアプリまでダウンロードしてやる気満々だ。危ないからまた今度ねとシエラと一緒に大笑いしながら引っ張って家に帰った。とても楽しい夜だった。起きたのは4時、あまりにも喉が渇いて日も開けてない頃に目が覚めた。そういえば水を飲んでいなかったなと思い返しながらハウスメイトを起こさないよう静かに一階に向かう。水を飲んでもう一度寝ようと横になったがなかなか寝付けねかったのでチェスをしていた。頃くそうしていたら日も開けたので水分しか入っていない胃袋にオレンジをぶち込み、お母さんに電話をかけた。知らないうちに二度寝をしていた。目が覚めると14時になっていたので、本を片手に少し散歩にでもでかけようかと思う。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ