表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/71

見たからしってる



 二、



 そりゃあながいこといるんですから、それぐらいは知っています、とサネが餅のなくなった柏の葉をつまみながらはなしだした。

「 大旦那様がいらしたころに、セイイチ坊ちゃまがお生まれになってお祝いなさったときに、ご先祖様をお祀りする座をおつくりになって、そこに、『家宝』の箱を置くようにいわれました」


 ああ、とセイベイがうなずき、のぞいたかい?とほほえんで湯呑を両手でつつむ。

 はい、ともなんともこたえないサネは、わらいながら、あのときの奉公人はみんな、とヒコイチの食べ終えた餅の葉もつまみあげた。


「ヒコさんは、あれをみたことあるかい?」


「いいや」


 これにサネはすこし勝ったように口をすぼめ、あれは《天女の羽衣はごろも》だよ、とうなずく。



 さきほどセイベイにただの《しゃ》の着物だときいていたヒコイチは、それを言おうかどうか迷ったが、サネはすぐに「遠くの国の天女のようなお人のお召し物ってことだよ」とわかったような顔でつけたした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ