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手で


「『そんな気が』って、じいさんもとうとう、ダイキチさんみたいに、なにかみえるようにでもなったかい?」

 いつものように裏の木戸から入り、縁側に片脚と尻をあずけていたヒコイチは、もうかた脚もあげて、すわりなおした。


 

 セイベイは池をみたまま、ぼつりとこぼした。

「・・・あの、《しゃ》の織物のようになった髪は、 ―― 手で織っていったものだろう」



「手で、か・・・まあ、そうか・・・」

 いつもとはちがう寒気におそわれる。



「そうさ。《まじない》をつかったからといって、勝手にあんな布のようにはならないだろう? 布って言うのは縦と横の糸をからませないとならない。しかもあんなもじり織なんて・・・。 あの細い髪をつまんで、横糸にしたものにかけてよって布のようにしあげたんだ。手でやらないと髪は切れるだろうし、やはり、そこが《念》をのせる《まじない》なのかねえ」

 めずらしくやりきれないような息をつく。




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