表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/71

迎えはいらぬ



 七、




 どこからかわらいごえがひびいてきて、つながった手をひいた『先生』がヒコイチの肩さきで、「ヒコイチさんはしゃべらないでくださいな」とささやいた。


 そこで、すう、と息をすった先生が、大きく口をひらきよばわる。



「ヘイジさん、ヘイジさん、むかえにきました」

『ヘイジさん、ヘイジサン、むかえにきやした』



 おどろいたことに、『先生』のくちからでた声とはべつに、しゃべってもいないおのれの汚い声がカスミのなかにひびきわたってヒコイチはおどろく。



「『むかえ』?いやいや、そんなものたのんでおりません」


どこからか男の声が返ったとき、ただよっていたカスミが、さあ、っとひらけた。




「 っ 」

 ヒコイチはでそうになる声をこらえた。


 カスミがはれたその場は黄金色こがねいろにかがやく岡のようで、むこうのほうに、着物のあわせも裾もだらしなくひろげ、片膝をたてたヘイジが座っている。立てた膝の上におく左手には金の杯を持ち、そばには螺鈿らでん細工のほどこされた膳に、みたこともないものをのせた小さな皿がたくさんならんでいる。



 そして、そのヘイジの右側には ―― 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ