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髪に絡(から)む


 ヒコイチとセイベイはそろって顔を近づけてうなずき、先にセイベイが低くうなった。

「 ―― こりゃあ、 からまっているんじゃないだろう・・・」


 ヘイジの、手入れもされないのびたザンギリ髪の中へとその布がからんでいるようにみえたのに、ヒコイチも気が付いた。


「・・・なんだか・・・糸が・・・」

 縦糸だか横糸だかヒコイチにはわからないが、その細く黄味がかった糸が、布としての絡み合いをとちゅうでやめて、ヘイジの髪と絡み合おうとするようにのびている。



  いや。 そんなことがあるわけない



「ヘイジさんの頭に、糸の先がささってはいりこんでいるようですねえ」

『先生』がシラミをみつけたような気やすさで、髪をかきわてのぞく。


「・・・はいりこむ?」


「ええ。 ほら、ここに ―― 」

 言って示しているあいだに、うすい布がじりりと勝手に寄って、その糸がほぐれるように、ヘイジの髪とからんでゆくのを目にした。



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