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音はしない
ああ、そういえば
「 ―― 中に何かはいっているようでした」
「あけたか?」
「いえ。拭いておいただけで」
ヘイジのこたえにタイゾウは箪笥にそっと手をだし、両手で角をつかむとゆっくりかたむけはじめた。
なにも音がしない
「みろ。脚のところは花が彫られてる。梅か?桃か?透かして彫ってあるな」
親父はそれを真横にして膝の上におき、しげしげとながめている。
あれ、おかしいなあ
親方が箪笥をいくらかたむけようとも、なにも音がしない。
ああ、そういえば
「 ―― 中に何かはいっているようでした」
「あけたか?」
「いえ。拭いておいただけで」
ヘイジのこたえにタイゾウは箪笥にそっと手をだし、両手で角をつかむとゆっくりかたむけはじめた。
なにも音がしない
「みろ。脚のところは花が彫られてる。梅か?桃か?透かして彫ってあるな」
親父はそれを真横にして膝の上におき、しげしげとながめている。
あれ、おかしいなあ
親方が箪笥をいくらかたむけようとも、なにも音がしない。
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