表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くっころ姫騎士に洗脳美少女エージェント、催眠女子生徒などなどがいいタイミングで転送されてきてベタ惚れされたけどわたしはストレートの女の子なのでみんな元の世界に帰してあげる!  作者: 杉林重工
ルージュとギャルとサイボーグと騎士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/33

ルージュとニンジャとサイボーグと騎士とギャル 5

「結局、それがなんであるかは教えてくれなんだな」


 陰陽師はそういった。相手はこくん、と頷き、


「そうだ。言う必要はないだろう」


 と言って、彼の手から棒状の物=〈スキュア〉を受け取った。


「星に帰るのか」


 そういって陰陽師は空を見上げた。黒、というよりは巨大な穴の様な深い夜空。そこに点在する無数の星々。


「我々は原則、特定の星に帰属しない。まあ、今はそうだな、帰投するのは確かだが」


 そういいながら相手は〈スキュア〉を、持ってきていた箱に収める。随分と大事なものなのか、まるで刃のように輝く大きな銀色の箱にしまい込んだ。相手は子供。声からして女なのは間違いないが、ぴんとした背筋に冷たい言葉遣い、そうとは思わせない力強さがあった。


「しかし、あれだけ手間取っていたのによく手に入れたな」


「それがある場所はここよりはるか遠くの場所。故に、乃公の力もすべてを送り込むのは無理であった。それでも、最初はできる限りで力が強い鬼を送ったのだが、これは頭が悪く使い物にならなかった。二回目は力を抑えてみたが、これも駄目だった。しかし、卜占の通り〈すくあ〉を見た。故に、三回目はさらに力を絞り、〈すくあ〉を持ち帰る以外に影響を及ぼさないように調整した。〈すくあ〉を手に入れること以外は、他人の記憶に残る事すらできぬほど弱いが、役に立ったであろう」


「最初からそうすればいいものを」


「それはできぬ。あの絵だけではそこまで力を絞った鬼は作れん。二回目で〈すくあ〉を知った鬼を元に、その力を薄めて成ったものだ」


「やはり、お前の理屈はわからないな」


 相手はそういうと、箱を抱えて自分が乗ってきた駕籠、否、巨大な空飛ぶ家のようなものに足をかける。


「一応、礼は言う。有難う」


「要らぬ。それより、乃公の頼み、忘れたわけではあるまいな」


「全て占いの通りなんだろう。ならば、我々がこれを手にし、使えばおのずとお前の『失せ物』の在処に辿り着く、という話じゃないのか」「いつか乃公に報せが下る。だが、念押しも大事なものよ」


「実のところ、仮に我々がお前の失せ物を見つけたとして、それを報せる方法をわたしは知らない。〈スキュア〉とお前の失せ物の情報を交換するという取引だが、失せ物のありかを報せる方法はそれしか思いつかない。特にお互いに罰則は指定していないし、わたしはこれから宇宙へ戻るし、〈スキュア〉を手にした以上、あとはお前とのやり取りを反故にする選択肢もある、が。せいぜいの我々の誠意として、それは受け取れ」


 彼女はポケットより黒い箱を取り出し、振った。同じものを陰陽師は彼女より受け取っている。小型の超長距離通信機、といわれていたが、彼にはそれがどういう意味なのか判然としていない。ただ、彼女がその場にいなくても、奇怪な音とともに彼女の声を届ける装置らしい。一方、彼女の方はといえば、それが超光年級の生活圏を持った〈コロンズ〉の器官を利用した装置であることは承知しているが、果たして時間を超えて通信ができるとは思っていない。一応、約束を果たそうとした、という体を取って自分を慰めたいだけなのかもしれない、と自己分析している。


「知っておる。乃公は乃公の卜占を、否、星を信じている」


「報せは、わたしの権限の範囲内で誠意をもって対応する、ということだ。では、さらばだ」


「うむ。では、これにて」


 彼女はそういって巨大な建物の中に入る。それはたちまち巨大な音を立て、星に帰っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ