❤️
砂浜を歩く。
穢れのない、白い砂浜。
さくさく…と砂を踏みしめながら歩いていると。
ザザーーン……
寄せては返す波間。
そこに浮かぶ、無数の赤いもの。
❤️だ。
誰かが捨てたのか。
もしくは、誤って落としてしまったのか。
たくさんの❤️が、波間で行ったり来たりを繰り返していた。
透明な青に浮かび揺れる、たくさんの❤️。
誰かのココロノモノ。
ザザーーン……
私は波に寄せられた❤️たちを拾うと。
ぎゅっ…
胸に、抱きしめた。
手のひらほどの❤️。
その❤️は、あったかくて愛しくて…
抱きしめると、❤️はさらさらさらと…
砂のように散り、青空へと昇っていく。
誰かの❤️が満たされますようにと…
願いながら…
私は、❤️を拾っては抱きしめた─