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15その頃勇者エルヴィンは? 1

私は例の謎の女の人の指示に従い、魅了の魔法を防ぐ魔道具を身に付けて勇者エルヴィンの部屋の近くに忍んで行った。


静かにそおっと、気づかれないように彼の部屋に近づく。


「―――――!!!!」


驚いた。


彼の部屋から聞こえてきたのは衣擦れの音と聖女ナディアの嬌声だった。


信じられないことだった。


いや、人の恋路のことにとやかく言う筋合いはない。


これが煉獄魔導士のアンネだったのなら、驚きはこれほどではない。


何故なら、聖女のジョブは清らかな心と身体でなければ、その能力を十分に発揮できない。


その聖女を穢すなんて考えられない。


そして、嬌声が聖女ナディヤのものだけでなく、アンネもだと気が付くと。


勇者エルヴィンが堕ちた勇者であることを悟った。



俺は聖女ナディアと煉獄魔導士のアンネを抱いていた。


「もう止めて!? 僕、無理!」


「エルヴィン様凄すぎます!」


「なんだよ、まだまだこれからなのに?」


俺はぐったりしたナディアとアンネを放り出し、白い肌を露わにした二人を眺めて半笑いになる。


本当に良い気分だ。最初この二人はあのアルに惚れていたようだ。


だが、やはり神はあんなゴミではなく、選ばれた勇者である俺に神スキル『魅了』を授けてくれた。


おかげで、今では二人共俺の思うがままだ。


何でも言う事を聞く。何でもありだ。


ホント、アルの最期の顔、魔法写真にでも撮っておけばよかったな。


写真にして、何度も見て、思い出して笑いたい。


愛していた女に裏切られて、なす術もなくぼろ雑巾の様に崖から突き落とされるなんて、どこまでも哀れなヤツ。


いつか、こっそり宿を抜け出すクリスを見かけてつけて見れば、俺に黙ってこっそり二人きりで会ってやがった。


ゴミの分際で許せない所業だ。


クリスの様ないい女は俺こそが相応しい。


アルごときがあんないい女の彼氏だなど、俺が許さん。


だがまあいい。アルは死んだ。


後は、少しずつ魅了をかけていって、クリスを俺のモノにすればいい。


ちょろいもんだぜ。


いつか、クリスにアルを殺したのは俺だと告白してやろう。


その頃にはすっかり俺に染まったクリスは何と言うのかな?


きっと、ありがとうとか言うんだろうな。


想像するだけでたまらない。


それにしても本当にアイツには腹が立つ、パーティ1の美少女クリスだけでなく、ナディヤやアンネ、道中の女の子の大半がアルの事が好きだった。なんであんなヤツが? 唯の落ちこぼれのアイツが? 


俺は認めん。たくさんの女の子から好かれるのは勇者である、この俺であるべきなのだ。


それにしても、クリスへの『魅了』は未だ効果が十分ではなかったな。


今日は行けるかと思ったが、期待外れだった。


仕方ないから飽きてきたナディヤとアンネを呼んでしまった。


それにしても、アルにクリスに殺してくれと頼まれたと言った時の顔と言ったら、傑作だったな。まあ、いずれ事実になるんだから、どうでもいい話か。


まあ、足でまといもいなくなったし、これでダンジョンの攻略もはかどるだろう。勇者はこの大陸に一国に一人程度しか現れる事がないジョブだ。この大陸でたったの10人しかいない。俺は選ばれた人間なのだ。だから、アルごときに負けるなどあってはならないのだ。ましてや、アイツは俺が庇ってやらなければ、何度死んでいた事か。


「勇者として魔王を討伐して、名声を手に入れたら……」


酒池肉林だ。そう、俺はそれを手に入れるつもりだ。勇者である俺には相応しい生き方だ。俺はアルなどとは違う種類の人間なのだ。


アル、あの世から見ていろよ、先ずはお前の大切なクリスの股を開かせてやる。お前を殺した男に股を開かせてやる。そして、俺の名声がこの大陸に刻まれて、貴様の事は誰の記憶からも消えるのだ。はっ、ははははははっ、何て楽しいんだ!

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支援職、最強になる~パーティを追放された俺、微妙なハズレスキルと異世界図書館を組み合わせたらえらいことになった。は? 今更戻って来い? 何言ってんだこいつ?~
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