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死神の鎌  作者: 凪薙壱
9/13

死神の鎌 朽

なぜ、人は死神に選ばれるか?


死を与える存在に、どんな想いを寄せるのか?


死神に魅入られる


死神の鎌をその身に刻まれる人間…



だが…もし…運命と言うものがあるならば、


死神と人間に、死を求む想いと死を与える想い…



死は生をより栄えさせる


それを考えれば…それは……一つのピースであると…


まるで…恋愛感情のような…想いではないのかと…


だが…人間は運命を変える生き物だ…


運命も、想いも、恋愛感情も、人は…


変えてしまう…運命に人は縛られない…


人は死を拒絶した…そこには、死神を想う気持など存在しない





「死神さん…そこに居るの?

ねぇ…なんで話しかけてくれないの…なんで姿を消したの?


私が悪いの?私が…死神さんを傷つけたの?私に失望したの?」


死神は…泉華の言葉に…違うと言った…


何度も言ったが…死神の声は聞こえない…


また孤独の世界に…堕ちていた事に…戸惑う死神…


「わからない…わからないよぅ…何か言ってよ…なにか…」


泉華が…手を死神に伸ばす…


だが…死神は…それを…避けた…


泉華が…力の抜けた…顔をする…


触れられると思って…触れられなかったことに…


涙を流す…



死神は…耐え切れずに…走って逃げる…


足下に散らばった…花瓶の欠片を…踏み砕きながら…


「待ってよ…待ってよ!!」


花瓶が砕ける音がする方向に…泉華が手を伸ばしながら声を出すが…


死神は止まらなかった…



学校の屋上に…死神は走って…地面に…倒れた…



そして…空を見た…青い澄み渡る空…


ちっぽけな死神…


いや…死神であるはずの自分はもう居ない…


鎌が無いのに死神であることすら間違いなのだ…


本来、死神が殺すはずの娘は死神が見えなくなった…


それは死神ではなくなったことを示すのだろう…


死神では…無いと…唯一…死神が死を与える事を示す


娘にはもう死神が見えないのだ…


このまま…この青空に…死神は消えたくなった…

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