死神の鎌 捌
捌き(さばき)
死神の行う行為は、なんというものか?
死を与える存在以外の死は如何に与えられるのか?
そもそも、死とは与えるものであろうか?
生は失われ、死が与えられる…
ならば、死を失えば…死は…何を与えるのか?
死神の鎌には死が蓄えられていると考えられれば…死を出しつくした鎌は…
死神の鎌はなんであろうか?
死神は…泉華の後ろをついて歩いた…
泉華が、死神を無視して、一週間が過ぎた…
泉華は死神を見ない…
でも…時折、泣きそうな顔をして何かを声に出さずに、口にしている…
して…いるのに…死神は何もできない…
泉華に対するいじめは…エスカレートしていった…
死神の目の前で…だから…死神は…何もできない…
いや…何もしないを止める事にした
死神は…泉華に何か出来る事はないのか考えた…
考えた…死神にできる事…死神がしたい事を…
だから…死神は…
学校の裏庭の上空から…何かが…落ちてくるのが見えた…
花瓶…その落とされた先には泉華がいた…
死神は…泉華を突き飛ばし…花瓶の一撃を…まともに、頭にぶつけてしまった
…
痛い…そして…上から…何か液体がかかった…
臭くて気持ち悪い感じが…ローブから感じられた…
だけど…死神の下に居る…泉華に怪我も汚い汚れもついていない…
死神は安堵した…その瞬間
「っ…!?」
泉華が驚いたように目を見開く…
死神は…無視されると思っても…ただ微笑んだ…
だけど…次の言葉を聞いた瞬間…死神の微笑みは固まった…
「死神さん…そこに居るの?
ねぇ…なんで話しかけてくれないの…なんで姿を消したの?
私が悪いの?私が…死神さんを傷つけたの?私に失望したの?」
泉華には…娘には…死神が見えてなかった…