死神の鎌 斜
死神は死を与えるもの
では、死神以外の要因で死ぬことはないのか?
事故で死ぬことは?
死神の鎌は…様々な力を持つ
死神はどのような力を持つ?
死神の鎌にとって死神は何であろうか?
泉華が…死神を見なくなった…
話しかけても…相手にしない…
注意を引こうと倒れていても…死神を冷たく見つめるだけ…
死神は…悲しくなった…
今までの日常が壊れて…
泉華との約束を破ってしまったことを悲しんで…
どう償えばいいのか…わからなかった
死神は…泉華の前から姿を消した。
だけど、姿を消したが、死神は泉華の近くにいた。
見つからないように…死神は泉華の近くで…泉華の事を見ていた。
夏が終わり、泉華が学校に行く日になった。
死神は、泉華に気づかれないように、泉華を見守る…
泉華に危害を加えた娘たちが泉華を見た…
死神は、また泉華が傷つくのか!?と警戒したが…娘たちは何もしなかった…
ただ、泉華を見ただけだった…
だが、それは、化け物を見るような眼だった…
泉華は、その事を気づいているようだったが、何の反応もせず…歩き出す…
死神は…自分の愚かさに気がついた。
姿が見えぬ自分の行動が、より、泉華を孤立させた事に…
泉華が門を超え、建物の中へと入って行った。
死神も、見つからないようについて行く…
泉華が靴を置く場所で…動きを止めた…
そして…泉華は、何事も無かったかのように…手持ちの鞄から、室内用と思われる靴を取り出した。
そのあと、靴を履き替えると、履いていた靴を鞄に入れると…そのまま歩きだした…
死神は、すぐについて行こうと思ったが…泉華が歩いている場所は直線で…
隠れる場所が無かった為に、立ち止まることになった。
仕方なく、隠れる場所が出来るまで、待つことにした
ふと、死神は泉華が動きを止めた靴箱が気になった
死神は周囲の目を確認しながら、靴箱を開けた。
死神は…動きを止めた…手を止めた…目を…疑った…
靴箱の中から異臭し…中にはズタボロになった靴が入っていて…汚れた布きれ、化け物と書かれた紙が内側から画鋲で張り付けられていた…。
死神は…ゆっくりと…靴箱を閉めた。なぜ…泉華がこんな目に?
ビチャ!!泉華が歩いて行った方向から、液体が落ちる音が聞こえた…
死神は慌てて、その音がした方向へ走った…
「…」
泉華が…バケツを頭からかぶって…びしょぬれになっていた…
「この化け物!!あんたにバケツをぶつけられたなんて、プライドが許さないわ!」
死神は慌てて物陰に隠れながら、バケツを投げたと思われる娘に目を向ける…
それは、死神がバケツをかぶせ、転ばせた娘だった。
「やめなよ!!こいつに手を出せば、呪われるよ」
娘の隣にいた者が娘を止めようとしている。
死神が腕を掴み、別の友人と殴り合わせた娘だ。
「何いってんの!?そんな呪いなんて、この世にある筈がないわ!」
呪いはないと言い切る娘に、他の者は溜息を吐きながらその腕を掴むと…
「でも!!良いから!!もう行こう!!」
と連れて行かれてしまった。
どうやら、バケツをかぶせられた為に、あの状況を知らなかったようだ。
泉華は、自分から遠ざけた鞄からタオルを取ると頭を拭きだした。
泉華は…理解していたのだろうか…今日の事を…死神は…どうしたら良いかわからない…