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死神の鎌  作者: 凪薙壱
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死神の鎌 双

死神の鎌 双


死神の鎌は不確定なもの


死神の鎌は未確定なもの


死神の鎌に法則はなく


死神の鎌に形はない


そして…


死神の鎌は…常に鎌の形をしているわけではなく…

死神の鎌は…地上の世界と死神の世界とは違う別の世界の理のもの


故に死神の鎌の個数は不特定である



傘を掲げる娘に…死神は言葉を失った

なぜ見える?そう考えて…そう考えた上で、その考えが愚かだと理解した。


死神の姿はその死神に魂を刈られる者にしか、その姿が見えない。

そんな知識があった。


「どうしたの?誰も倒れている君に気づかないなんて…私、ついに壊れたかな?」

娘が自虐的に笑った


…死神の姿が見えるのは…死神の餌食になる人間だけなのだ。

そう考えながら、死神は…呆然としていた。


なぜなら、自分が死神という証明なのだから…鎌を持たぬ死神である故に、幾度も己の存在にあった疑問が無くなったのだ。


「ねぇ…君は…幻なの?幻ならこのまま消えて…君の為に…私の妄想の為に、私が濡れるの嫌だから」


死神はこのとき初めて、娘が死神の為に傘を掲げているせいで雨に濡れていることに気づいた。


「それとも…見てるの?」


そう娘が呟いた次の瞬間…死神は体を起こし…さっきまで死神の頭があった位置に…娘の足が踏み下ろされた


「変態…」


娘が軽蔑視で死神を見たが…死神は…笑ってしまった

久しぶりの他者との交わりに涙を流してしまった


「!?…どうしたの?苦しいの?」


死神は薄れる意識の中で…また、地面に倒れてしまった…


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