死神の鎌 従散
生きていれば、死ぬ事はわかっていた
存在が生まれた時から、存在しなくなることも
どんなに言葉を紡ごうとも…あるものは失う
有は無に…無から有は生まれない…
この法則は…永久に…魂も消えれば無に化し…
死神も消えれば無になる…
だが…無から有は生まれない…
それは…偏見である…
無ければ作るのがこの世の理
世界になんて理は初めは無かった
道徳もルールも後から決められたもの…
死神の鎌も…死神も…誰かが決めたもの…
じゃあ…これから何が起こるか…解るね?
死神は…否、死神の鎌は…眠っている泉華を見た…
安らかに…眠る…泉華…
一度は、死ぬ事を止め…生きる事を頑張ろうとしたが…それが…生きる理由を奪うと知って…彼女は…それを捨てた…
死神の鎌は…片腕を…ローブから出す…
そして…泉華の頬を撫でると…血が流れた…
綺麗な赤……でも…見たくない赤…
人の命を奪う事が…こんなにも辛いなんて…知らなかった…
義務で命を刈る事に何の疑問も抱かなかった…
でも…泉華と生活していく内に…別れるのが…辛くなった…
見つからなければ良いと思った…
でも…鎌は死神自身…死神であり、死神の鎌である…
死神は…腕を高く上げた…
命を刈り取るのが…死神の役目なら…命を刈るのは鎌の役目…
もし叶う事なら…死神は…彼女と生きたかった…
でも…
彼女は人間で…死神は死神でしかない
人間は常に死に逝く者
死神は常に死に導く者
だから…腕を…鎌を振り上げたのに…
死神は腕を振りおろせなかった…
永遠のものは存在しない…
泉華が…言った言葉を思い出した…
永遠なんて有り得ない…死神は…その腕を振った…
全ては永遠でないものを…終わらせる為に…
死神の鎌は…その刃を空へ煌めかせた…
エピローグ
死神の鎌…
それは魂を刈る道具
生きている存在に死を与える集団
それは…絶対的で…容赦なく…死を振りまく…
生きる者は…その死を受け入れるしかない…
そんな世界…
でも…そんな世界に…新しい存在が生まれた…
生者ではなく…死ぬべき人間から…魂の抜けない死者からその魂を刈り取る存在
死ぬべきではない…やり直したい人を助ける存在
死神に立ち向かう存在
死神の与える死を拒み…生きる…存在がいた…
星の光程度の明かりの中…
刃物を弾く音が聞こえる…
「泉華…右だ…」
「はっ、はい!!」
その暗闇の中には…変な布を身に纏い…走る娘とその傍で…彼女を守るように立つ白い髪の男が居て…
二人の周囲を…何かが囲んでいた…
泉華と呼ばれた娘が…右から放たれた…光の軌跡を手に持つ刀で弾く…
それを、白い髪の男が拳で弾くと…
「ぐっ!!」
何かが闇の中で倒れた…
そして…再び…二人は、背中合わせで…周囲を警戒する…
「執念深いわ…死神って…」
ローブの娘が、周囲を警戒しながら、白い髪の男に話しかける…
「ああ、あんな教科書にしたがって生きる事しか知らないからな」
白い髪の男も同意してそう言うと…
「いい加減に、諦めたらどうだ?」
星の光にも照らされない何者からか、そう声が聞こえた。
「もう、逃げる事すら出来んのだ…いい加減その魂を刈らせろ…」
声が…私にそう言う…今こんな状況に居る私に…
「お生憎さま、この子は、死ぬにはまだ早いの…この子は、まだ生きたいと願っているの…その願いがある者が居る限り…私は諦めないわ」
泉華が…私を庇うように…その存在へと…言い返し
「永遠は存在しない…この子もいつかは死ぬだろうが、今は死ぬときじゃないんだよ!!」
白い髪の男も…そう言い返した。
闇の中の存在は…そんな二人の言葉に呆れたような雰囲気をだすと
「“ヤレ”」
その一言だけを告げると…闇が…私に押し寄せてきた…
「仕方ないわね…」
闇が…私たちを襲うと思った時…泉華が刀を捨てた
もう駄目だと思って目を瞑ると
「切り裂くわ…円!!」
泉華がそう言うと…
「応!」
あの白い人の声が聞こえた…
そして…眼を瞑っているのに…光が…私の眼を眩ませた…
眼を開けると…そこには誰もいなかった…誰も…
高層ビルの屋上に…私は飛び降りた…
そして、
手に握っていた…巨大な鎌を地面に立たせると…
巨大な鎌は白い髪を持つ男性へと変化した
「う…まだ変な感じがする…」
大鎌…円が足をふらつかせながら、そう呟く
「まだ、変化は落ち着かない?」
私はそんな円を心配する
「ああ、だが…私の体調よりも…」
円の手に、先ほど私が地面に落した刀、凍華…が握られていた。
「泉華…その刀も一応…その…大事にしてほしいんだが…」
円はそう言って私に刀を渡した…
「ごめんなさい!片付ける余裕がなくて…凍華も…ごめんね」
私は、刀を地面に優しく置くと刀もさっきの鎌と同じように変化した
12〜13歳くらいの黒い髪の少女の姿に…
「うっ…痛かったよ…泉華ママ…ひどいよ…」
黒い髪の少女が泣きそうな顔で私を見てきた…
この子は…円と私の可愛い子供…
円は、もともと私を殺しにきた死神だった…
でも、その頃の私は、生きる希望も無く、その死を受け入れようとした…
だけど…その死神は…鎌を持たなかった…
だから、私は死ぬ為に鎌を探すのを手伝った…でも…
私は…彼の事を好きになってしまった…生きたいと願ってしまった…
彼と共に…でも…そう思ったら…私には彼が見えなくなった…
死ぬ気が無い者に…彼は見えないと…だから…私は彼に殺されることを望んだ。
永遠は存在しない…私は…彼に殺されることで…彼の中で永遠になろうと思った…
そして…鎌は見つかった…彼自身が鎌だった…
あとは、私が殺されるだけ…そう思った
だけど…彼は…私を殺さなかった…
「永遠のものが存在しなかったら…永遠のものになればいい…俺も…お前が居ない世界で…生きるのは嫌だ…」
彼も私共に生きていたいと思ってくれた…
「でも…私は人間で…」
「なら…俺の使い手になれ…死神の鎌の使い手に…だから…俺に名前をくれ」
私はそれを受け入れ与えた名前が円だ…永遠を願ってそう名付けた
そこからが大変だった…他の死神たちは、私たちの関係を認める筈がなく…
私たちは死神の世界でお尋ね者になった…
そして…さらには…死神の世界は…いびつな魂…死んでいる筈なのに動く存在を無視していた…
その存在が殺す生命の存在を…
私は…円とそれを狩り…人の世を生きる事にしたが…私単体では危険だと…凍華を自分の体から生み出してくれた…
愛しい娘を…
私は…これからも…3人で生きていく…
自分の力が届く範囲の幸せを守りながら…死神の死の運命から…日常を守るために…
私は…死神…死を司る神
でも、それ以前に…ただの一人の女の子でもあるんだから…
「円〜疲れたから、おんぶ〜」
私はローブ越しに円の背中に抱きつく…
今はまだ円の体に直接触れる事は出来ないが…私は…いつか…
円を抱きしめたい…そう願う…
「円!!離れろ!!泉華ママは凍華の!!」
円のお腹を凍華がぽかぽか叩きだし…
「おい、やめろ!!たったおえっる!!!」
バランスを崩した…私たちはその場に倒れてしまって…
ふにゅ…
円の顔が…私の目の前にあって…唇が熱かった…
生きていれば、死ぬ事はわかっていた
存在が生まれた時から、存在しなくなることも
どんなに言葉を紡ごうとも…あるものは失う
有は無に…無から有は生まれない…
この法則は…永久に…魂も消えれば無に化し…
死神も消えれば無になる…
だが…無から有は生まれない…
それは…偏見である…
無ければ作るのがこの世の理
世界になんて理は初めは無かった
道徳もルールも後から決められたもの…
死神の鎌も…死神も…誰かが決めたもの…
じゃあ…これから何が起こるか…解るね?
死神は…否、死神の鎌は…眠っている泉華を見た…
安らかに…眠る…泉華…
一度は、死ぬ事を止め…生きる事を頑張ろうとしたが…それが…生きる理由を奪うと知って…彼女は…それを捨てた…
死神の鎌は…片腕を…ローブから出す…
そして…泉華の頬を撫でると…血が流れた…
綺麗な赤……でも…見たくない赤…
人の命を奪う事が…こんなにも辛いなんて…知らなかった…
義務で命を刈る事に何の疑問も抱かなかった…
でも…泉華と生活していく内に…別れるのが…辛くなった…
見つからなければ良いと思った…
でも…鎌は死神自身…死神であり、死神の鎌である…
死神は…腕を高く上げた…
命を刈り取るのが…死神の役目なら…命を刈るのは鎌の役目…
もし叶う事なら…死神は…彼女と生きたかった…
でも…
彼女は人間で…死神は死神でしかない
人間は常に死に逝く者
死神は常に死に導く者
だから…腕を…鎌を振り上げたのに…
死神は腕を振りおろせなかった…
永遠のものは存在しない…
泉華が…言った言葉を思い出した…
永遠なんて有り得ない…死神は…その腕を振った…
全ては永遠でないものを…終わらせる為に…
死神の鎌は…その刃を空へ煌めかせた…
エピローグ
死神の鎌…
それは魂を刈る道具
生きている存在に死を与える集団
それは…絶対的で…容赦なく…死を振りまく…
生きる者は…その死を受け入れるしかない…
そんな世界…
でも…そんな世界に…新しい存在が生まれた…
生者ではなく…死ぬべき人間から…魂の抜けない死者からその魂を刈り取る存在
死ぬべきではない…やり直したい人を助ける存在
死神に立ち向かう存在
死神の与える死を拒み…生きる…存在がいた…
星の光程度の明かりの中…
刃物を弾く音が聞こえる…
「泉華…右だ…」
「はっ、はい!!」
その暗闇の中には…変な布を身に纏い…走る娘とその傍で…彼女を守るように立つ白い髪の男が居て…
二人の周囲を…何かが囲んでいた…
泉華と呼ばれた娘が…右から放たれた…光の軌跡を手に持つ刀で弾く…
それを、白い髪の男が拳で弾くと…
「ぐっ!!」
何かが闇の中で倒れた…
そして…再び…二人は、背中合わせで…周囲を警戒する…
「執念深いわ…死神って…」
ローブの娘が、周囲を警戒しながら、白い髪の男に話しかける…
「ああ、あんな教科書にしたがって生きる事しか知らないからな」
白い髪の男も同意してそう言うと…
「いい加減に、諦めたらどうだ?」
星の光にも照らされない何者からか、そう声が聞こえた。
「もう、逃げる事すら出来んのだ…いい加減その魂を刈らせろ…」
声が…私にそう言う…今こんな状況に居る私に…
「お生憎さま、この子は、死ぬにはまだ早いの…この子は、まだ生きたいと願っているの…その願いがある者が居る限り…私は諦めないわ」
泉華が…私を庇うように…その存在へと…言い返し
「永遠は存在しない…この子もいつかは死ぬだろうが、今は死ぬときじゃないんだよ!!」
白い髪の男も…そう言い返した。
闇の中の存在は…そんな二人の言葉に呆れたような雰囲気をだすと
「“ヤレ”」
その一言だけを告げると…闇が…私に押し寄せてきた…
「仕方ないわね…」
闇が…私たちを襲うと思った時…泉華が刀を捨てた
もう駄目だと思って目を瞑ると
「切り裂くわ…円!!」
泉華がそう言うと…
「応!」
あの白い人の声が聞こえた…
そして…眼を瞑っているのに…光が…私の眼を眩ませた…
眼を開けると…そこには誰もいなかった…誰も…
高層ビルの屋上に…私は飛び降りた…
そして、
手に握っていた…巨大な鎌を地面に立たせると…
巨大な鎌は白い髪を持つ男性へと変化した
「う…まだ変な感じがする…」
大鎌…円が足をふらつかせながら、そう呟く
「まだ、変化は落ち着かない?」
私はそんな円を心配する
「ああ、だが…私の体調よりも…」
円の手に、先ほど私が地面に落した刀、凍華…が握られていた。
「泉華…その刀も一応…その…大事にしてほしいんだが…」
円はそう言って私に刀を渡した…
「ごめんなさい!片付ける余裕がなくて…凍華も…ごめんね」
私は、刀を地面に優しく置くと刀もさっきの鎌と同じように変化した
12〜13歳くらいの黒い髪の少女の姿に…
「うっ…痛かったよ…泉華ママ…ひどいよ…」
黒い髪の少女が泣きそうな顔で私を見てきた…
この子は…円と私の可愛い子供…
円は、もともと私を殺しにきた死神だった…
でも、その頃の私は、生きる希望も無く、その死を受け入れようとした…
だけど…その死神は…鎌を持たなかった…
だから、私は死ぬ為に鎌を探すのを手伝った…でも…
私は…彼の事を好きになってしまった…生きたいと願ってしまった…
彼と共に…でも…そう思ったら…私には彼が見えなくなった…
死ぬ気が無い者に…彼は見えないと…だから…私は彼に殺されることを望んだ。
永遠は存在しない…私は…彼に殺されることで…彼の中で永遠になろうと思った…
そして…鎌は見つかった…彼自身が鎌だった…
あとは、私が殺されるだけ…そう思った
だけど…彼は…私を殺さなかった…
「永遠のものが存在しなかったら…永遠のものになればいい…俺も…お前が居ない世界で…生きるのは嫌だ…」
彼も私共に生きていたいと思ってくれた…
「でも…私は人間で…」
「なら…俺の使い手になれ…死神の鎌の使い手に…だから…俺に名前をくれ」
私はそれを受け入れ与えた名前が円だ…永遠を願ってそう名付けた
そこからが大変だった…他の死神たちは、私たちの関係を認める筈がなく…
私たちは死神の世界でお尋ね者になった…
そして…さらには…死神の世界は…いびつな魂…死んでいる筈なのに動く存在を無視していた…
その存在が殺す生命の存在を…
私は…円とそれを狩り…人の世を生きる事にしたが…私単体では危険だと…凍華を自分の体から生み出してくれた…
愛しい娘を…
私は…これからも…3人で生きていく…
自分の力が届く範囲の幸せを守りながら…死神の死の運命から…日常を守るために…
私は…死神…死を司る神
でも、それ以前に…ただの一人の女の子でもあるんだから…
「円〜疲れたから、おんぶ〜」
私はローブ越しに円の背中に抱きつく…
今はまだ円の体に直接触れる事は出来ないが…私は…いつか…
円を抱きしめたい…そう願う…
「円!!離れろ!!泉華ママは凍華の!!」
円のお腹を凍華がぽかぽか叩きだし…
「おい、やめろ!!たったおれっる!!!」
バランスを崩した…私たちはその場に倒れてしまって…
ふにゅ…何かが唇に当たる感覚がして…
円の顔が…私の目の前にあって…唇が熱かった…
続編は考えてません!
まあ…最後の方は文字数が少なすぎて追加で考えたものですから…設定が書きながら考えたものです…
ごめんなさい!!
感想、要望があったら、書いてください!
では、死神の鎌はこれにて閉幕!
ありがとうございました〜