死神の鎌 従似
死神の鎌
命を奪いし道具
異世界を駆ける凶器であり狂気
単独でさまざまな能力を所有し、死神の証にあげられる物
死神の存在は、死神の鎌を扱う力、知識があって初めて使える
それは、死神の鎌には意思があることを示している
なら…死神の鎌が、鎌である力を持たぬと思い込ませることで、その能力を制
御できるかもしれないと
考えたのであるならば…
死神の刃の力を制御する道具があるとしたならば、死神の鎌は、単独で死神と
化し、
死神であり、死神の鎌と言う、新たな死神が生れると考えられる。
死神よりも強い、鎌を扱う鎌…それは、最強の死神であると…
死神の鎌を探す鎌が…己が身こそが鎌であると知ったとき…その結果が現れる
。
死神は他の死神が自分と同じ物を着ていない事を理解した。
この死神が来ているものは、死神の着る布の素材ではなく…死神の鎌に巻かれ
る布…
肉体と魂を切り離す鎌が死神を斬らぬように、死神を守るもの
死神は鎌を見つけた
それは、別れの時だった
「死神さん?」
死神がその声に後ろを向くと…泉華が居た
風呂上がりらしく、髪は濡れていて、頭にタオルをかけ、体は湯気が出ていた
。
「こんな処に居たんですね」
安堵して表情を見せた泉華が、死神の腕を抱きしめて座る
死神はビクッと体が強張ってしまったが、死神はそれを気づかれないように努
力した。
「話をしてみると…気恥ずかしいものですね…」
昼間の事が恥ずかしくて顔が赤くなったのだろうか?
それとも風呂上がりで顔が赤いのかわからないが、泉華は死神に照れたように
笑う。
死神は、泉華に抱きしめられた腕とは逆の手で泉華の頭を撫でる。
「ん…頭を撫でて喜ぶような…子供では…って…髪を拭いているだけ……べっ
…別に…喜んでいるわけでは…」
泉華が何か勘違いしたようで慌てているが、死神は本当は頭を撫でたかったが
、脳裏に血を流す泉華が…過って
その手はタオルの上に置かれた。
死神は…泉華に質問した。
「死神の鎌が見つかったら…どうするのか、ですか?」
泉華は少し悩んだが…
「まだ見つかってないことを、決めるのは難しいですけど、斬ってください…
それは、私の望みで死神さんの使命です。
私のわがままで止めてはいけません…だから…その時が来たら…容赦なく…斬
ってください。
だから…いまは、鎌が見つかるまで、死神さんと一緒に居ることだけ考えたい
です」
死神はその言葉に…顔を背けた
「なんです!!恥ずかしい事を言わせておいて!!」
泉華は死神が恥ずかしい事を言ったせいで顔を背けていると思ってそう言うが
…
死神は…泉華に…告げられなかった…もう鎌は見つかったのだと…言えなかっ
た…
「くしゅん…もう秋ですね…」
くしゃみをした泉華がそう言った
「冬は春が来る事を止められないように…秋も冬を遮ることは出来ない…でも
、その変化は大事な事なんですよね」
泉華が急に手を離し、死神は泉華の方を見る
「永遠なんて有り得ない、終わらないものなんて無いんですよ…だから…私は
いまを楽しみたい」
泉華が死神から離れる…死神は、離れようとする泉華に…反射的に手を伸ばそ
うとして
急に後ろを振り向いたから、死神は手を引っ込める
「だから…もし、私の知らない処で見つけたら…容赦しないで…」
その眼は…真剣だった…