表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バトルロワイヤルゲーム  作者: 弥生ちとせ
2/2

自衛のため、それは地獄

飛行機が飛び立ってから数分

「では好きなところで飛び立ってください」

という機内アナウンスが流れる。

機内の生徒はざわつき始めた。


生徒の持ち物は飛行用の服とパラシュートとパラシュートを開くためのボタン

それらは地上に降りた直後その場に捨てていいという。

ルールは最後に残った1人が勝利、ソロバトルのため2人以上でのチーミング禁止発見次第即処刑による死が待っている。他は自由となっている。


「それじゃあ俺行くわ」

そういって飛行機から空へ飛んで行ったのは学年一の人気者塚本航太

より一層機内がザワつくが、さらに影の薄いものやその他数人が降り、機内には残り82人。

無人島の真ん中に差し掛かった時に一気に降り、残り34人

最後まで残ったのは17人で

「降りなかったら死刑対象なので早く降りてください」

というアナウンスの後すぐ全員が飛び立った。


最初に降下した塚本が降りた地点はストレイジという街

島の中では比較的大きめの集落といったところで、決して物資が少ないということはない。

「色々と銃があるけどどれがいいんだろうな、ハンドガン除けば2丁しか持てないし…」

既に中型リュックとバイクのヘルメット(レベル1)防弾チョッキ(レベル2)を取得しており、現在は戦うための銃を選別している最中だった。

その間に既に3人をキルした人物が1人。

高校生にして動画投稿サイトでのチャンネル登録者数5万人を超える大人気ゲーマーのユッキー、本名:山下幸宏(やましたゆきひろ)の装備はSCAR-Hとドラグノフ、大型リュック、防弾ヘルメット(レベル2)防弾チョッキ(レベル2)だった。さらにまた1人敵を発見しているようだ。

「どれ持てばいいかわかんないし!もうこれでいい!」と言ってM4A1カービンを持ったのは、ギャルの高本芳佳(たかもとよしか)

「あ、芳佳じゃん!それ武器?いいな!私も欲しい!」と言って近づいてきたのは…

高本はM4A1を連射し、吉川という女生徒を撃ち殺した。

「近づいてくんな、私は死にたくないんだから。」

高本は急に冷めたような顔つきでマップを確認し始めた。


マップの確認方法は島への移動中に配布された錠剤に入れられたチップによって脳内に映し出される。さらにそれにはマップ以外にも他人のキル情報やエリア収縮の情報、残り人数などが表示されている。


ストレイジは島の南側、高本がいるクラフトという街は島の最北端。安全区域の範囲が決まった。

範囲の中心になったのは島の中心で1番大きい街のべネレート(benerate)だった。

塚本と高本は移動しなければ範囲外という状況に変わった。


一方中心街のべネレートでは人間不信に陥った者たちの殺戮合戦が繰り広げられており、エリア収縮開始までの最初の5分で40人を超える生徒が屍へと変わっていた。


エリア収縮開始時残り人数『48人』


「このエリアきついです…」

1人誰とも遭遇せず、誰とも近くない位置に降り立ち、エリア収縮に伴い移動しているこの女子生徒は網代黄泉(あじろよみ)。体力的には普通の生徒より劣るが山下に劣らないゲーマーのため期待株となっている。


そしてエリア収縮中にもべネレートでは殺戮合戦が続いており、第2範囲が決まる時には既に57人がその場で死に絶えた。

そのべネレートで生き残った数名は家の中で敵が動くのを待っていた。

第2範囲は第1範囲の収縮具合よりも狭くなり、この範囲でエリア外ダメージによる死亡者が多数出ると予想されている。

範囲決定時現在に範囲外にいる人数は6人。

さらに残り人数21人。

塚本は現在先立って範囲の中心である名もなき集落に潜んで、敵が来るのを待っていた。装備は先ほどよりも充実し、アサルトライフルのAK、スナイパーライフルのM40の2丁を所持し、防具やリュックどれもが最大のレベル3となっており、いつでも接敵に備えていた。

一方山下は範囲内ギリギリにあるマンションの屋上からスナイパーライフルのkar98kで見える敵全てをキルしていった。

高本は範囲外で敵と見合っている状況。既に5キルしており、ゲーム経験無し実銃射撃経験無しと全くここまで生き残る理由が見当たらないが、火事場の馬鹿力でどうにか生き残っていた。

時は進み第5範囲。

残り人数は6人。塚本、山下、高本、網代、下川、横手となっており、家に籠っている塚本と下川が圧倒的有利な状況。

山下は地形を活かして窪地で敵の様子を伺っていた。

高本は下川の家の壁に張り付き、網代は木の裏で伏せていた。

第6範囲が決まると、塚本の家は範囲外、山下の窪地も範囲外、高本下川の家は範囲内、網代の木は範囲内、横手の地下は範囲内だった。

横手の地下は入口が既に範囲外のため無理矢理入りに行くことは出来ても有利とはいかなくなる。

ここから戦略的な戦いが始まる。


まず塚本は下川が伏せている部屋に手榴弾を投げ入れた。それに反応した下川はダメージを受けつつも少量に抑え、他の部屋に退避した。

その隙を見て高本が家に侵入し、下川の横の部屋まで来ていた。

そこで少し安堵している高本を山下は捉えていた。すかさず山下は頭にスナイパーライフルの照準を当て、撃った。

しかしながら高本はレベル3のヘルメットであったために一発での死亡とならず、致命傷で済み回復アイテムで回復した。

その銃声で網代は山下をロックオンし、アサルトライフルでフルオート射撃。

山下のライフはあっという間に削られ山下は死亡した。

網代は消音器を付けていたため銃声がバレることなくその場で伏せたままだった。

範囲収縮が開始し、塚本は下川高本のいる家に突入。先に下川と遭遇し、サッカーで鍛えた反射神経で撃ち勝った。高本は塚本がリロードをしている隙に背後から消音器付きのM4A1であっという間にキルした。

残りは高本と横手と網代

高本と網代は横手の存在に気づいていない。

最後の範囲が決まった。高本の家が最終範囲。

網代は動かなければいけない。横手は地下が範囲外になってしまうため、脱落は免れないだろう。

収縮開始まで残り30秒。網代がどのような動きをするのかが注目される。

横手はエナジードリンクを飲み、地上に出る決意をし、走り出した。しかし範囲に入る直前にダメージで死亡、残りは2人となった。

高本は網代の位置を把握出来ていない一方網代は高本の大体の位置を把握している。

網代は収縮開始まで残り10秒の時に別方向へスモークを投げ、高本の家に張り付いた。高本はスモークの方を見ており網代の動きは全く把握出来ていなかった。

網代は足音を立てないように家に入り、高本の部屋の前まできていた。

しかし網代は一旦階段まで引いて閃光弾を高本がいる部屋に投げ込んだ。

高本はバルスをくらったように「目がぁ!目がぁ!」といってM4A1を撃ちまくった。

しかしそこに網代はおらず、高本が撃ち終わった後に部屋に入りキルをした。


その結果網代が勝利し、その他99人の生徒は命を落とした。

ただ、網代は最後その場で立ち尽くしたままだった。

そして少し時が経ってからスーツ姿の男が部屋に入ってきた。

「おめでとうございます!網代さん!」

と満面の笑みで話しかけてきた。

網代はその満面の笑みにありったけの弾を撃ち込んだ。

脳内のモニターから声が出た

「な、何してるんですか!?人殺し!」

網代はその場でその質問に質問で返した。

「私たちの日常を壊したこの男を殺しました。では質問です。何故このようなことを私たちにさせたのですか?」

モニターからの声は消えた。

「答えろっつってんだよクソがァ!」

網代は叫んだ。その目には今にもこぼれおちそうな涙が。

「なんで…嘘ですよね…これはゲームの世界なんですよね…」

網代は下を向き歯を食いしばった。大粒の涙は部屋の床を濡らした。

「私は死にたくなかったから殺した、でも!本当は殺したくなかった!」

モニターからの声はない。

すると外から大勢の人が来たような足音がした。

それは武装した部隊で、

「網代様、迎えに上がりました。」

といって道を作った。

「ねぇ、あなた達なら答えてくれるわよね…」

誰の返事もない

「なんで…なんでこんなことさせるの?…」

誰の返事もない

「答えてよ!」

叫んでも誰の返事もない

網代は動かなかった

「網代様、あなたは勝利なさったのです。もっと誇ってよろしいのです。」

そういって網代の体は武装隊に抱えられ、装甲車に乗せられて港まで運ばれた。

網代は何も言わなくなった、何も考えなくなった。


いや、できなくなってしまった。


しかし、これだけでは終わらなかった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ