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秘密特訓

 見渡す限り真っ暗な空間。光源も無いのに自分の姿がはっきりと見えている。


「貴様から引き入れられるとはな。何のようだ」


 何も無い空間から突然巨大な竜――ドラグニールが現れた。

 ここは俺の夢の中……というより魔法で作った精神世界らしい。初めの頃にもこの空間でドラグニールに修行をして貰っていた。その時はドラグニールにこの空間を作り俺を引き入れて貰ったが、最近では俺でも出来るようになった。


「俺さ、前の世界ではほんと平凡でさ。こんな世界に憧れてたけど諦めて過ごしてたんだ。けどこの世界に来て、憧れてたような生活が出来て、クラガやエリシアみたいな仲間も出来て、多分舞い上がってたんだ。それをこの前のオーガとの戦いで痛感したよ」

「…………」

「お前のお陰で魔法とかも色々使えて、強くなって。でもまだだ。まだお前の力で戦ってるだけだ。これを本当の意味で俺の力にしないと多分この先、どこかで限界が来ると思うんだ」

「前置きは言い。端的に言え」


 ドラグニールの言葉を受け、俺はその鋭い眼光を真っ直ぐ見返した。


「俺をもっと強くしてくれ。お前を倒せるくらいに」

「……クハ、クハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!! 我を倒すというか! この! 我を!」


 俺の言葉に、ドラグニールはこれ以上無いほど笑い声を上げた。


「おま……笑いすぎだろ」

「ハハハ。すまぬすまぬ。よもやそのような世迷い言を二度も聞くことになるとは思わんでな」

「二度? 前にもあったのか?」

「ああ。我を封じた勇者だ。結局は倒しきれなかったがな。だがその強さは人の中では間違いなく最強だった。つまりは貴様はその勇者よりも、あらゆる人間よりも、いや、魔物を含めた全ての生命よりも強くなる、そういうことだな?」

「思ったよりも話がでけぇ……けど、そのくらいしねぇと駄目なんだ」

「よかろう。先日手本を見せてやったが、こうして実践でやる方が効率がいいからな。だが、相応の覚悟を持って臨めよ?」

「おう。何回か死ぬことくらい覚悟の上だ」


 俺は如月を構えながら答え、ドラグニールは翼を広げ体を起こしながら答えた。


「桁を二つほど増やしておけ」

「えっ」


 そうして俺たちの特訓が始まった。 

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