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竜神に転生失敗されて女体化して不死身にされた件  作者: 一 葵
踏み出す者たち

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交流戦-4

11ヵ月ぶりですね!!!!

すみません!!!!!!!

復活しました!!!!!!

「エク言うんだから忖度ではないとはわかっていたが、いざ目にすると面白いものだな」

「でしょ?」


 アラヤとエクシアは並び立ち、少し離れた位置でその様子を眺めていた。


「彼女、見た目だけなら年相応……いや、むしろ華奢な方だ。身のこなしや雰囲気から強者だとは分かるが、冒険者としての素養、対魔物としてだ。対人としては一歩劣る……と、感じたのだがな」


 視線の先。そこには十分に鍛えた男数人を同時に相手取り、あまつさえ翻弄しきっている少女――アリアの姿があった。


「自身の攻撃は的確に全て当て、相手のものは当たるどころがかすりさえしていない。何度か掴まれてはいるが、正確には次の動きに繋げるためにあえて掴ませている」

「剣術や魔法は流石に教える人がいるけど、基本の動きは我流……というか実践の中で自然と身に着けたものだね」

「実践こそ一番の訓練ということか」


 そう呟き、アラヤは目を細めアリアの動きに注視する。その動きは、武人として己を鍛え、人を鍛えたアラヤにとってやや見慣れないものだった。


 構造上、人体の動きには制限がある。だから鍛え訓練することでその制限を広げるが、それも限界はある。さらに別問題として動きには流れがある。最大効率で繋がる動きと動き。型とも呼ばれるそれは、ある程度は定まっているものだ。


「あの低い姿勢からなら跳躍ではなく、一度足払いを兼ねた旋回を挟んだ方がより効果の高い跳躍を生める……が、彼女は身体能力任せで跳躍にそのまま移行している。その後の動きも同様だな」

「さっすが。もうそこまで見通しちゃうんだ」


 エクシアがやや呆れた口調で続ける。


「自然な動きの繋がり、効率のいい動きの選択。それはそれとしての、こう動けたらいいなっていう理想の動き。実現不可能……とまではいかなくとも負荷も高くてリスクも大きい行動を、アリアは当然のようにしてしまうんだよね」


 まいったまいったと日頃の訓練を思い出し方をすくめた。

 そんなエクシアを他所に、アラヤは更にアリアの動きに注視した。


「根幹となっているのは突出した身体能力。華奢な身体の身軽さと柔軟さが更に動きの幅を広げているのか。それを支える身体強化が華奢故の攻撃の軽さというデメリットを打ち消している。最も現状は最低限か。実戦であれば制限はかけないが、更に繊細なコントロールが……」

「……おーい、アラヤ? はまっちゃった? 帰ってこーい?」


 聞こえていないのか無視しているのか、エクシアの言葉には反応せずアリアの動きから彼女の能力を見定めている。そして不意に、彼は言葉を止めた。


「お、もう終わり?」

「ああ。現状ではこんなところだろう。向こうも頃合いのようだ。どれ、次の段階に進めるぞ」


 そう言って、アラヤは腰に下げた剣に手を伸ばした。




          ***




 経過時間は大体五十秒。身体強化は最低限だが、それでも相手からすれば鍛えた男から殴れたのとほぼ同等。初めにいた二十人のうち、十人は倒れて、五人は座り込み、三人は立ってはいるが膝に手をつき、二人が何とかまだ向かってこようとしている。


「……改めてだが、やっぱやべぇな。なんで素手で武器持ち二十人をああもあしらえるんだよ」

「私の視点で言うと、身体強化のコントロールが精密過ぎるんです」

「精密? 強力じゃなくてか?」


 クラガの問いに、エリシアはやや考えてから答える。 


「経験のない人からすれば単純に力が上がるだけ、と思われがちですが……例えば全力疾走中に脚力が急に十倍になったと考えてください」

「……転ぶな」


 神妙な顔で呟かれた答えに、エリシアは呆れて息を吐く。


「転ぶどころでは済みませんよ……。強化の幅は一定ではなく、瞬間瞬間で最適なものを、最適な力で扱う必要があります。大抵は攻撃をする、受ける等の力がいる、仮に扱いを誤ってもリスクの少ないタイミングで行うのが一般的です」


 ですが、と一度区切って再度繋げる。


「アリアは戦闘中はほぼ常に使用しています。どれだけ些細な動きでも。これまでの過酷な生活を振り返ってもあまり筋肉がついていませんから、そうしないと戦闘としてはまともに動けないからなのでしょう。込める力を流動的に変え……いえ、加えて別々の力を同時に扱い、あまつさえ全く別の魔法も使う」

「……あいつ、そんなこと考えながらいつもやってんのか?」


 引きながらの言葉に、しかしエリシアは首を振る。


「恐らく、無意識の感覚です。本人には言いたくありませんが、次元が違うというのが、正直な感想です」


 ――強力な魔法の扱い、多彩な刀術。彼女を強者たらしめる要素は幾つかあっても、それらで上回る人はいます。……けれど、


「彼女ほど魔法そのものに愛された人を、私は知りません」

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