09 2ヶ月過ぎて・・・
2月ももう終わる頃になっていた。
2ヶ月弱で3回程使用か、思ったより少なかったな。
これだけだと実験サンプルにもならないのでは?
クリスにそれとなく聴いてみると問題ないとの事。
もしかして別の部分も観てるのかな?
聴くのちょっと怖いな。
今日は休日、本当に久しぶりだけど天神辺りに行ってみようかと。
電車は面倒くさいんで車で行く。
クリスももちろん一緒だ。
「もうそろそろプロ野球のオープン戦始まってるんじゃないかな、生で見たことあるかい?」
「もちろんですよ、前任地はアメリカ大陸でしたから」
・・・なるほど、北側だったんだろうな。
「今度チケット購入して見に行こうか?」
「はい、喜んで」
どっかのお店みたいな返事だな、まあいいか。
「どこか行きたいとこ、見たいとこあるかい?」
「いえ、特には。サポートが仕事ですので基本行きたいって所はないです」
そうか、そういえばそうだったな。
それじゃちょっと行先変えて博多辺りを廻るか。
ドーム球場辺りだと渋滞してそうだし。
そんな訳でぶらぶらと廻ってみると、前方の休憩出来る椅子に座って休んでる人に見覚えがある
どっかで見た、ちょっと昔に、、、、
あぁ、同じ会社の人でで定年した人だ、年取ってしまってるから最初判んなかった。
向こうも多分覚えてるだろう、挨拶しとくか。
「大島さんお久しぶりです、もう5~6年くらいになりますかね?」
誰だっけって顔された、、、まずい忘れられてる?
「同じ会社で働いていた川田ですよ、忘れました?」
大島さんはちょっと考えて(記憶を呼び起こして)思い出したように
「おおすまない、思い出したよ、いかんな年取ると」
「いやいや、こんな街中まで来られるんだからまだまだ若いですよ」
なんて社交辞令っぽい挨拶を交わしながら、退後のことを話していると、分かったことが一つあった。
1年前に膝を悪くして杖を突かないと歩行が難しいみたいだ。
今日は息子家族と一緒に博多まで来てちょっと休憩していたところ私が見つけたという訳。
息子一家は子供連れてちょっとおもちゃコーナーへらしい。
しばらく談笑していると、息子一家が戻って来たんで別れの挨拶して背中を向け、、、
「クリス能力承認よろしく」
いつもの如く、僧侶系と銃士のミックス。
そのまま人知れず撃ち込み離れて行った。
家族っていいなぁと思うけど、自分には関係無い、無いんだよね。
言い聴かせるように呟く。
「川さんは自分自身に回復弾撃とうと思わないんですか?
ぱっと使ってそのまま解除するパターンばっかりだけど」
意外な質問だった、考えたこと無かったよ。
不思議だ。
あと4発あるから、このまま具現化させといて様子見るかな。
多分、自分自身に使うような状況にならないだろうけど。
ちょっと考えて答える。
「多分、イメージ出来ないからだろう」
「もうちょっと詳しく言えば他人に使って使用するから効果があると思っているからだと思う」
「じゃあ逆に自分には効果が無いと?」
クリスが理解出来ないと言う様な仕草で問う。
「そう言う事」
「制約条件の中で無意識にそういう設定にしちゃったんでしょうか?」
「多分ね、でも死にそうになったら回復出来ちゃうんじゃないかな?
御都合主義みたいに」
クリスはやはり理解出来ないという顔で黙ってしまった。
「大丈夫だよ、まだまだリタイヤしないから。感だけど」
根拠がないと思われたかな?
せっかく面白くなってきたから、もうしばらく楽しみたい。
しかし、今日はもういいかな満足だ。
それから能力解除しぶらぶらと散策したあと帰宅した。