04 コンタクト③
私はNo107、地球外生命体同盟のサポートアンドロイド。
今回、2例目となる実験体の所にきています。
前回担当した人間は最悪でした・・・優しそうな感じだったのに人種差別が酷く、警告を出しても改めるどころか何が悪いんだという態度だったし。
初めての担当だったから地球人はこんなのばっかりなのかと思いました。
マスター達への数度目の定期報告で没収となってしまい、ちょっと凹みもしましたよ。
そんな訳で別大陸に移動となり、ランダムに充てられた人のところで説明まで済んで、今のところ断られず次の段階までいってます。
実験体契約まで行けるか?ここからが正念場です。
「川田さんは何の異能力が欲しいですか?」
いきなりだな、なんでもいいんだろうか?
世間でよくある異世界転生だとチート能力全開だけど、万能では無いって言ってたからチートは無理だろう、さすがに。
でもな~思い浮かばん、すぐには。
逆に他の人が何を望んだか聴いてみるのもいいかな。
「どんな能力でもいいのかい?たとえば死霊使いとか瀕死からの瞬時回復とか飛行能力、それかスポーツのプロ選手とか?」
なんとなく思い浮かんだ事を言ってみる
「先に言ってなかったですね、すいません。
まず与えるのが不可能な異能力を言います、それ以外で検討して見て下さい
1、死亡した生命の蘇生能力
2、生命の創造
3、殺害を目的とした能力
4、人から人・別の生き物への転生
5、その他サポートアンドロイドの現場判断
以上となります」
聴いた限りじゃ禁忌な能力だよな、それは考えてなかった。
これだとチート能力とか無理そうだな。
う~んと唸っていると渡りに船が
「あまり言ってはいけないんですが、他の人はプロスポーツ選手とかタレントさんとか室内競技のプロとか、変わり種ではサバイバル能力強化して自然の中で生活とかいろいろです」
「ヨーロッパ大陸・南北アメリカの南側はプロサッカー選手が多いです。
こちらの大陸では野球・サッカー選手、アイドルが多く、将棋、囲碁棋士も最近増えてますね」
みんな以外と考えてるのは同じか。
確かに魅力的な能力だと思うけど、50歳近くでプロとかタレントは無理だね。
そう言えば気になる単語言ってたな、聴いてみよう。
「レベルアップとかポイント?とか言ってたろ?
あれはなんだい?」
そこに気付いちゃった?って顔で答えてくれた。
「善行すればポイント付いて貯まればレベルアップし、悪行働けば最悪没収という事です。
まぁ、ポイントの判定は機密事項ですが、マスター達の思考に基づきますって言えば想像出来るかと。
ついでに言うとレベルアップボーナスもありますよ、
ちょっとした付加価値を、、、、、、って事です、今は内緒デス」
この時点でもう2時間ほど経過していた。
ちょっと考えたりしたいんでもう少し待ってもらう事にしてもらい遅めの朝食にした。
食べながらボーッと考えてると遊ばなくなって久しいポータブルゲーム機が目に入った。
そういえば遊んでたな〜って思ってたら、とある考えが浮かんだ。
NGワードにこれなら引っかからないかも?
まず根本的な事を聴いてみよう。
「異能力って、願った能力をもらったらそのまま引退・没収されるまで常時発動だと思うけど、時間制限で欲しい時だけ具現化ってのも可能かい?」
なるほど、って顔でちょっと考えて
「大丈夫ですよ、可能です。細かい設定等必要ですが。
何かいい考え浮かびましたか?」
「ああ、ちょっとね。
もう少し詳しく内容をまとめるからちょっとお待ちを」
脳内であの世界の設定を思い出しながら決めていく
ダメな場合を考えて2~3パターン準備する。
出来上がりに20分程要しなんとか完成させた。
「じゃあ、この異能力でどうだろうか?」
これが可能なら、これからの人生面白いだろうなぁと思う案件を話してみた。