表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/257

2-58 文化祭最終日①

最終日、登校したところ正門前がとんでもないことになっていた。

ウィリアム大使関係者であろうグループが、10名ほど体育館前で話し合っている。

その対面に校長先生以下数名の教師、更にそれを囲むようにSPっぽい人達が・・・あっユウヤおじさんと見たことのある人もチラチラと、そりゃいるよね~。

今回の件で、関係ないマスコミ関連は入場規制が掛かっているようで入って来れないみたいだけど、数名は許可が出ているだろう、大使の国の宣伝もあるだろうし。

大人の事情は俺には関係無いし、今日の試合に集中しよう。

そう決断しすべてをスルーするのだった。


文化祭は教室に行って出席を取るだけなので、さっさと済ませて体育館へ。

中は広さは、バスケットのコート2面が余裕で入りつつ、その周りで応援者がいても邪魔にならないくらいある。

おまけに、2階席も椅子付きで十分な観客数を入れられる場所なのだ。

そのコート半分に見事に畳が敷かれ、2試合同時に出来るスペースが設けられている。

更に電光掲示板が4面とポイント表示盤2面が設置されていて、スタッフと思われる人達が最終チェックを行っていた。

それを見ながらビジネスって凄いなって思った。


午前中は体育館の空いている半分を使用し、ジャンケン大会の最終決着。

18人はすでにダンスパートナー券はゲットしている訳だけど、ここで辞める奴はいない。

目指せ!デート券!ってことで一発勝負のバトルへ。

結局、ベスト3には全員3年生が入り、女生徒3名がゲットした。

盛大な拍手が18名に送られて終了し午前中の部が幕を閉じた。


午後の試合が始まる1時間前、俺たちは道着を着て柔軟体操をしながら説明を受けていた。

「動いてもらって分ると思うけど、普通の道着より少し柔軟性が不足していると思うけど慣れてくれ。

攻撃を受けてポイントを失う衝撃値は、試合で一本取られるくらいのダメージが入った時と同等と思ってくれて構わない。

背中から倒された場合でもポイントになるから、そのくらいの打撃でOKになると認識してくれ。

プロトタイプだから耐久性のテストも兼ねているんだ、乱暴に扱ってくれて構わないからよろしく」

色々説明を受けながら、乱取りをしながらポイントが入る力加減を確認していった。

そして開始10分前に入場扉の入り口にスタンバイしたのだった。


「それでは最終日の特別イベントを執り行いたいと思います。

先ずは選手入場〜!皆さん盛大に拍手をお願いします」

その言葉と同時に体育館の後方の扉が開き、男女3名が縦になって入場する。

今日の最初の盛り上がりである、もちろん女性陣目当てだが。

整列したところで、本日の戦いの流れとルールが説明される。

その後、新型の道着の説明が始まる。

「日本の皆さん、初めまして。

バトルスーツを開発しましたクロヴィーラカンパニーのヘルマンニ・クロヴィーラと申します。

今回、テストプレイで使用して頂くことになり、学校関係者の方々には感謝の言葉しかありません。

これから始まる戦いで、スーツの性能を見て頂き、導入に繋がればと思っております。

それでは皆さま、本日はよろしくお願い致します」

拍手により盛り上がっていく。

そして最初の戦いが始まるのである。


「それでは両者、位置へお願いします」

その言葉に俺と優二・エレナとエリーサが立ち上がり、各中央へ。

俺とエリーサ、優二とエレナが対峙する。

審判の始め!の声で時が動き出した。


剣真対エリーサの戦い・・・

エリーサが手を差し出して来たので、思わず左手を出したところ・・・そのまま両手で掴まれて外側に(俺から見て)無理矢理捻られた。

マズいと思い、そのまま逆らわず自分から側転し、一回転する。

そのまま着地して一安心していた所、右頬に蹴りを入れられた。

ここでエリーサにポイントが入った。

電光掲示板に1の文字が見える。

観客は大盛り上がりである。

「あちゃ〜、マジか・・・」

舐めてるつもりは無かったんだけどなぁ。

「流石ね、本当は転倒させて背中・腹と、あと何処か狙って4ポイント獲るつもりだったんだけど、甘かったわ」

「いや、内側に捻られていたら転けていた。

3ポイントは獲られていたと思う、その動きには敬意を送るよ」

「貴方が左手を出さなければもっと上手く行ったんだけどね!」

エリーサはそう言って側転で接近し、目の前でジャンプして俺のバックに着地。

そのまま腰を落とし俺の腰に腕を回して・・・そのまま後ろへ回転。

このままだと当然俺の頭にダメージが入って更に1点を失う事になる。

しかし、俺は両手を上げて落下の衝撃を相殺。

そのままバク転の要領で一回転し、何とかポイントを取られるのを阻止。

この時点で90秒経過していた。

「これでポイント無し?有り得ないんだけど?!」

「それはこっちのセリフだ!やっぱりお前ら強いんじゃないか!」

その言葉が意外だったのかビックリしている。

「気付いてたの?」

「ああ、何となくだけどな」

そのまましばらく膠着状態となった。

「・・・良いのか?時間が迫っているぞ?」

「ちょっと待ってよ!今考え中」

そして考えがまとまったのか真っ正面から組み手で来た。

拒否出来ないルールだから、仕方なく応じる事にしたけど、フェイントが下手過ぎて防戦が楽だった。

このまま終わってくれないかな〜って思っていたら、目の前から消えた。

いや、股下潜られて背中に一発喰らって、更に回し蹴りを左脇に。

そのまま体勢を崩したところで、追撃が来そうになっていた為前転し離れる。

電光掲示板には3の数字が!

本当にヤバイ!後90秒あるじゃないか!

少し落ち着こう、俺!

この結果に観客席は更に盛り上がっている。

もう少しだ、テメエ負けちまえよ!、躱すんじゃねぇよ!とか色々怒号が・・・

ほぼエリーサの応援の声しかねぇ・・・

しかしながら、エリーサとしては想定外だった様で、悔しそうにしている。

応援も聴こえていないようだ。

「このコンボで余裕を見て7ポイントは取れていた筈なのに!」

どんだけ連撃入れるつもりだったんだよ!と突っ込みたかったが、あと2撃受けると負けになるので我慢する。

残り60秒程になった辺りで焦ったのか、単調な攻撃の繰り返しとなり、おまけに大振りだった為躱すのは容易であった。

そしてそのまま時間切れとなり、俺の勝ちが決まった。

正直もう戦いたくない、これが終了後の感想であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ