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2-48・・・週始めの揉め事④

1週間後の日曜日、また駅で待ち合わせをしている。

約束の15分前、今私の前にいるのは剣真・優二・平君と末永優実ちゃん、藤井紗生ちゃん、神戸愛生ちゃんだ。

末永優実ちゃん、藤井紗生ちゃんとは夏休み前に一度、3人と顔を合わせているので紹介は省き、神戸愛生ちゃんは今回初めての顔合わせなので簡単に紹介をする。

3人共に今日はオシャレして気合が入りまくりだ。

何故なら目の前の3人は1年で話題に事欠かないトリオ、そして今からやってくる5名は学校で知らない人はいない有名人だからだ。

まあ、今日はその内の今からやって来る3名が目当てなのだが。


更に5分後2名がやってきた、いや、車にて到着。

エレナ・エリーサ姉妹だ。

やはり西洋の女性は目立つ為、周囲の目線を独り占め(この場合は2人占めか)している。

「「ごきげんよう、皆さん」」

笑顔が素敵な2人に、友人3人は顔を赤らめてそれぞれ挨拶している。

この場合の友人はもちろん今回初参加の女性3人だ。

そして定刻の5分後に、烏丸・山科・久我(こが)先輩が現れた。

相変わらずのイケメンポーズで。

「待った?いや〜今日は綺麗な花が咲き乱れてるよね」

「そうそう、今日は最高な日になるな」

「全く、同感だよ」

その言葉にウットリする新規3人娘であった。


楓は思った。

これ、私と剣真・優二・平君4名は要らないんじゃない?

何故2週連続?そう呟きながら月曜日の事を思い出していた。

先週月曜日の昼休み、前日の日曜日の結果と護衛をどちらにするかの結果発表があった。

というかあったはずだった。

結果は・・・姉妹で決め切れなかったらしくもう一回テストしたいと。

「次回はみんなで一緒に出掛けて判断します。

その為6vs6のグループ交際という事にしますので、1年の女の娘3名募集しま〜す」

エレナの一言でサッと手を挙げた3名が決まってしまった・・・訳でもなく、ジャンケンで決めていた。

3バカ先輩は、引き分けという事に納得いかないようだったけど、顔に出さずに余裕の笑顔を作っていた。

私から見るとバレバレなんだけどな。

イケメンの俺たちが引き分けとか納得出来ん、ってね。

日時は次の週でみんなOK だったので本日の集まりとなったのだった。


ちょっとした思い出にふけっていると、いつの間にかグループ分けが発生していた。

3先輩はエレナ・エリーサ・1年3人娘と。

私は剣真・優二・平君と。

最初はこんなものかなと思う、剣真達がもうちょっと積極的だったら、と思ったけど、イメージ的にあの3先輩と同じになったと考えると・・・付き合えないなと。

それでも、もうちょっとトーク力を鍛えて欲しいのでアドバイスを少ししておく。


今日の事を楓にアドバイスしてもらったのは良いんだけど、いきなり実践はむずい。

しかしながら、今現在グループで行動している為そんなことを言ってても仕方ない。

という事で、モテない3人でなんとか今日のサバイバルを生き抜こうと悪あがきをすることにしようと思った。

最初に向かうのは駅からバスターミナルの上にあるゲーセンだ。

最初にプリクラが定番らしく、そのまま突入。

基本的に女性が一緒じゃないとエリアに入れない為、俺らは外で待つことにした。

先輩方はそんなの関係ないという感じで入ってった、1年の3人と一緒に。

どうせ12名なんて入れないし、みんな先輩と撮りたいだろうから俺達はキャッチャーでもしようかと離れようとした時、エレナに呼び止められた。

「ちょっと剣真?どこ行くのよ?」

「えっと・・・キャッチャーをしに・・・」

「一緒に撮りましょうよ、私とエリーサ達で。

両手に花よ貴方達、光栄に思いなさいよ?」

「そうよ、特に正幸は一生ものよ?」

俺はエリーサと平君を交互に見ながら、これがツンデレと言う奴なのだろうかと思った。

楓も少しニヤついていた為、やはりそうなんだと再確認。

全員がプリクラ撮るのに2時間以上掛かってしまった。

ちなみに姉妹と3先輩もそれぞれ撮っていたが、楓には断られていた。

恐らく時間の都合でという名の拒否だったのだろう、多分・・・いや本気だったかも。

撮り終わった頃にはお昼を過ぎていたので昼食とする事になった。

大所帯なのでファミレスのグループ席2か所(8人と4人)に別れて座ることになったのだが、末永、藤井、神戸さんゲスト3人組はイケメン先輩と、イケメン先輩方はエレナ・エリーサと座りたがっていた為、俺ら1年3名と楓で1席、残りの8人で1席を囲む事に。

8人席側は半円の並びとなっており、テレビで見るホストクラブみたいだなって思った。

何しろ堂々とした座り方で、3名の女の娘がウットリする顔だったので。


さて、昼食後は何しようかとみんなで話し合っていると、先輩が近くに大きな公園がありデザートが美味しい店があると提案。

女性陣はそれに直ぐに喰いついて速攻で決まってしまった。

スイ~ツ恐るべし。

ちょっと歩くけど、大きい公園で店もあるようだし、散策にはちょうどいいかなって事で俺達も賛成したんだけどね。


20分程移動し目的地へ。

なるほど、小さい店が数件あり、クレープとかワッフルのような物を売っている店が2~3件。

確かに女性受けしそうなお洒落な小さな店で、貨物コンテナを改修したような感じで外には簡易的なテーブルが3つ置いてある。

ほとんどの人は歩きながら食べるか、公園のベンチに腰掛けて食べている。

俺らには縁が無いスタイルだなって遠目になってしまい、これがリア充かと納得してしまった。

それからみんなでクレープを食べながら公園を散策することに。

こういう時の先輩方のトーク力はさすがだと思う、次から次へと良く話題が出るものだと。

話に聞き入ってたので、今気付いたんだけれど、今日は人が少ないらしく閑散としている、まあ景色だけだからそんなものかとみんな気にもしていない様子。

先輩方が迷いなく真っすぐ進み、それに着いていくとちょっとした林に差し掛かった。

こんな隠れスポットがあるんだなぁと呑気に考えていると、前方に団体さんがいるのが見えた。

何かそこにあるのかなとみんなで近づくと、違和感を覚えた。

前方の団体は男だけで、それも景色を楽しむような雰囲気ではないのが判った。

「またこのパターンか、優二・正幸、あれどう思う?」

2人ともすでに気付いているようで女性陣を護るような立ち位置にいた。

やはりそう思うか・・・取り越し苦労ならいいけど。

目配せしながら自然体で目の前を通り過ぎようとしたところ、案の定声を掛けられた。


「そこのイケメンさん達~リア充してるねぇ。

俺達ヤモメ暮らしなんだよね~、幸せを分けてくれよ~、2名くらいでいいからさ~?」

その他の下品な笑いが響く。

(あ~俺達眼中に無いんだね・・・)

((そうだな・・・なんか空しいな))

立ち位置を確認しながら小声で自虐ネタを展開。

先輩方がどういう反応するのか様子を探ってみることに。


チンピラ共に反応したのは烏丸先輩だった。

「君たち、そんな下らない事止めてくれないか?彼女達が怖がってるじゃないか?」

おお~、男らしい言い方だ。

俺は素直に称賛を送ったのだった。

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