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18 遭遇

「あれ?」

向こうが気付いたようだ。

「川田さん珍しいですね、こんなとこで会うとは」

「そうだねぇ、ちょっと買い物に来ててね」

遭遇したのは会社の部署は違うけれど、同僚の御崎だ。

歳は40過ぎで独身だけれど。


あぁ・・・クリスを気にしているのがヒシヒシと感じる、仕方ない。

今逃げると明日会社で捕まったら何言われるか判らん。

「ああ、この娘は親戚の娘さんだよ、熊本から遊びに来て福岡市を案内してくれっていうから遊びにね」

「へえ、会社の後輩の御崎です、川田さんにはお世話になっております」

とペコリ。

「はあ。どうも」

一応クリスも挨拶を返した。

「それじゃまだ買い物あるんで」

逃げようとしたんだけれど、、、、

「まだいいじゃないですか、もうちょっと話ししましょうよ」

いかん、こいつロリなのか?いい年したオッサンが喰いつくところなのか?

頭を逡巡していると、さらに喰いついてきた。

「名前何て言うの?歳はいくつ?」

「クリスです、歳は造られて60年・・・・」

「あぁぁぁ!クリス冗談うまいなぁ、18歳だろ?なっ!?」

「・・・・そうでした、18で春から社会人なんですよ」

いかん、御崎の目の色が変わったような気がする、15歳って言えば良かったかな?

「そうなのかい?福岡に就職?それなら困ったことがあったら何でも相談に乗るよ」

と言いながら名刺を渡してきた。

いや、簡単に会社の名刺を渡すなよな・・・しっかりと携帯の番号書いてあるし・・・

そんなことより、ちょっと害虫は振りほどいておかないとな。

「クリスにはちゃんと彼氏いるぞ?それに熊本の地元に就職決まってるから。

今日はたまたま福岡に来てるだけだ」

そういうと、ちょっとがっかりしたみたいで、そうかと言いながら去っていった。

どんだけ前向きだったんだよ、あいつ。

それも、諦めるの早っ!

助かったけど。

「さっきの人何だったんですか?」

クリス気付いてないのか?好意を持たれていることに。

とぼけているんかと思って聴いたら

「いや、別に。そういう感情等はまだ判らないんですよね」

御崎・・・ドンマイ・・・・


それから一通り店を廻り、だいたいのデータ収集等終わってそろそろ帰ろうかとしていると、1階の広場が騒がしい。

何だろうと思って見に行ってみると、誰かが血を流してうずくまっていた。

近づくと御崎だった・・・

どうしたんだろうと聴き耳を立ててみると

「好みの娘に会えたのにフラれた、生きてても・・・」

とか言っている。

お前、さっき会ったばっかだろ!ろくに話もしていないのによく言うわ!

無視して帰ろうと思ったんだけど、ケガが酷そう、というか何やったらそんな大ケガするん?

・・・・・・

「クリス、僧侶承認頼む・・・」

「了解、承認OK。落します」

はあ、こんな事でかよ・・・近づいて1回撃ち込み骨折っぽいのを治療。

ついでに2回目撃ち込みを行ったから軽い捻挫か完治手前まで治るんじゃないかな、時間は掛かるけど私が逃げられればいいし。

その前に外見変わってるからバレないけど。

「クリス、能力解除頼む・・・」

「了解、解除します」

「クリス、今日は疲れたな・・・」

「そうですね、帰りましょう」


後日聴いた話だと、御崎はエスカレーターに乗るときに足の置き位置を間違えてバランスを崩しそのまま落ちていったらしい。

普通なら異変に築いて踏み位置を変えると思うんだけれど、失恋?のショックで気づくのが遅れて、ということらしい。

大ケガが2日後には完全に治ったのを

「愛の力だ!」

と厨二病ばりに言っていたのを又聞きしてしまい、仕事以外で遭遇してはいけないなと思った。

ああなってしまったら戻れないなとも思った。

向こうの世界で逞しく生きてくれよ、くれぐれも犯罪を起こさないように。


同じ轍を踏まないようにしとかんと。

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