表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
178/257

2-41・・・再会とトラブルメーカーと

頭が理解出来なかった、何故あの姉妹が留学生としてココにいる?

もしかしてヴェンダーもいるのか?

外交官・大使になる為に自国で英才教育を受けているのでは?

等々頭の中で色んな事を張り巡らせる。


「剣真!剣真ってば!」

その言葉に我に帰った。

「ああ、ごめん、ちょっと理解が追いつかなかった、質問しときながら惚けてた」

素直に詫びる。

「もう、しっかりしてよね、あの時の頼もしさはどこに行ったの?」

エレナの突っ込みが入る。

エリーサはそれが面白いのか笑っている。

「それで何故ココに?それに・・・2人は双子じゃ無かったと思うけれど?」

「それはね、剣真に会いたかったから」

そう言いながらエレナは悪戯な笑顔になる。

何言ってんだと突っ込もうとしたところ

「「「「「「何いぃぃぃぃ!!!!!」」」」」

その声で振り向くとクラスメイトが5名程立っていた。

「あっ・・・」

「お前、どういう関係なんだ!」

仲間であるはずのクラスメイトから詰め寄られる。

「え〜っと・・・」

「夏休みの訪日でアバンチュールな事があったの」

そう言いながらエレナが頬を赤くした。

終わったな、そう理解した。


あれから実習どころじゃ無かった。

みんなに詰め寄られて質問攻めで終了。

あの2人は笑いながら手を振りながら去っていくし・・・

下校するまでには何とか説明をしたけど、理解してるかどうか不明。

明日には全校生徒に知れ渡るのだろう、憂鬱だ。

あの2人には一度バシッと言わなきゃならん!

帰りにそう誓って待ち合わせ場所に座っていると、優二がやってきた。

顔が疲れ切っているぞ?まさか・・・

「優二・・・まさか・・・」

「ああ、察しの通り休み時間にバッタリと会った。

あの2人は悪魔だ・・・」

普通科は男女半々のはずなんだが、それでも嫉妬爆発か。

お前らの方が出会いはあると思うんだけど。

いや、楓と仲良いから嫉妬倍率ドンってやつかもしれん、何人囲ってんじゃい!と。

「それから剣真、お前の方が有名になってる。

色んな情報が一人歩きしてるぞ、もう許嫁の関係とか、一緒に住んじゃってるとか、一夫多妻状態等々」

思わず頭を抱えた、こんなリアクションは洋画の中だけだと思ってたけど、やっちゃうんだな。

そんなコントみたいな事をやってたら、楓が現れた。

「何お笑いみたいな事をしてんの?」

「楓〜、とんでもないことに巻き込まれてんだけど〜」

「エレナとエリーサが来たんでしょ?実習棟で会ったって言ってたから。

剣真も災難よね〜、目を付けられて。

ちなみに私のクラスに編入されたからね」

なっ・・・

「何か言ってた?」

「気に入られてるみたいよ〜、良かったわね〜

将来は逆玉の輿だよ?」

いやいや、それはあり得ないって!

まずい、あの2人とちゃんと話さんと!

「それで、あの2人はどこに?」

「もう帰ったわよ?

引っ越しとかその他の手続きがまだあるらしくて、今回の事も急遽決まったようだから」

そうか・・・それじゃしばらく様子見か。

来週には落ち着いて話し出来るか。

アポを楓に頼んで今日はおとなしく帰宅した。


衝撃の体験から数日。

登下校時、昼休み、校舎内での移動時には視線を感じられる様になった。

学校の中であの2人に出会わないのが唯一の安らぎだ。

それもそのはず、楓に抑えてもらってるんだけど、今逢うとアウトだ。

こちらも不特定多数が集まる食堂とか、普通科のある校舎に近寄っていないのも出会わない要因だったりするが。

そんな感じで気まずい1週間が過ぎた。


次の週に差し掛かり、みんなの視線になれた頃、それが現れた。

《お嬢様の化身(魔)が現れた!》

頭の中にRPGっぽい音楽が流れた。

こちらが先に気付いて隠れる様に伏せをしつつ、明後日の方向に向いた為教室内に居る事が判らないようだ。

その代わり、たまたま近くにいた(教室に戻ってきた)平君が捕まってしまった。

「ねぇ、あなた、剣真どこにいるか知らない?」

いきなりエリーサに声を掛けられて戸惑っている。

仕方ない、西洋の美女からいきなり声を掛けられれば大半の日本人の男はこうなる。

数秒フリーズした後、再起動した平君は教室内を見る。

もちろん俺の席は知っている為、教室を見渡すというようなことはしない。

俺も事の成り行きを見ていたため、平君とバッチリ目が合うことになるのであるが、察してくれたのだろう、判らないというゼスチャーをしてくれた。

「剣真は教室にいないようだね、トイレじゃないかな?」

すまない、平君。

「そう!それはそうとあなた、剣真の友達?」

「な・なぜそう思のですか?」

「だって、剣真って呼び捨てだし、そんなに親しくなかったら名字で呼ぶでしょ?、あなたたち」

「・・・・・」

「それにあなた・・・強いでしょ?」

「い・いや、そんなこと、ないけど?」

動揺しすぎだよ平君!

「まあ、いいわ。

昼休みに食堂で待ってるって伝えてくださらない?」

「了解です、伝えときますよ」

そう言って教室に入ろうとした時

「あなたもご一緒に来て下さらないかしら?」

耳元で囁くように言われていたが、囁くような音量ではないところが恐ろしい。

近くにいた者がこのやり取りを聴いてるので、昼休みは俺と平君の食堂行きが決定したことになった。

行かないとみんなに吊し上げを食らいそう・・・


「剣真、そういうことだから昼休みは食堂に出頭してくれ」

「そっちもな・・・」

二人とも緊張した顔で次の授業を受けたように見えただろう、廻りには。

俺は何の無茶ぶりを言われるかで。

平君は美女との交流で廻りからの嫉妬の目を心配して。


そして昼休みがやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ