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ゼロが足りないって・・・10万か?1人?

「おじさん!10万って事?1人?」

思わず声に出してしまった。

「ああ、そうだ、そのくらいだな」

おいおい!遊びに付いていくだけだぞ?

そんな・・・ああそうか。

「1万の単位は何?円じゃ無いんでしょ?

あちらだったら10万◯◯で、日本円にしたら1万円って事でしょ?」

またまた冗談を〜って感じで聴いた。

「いや?10万円だが?だいたいこのくらいが相場だな。

それと、会ってみれば解ると思うが、背伸びしすぎているというか同世代の子供らしくないというかそういう所も修正してもらえれば助かる。

そういった事も含めた値段だな」

大人びてるってことかな?

「子供らしく接してくれって事?」

「まあ、そんなところだ、とにかく普通に接してくれ。

お前達なら大丈夫だと思う」

最期の言い回しが変だったけど、VIPだからそんなもんなんだと納得した。


それから観光兼護衛の日、俺たちは福岡市のホテルへ。

ちょうどウィリアム夫妻が出かける所で、子供たちが見送りエントランスまで出て来ている所に遭遇。

目が合って挨拶をする。

「やあ、今日はよろしくな。

お前達、あまり目立たないように廻るんだぞ?」

「やだなパパ、私たちはもう子供じゃないわよ」

「そうだったな、それじゃ会議に行ってくるから夕方まで楽しんで来なさい」

そう言って去って行った。


いきなり外に出掛けるのは無理があるという事で、適当なテーブルで今後の事を話し合うことに。

本日のスケジュール等あるし、何よりも大切な事がある。

先ず自己紹介を兼ねての挨拶が最初でしょって事で・・・

「剣真です、今日はよろしくです」

「私は楓、よろしくね」

「優二と言います、本日はよろしくお願いします」

障りのない自己紹介を済ます、性格とかは会話しながら見極める事にする。

知美は妖精サイズで肩に乗っている、3vsでちょうどいいから。


「ヴェンダーだ、よろしくな、福岡は初めてなんだ」

そう言いながら握手を求めてきたのは甥にあたる男の子だ、歳は16でタメらしい。

身長170ちょっとで俺たちよりちょっと高い、鍛えているのが解るくらい引き締まっている。

「私はエレナ、今日はよろしくね〜」

「私エリーサ、私達も福岡は初めてだからよろしくね」

姉妹のエレナとエリーサはそっくりだけど双子じゃないらしい、1つ違いでエレナがお姉さんということだ。

2人とも長いスカートの白っぽい服装でお嬢様って感じの服装だ。

2人ともとても綺麗だと思う、貴族・・・みたいなものか。

ヴェンダーはGパンにシャツでラフな格好だけど、風格があるというかそのまま立っていても目立つ。

どっかの俳優みたいな雰囲気を纏っている感じ。

相当モテるだろうと思う。


お互いの紹介も終わった所で早速出掛ける事に。

リクエストを聴いたところ、とりあえずゲーセンらしい。

何でもプリクラ撮りたいとの事。

そんなの自国にあるのでは?と聴いたところ、日本の方がクオリティが高いらしく、おまけに綺麗に撮れるとの事だった。

そういえば、最初に出たばかりの頃のプリクラは画像が鮮明じゃなかったらしい。

カメラの鮮明度の関係じゃ?と思っていたら、綺麗に撮れ過ぎるとクレームが多発したとの事だった。

曰く、『私はこんなに不細工じゃない!』とか『可愛く撮れていない!』というのが多かったとか。

そういう風に写る事に慣れていない(自撮りって奴になるのかな)せいだったようだ。

ちなみに、これは父さん情報である。


ホテルから近くの大型ショッピングモールまで大型タクシーで移動、帰りも連絡すればいいらしい。

ということはモールをメインに行動すればいいって事か。

ゲーセンから服、レストラン・雑貨等だいたい揃ってるから暇潰しにはなるだろう。


移動中の車内では、お互いに今日の行動順番を確認している。

こちらは日本語、あちらさんは母国語で作戦会議。

基本的に俺たちは護衛兼なのでそんなに話し合う事はない、初めて行く場所でもないし。

優二が思ったより緊張している以外は想定内か。

そんなわけで到着まで雑談となった。


『ねえ、まる聴こえだけど大丈夫かな?』

『大丈夫だろ?俺たちの言葉は理解してないって。

英語だったら単語でわかるかも知れんが』

『そうよね、日本人は外国語解らないのが多いもんね』

観光組は母国語で会話中だ。

『今日1日くらい羽目外して〜な』

『そうね〜、私も素を出したいわ〜』

『だいたい日本人と一緒なんて嫌なんだけど?』

『そう言うなって!条件だったんだからよ。

でもあの娘可愛いから俺は当たりだと思ってる、なんとかゲット出来ね〜かな』

『あんたまたそんな事してバレたらどうすんのよ。

もみ消してはくれるだろうけど、私達まで行動制限つくから知らないところでやってよね』

『なんだ喰う事は否定しないんだ?』

『私も姉さんも諦めてるわよ!

こっちに被害が無ければどうでもいいわよ』

ここでヴェンダーがニヤついた顔で2人を見る。

『なあ、あっちの男2人と仲良くなればいいんじゃ?』

『やめてよ、日本人なんて人の顔色を見て行動しているだけでエスコート下手じゃない、一緒にいてもつまらないわ』

『そうよね、片方はイケメンの部類には入るけど、周りにはいい男いっぱいいるし、かすれちゃうかな。

それなりに楽しませてもらうけど』

『そうか・・・じゃあ俺だけがラッキーってやつかな。

今日は楽しませてもらうか』

ゲスな会話が繰り広げられていた。


前席でゲストの会話を聴いていた俺たち3人は、解読できない会話をBGMとして到着を待っていた。

その中で、知美と契約している俺だけが理解していた。

楓と優二は内容は読み取れないようで、ボーッと外を見ている。

「こりゃ今日荒れるなぁ・・・」

ボソッと呟くのが精一杯だった。

おじさん・・・知ってたな・・・


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