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2-30・・・能力発動②

逆ギレオヤジがフリーズして3秒程経過したかどうかのタイミングで再起動。

言い合いしていた女性は、オヤジが沈黙した為、文句を言うタイミングを逃して返答を待っていたんだけど、いつまでも口撃が来ない。

そのオヤジは放心状態から復帰後、周りを見渡し挙動不審となった後、おばあさんを見て自分の荷物を見てそれから自分の体を確かめるように触って安心したような表情を浮かべ、突然荷物を持って立ち上がった。

言い合いをしていた女性とおばあさんはビクッとし、それを見ていた周りの乗客が身構えて対応しようとした瞬間、オヤジが女性とおばあさんに向けて頭を下げた。

さっきまで自己中な事を言っていたオヤジの豹変ぶりが理解できず、2人とも固まっている。

オヤジは逃げるようにそのままこちらに向かって歩いて来たところで、ちょうど俺と目が合った。

すると急に顔が青ざめて踵を返し、ホームへ出てどこかへ去っていった。


残された乗客達は安心したのか、女性に拍手を送り、おばあさんはお礼と感謝の言葉を伝えながら空いた席へ。

女性は恥ずかしそうに、お辞儀をしながら居心地悪そうにしていた。

日本人ってこういう状況に慣れてないから、この反応は仕方ないね。


「さっきの迷惑オヤジ、人の顔をみて逃げるって何なんだ?」

そう憤って知美に話しかけると衝撃?な事を言われた。

「疑似体験での配役に、剣真さんも出てるからじゃないですかね」

ハァ?俺がリフレクションで出演してんのか?

何それ、聴いてないんだけど?

「なぜそんな配役になってんの?」

「そりゃ剣真さんの思いが強いからじゃないですかね、ああいう輩嫌いでしょ?

直接手を下したいってのが根本にあるなら、夢の中で配役として出るのも納得出来ますよ、そう思いませんか?」

「・・・そ・うかもしれないか・・な」

納得出来てないけど、何となく納得した。


そのまま電車は時間通りに発車。

車内は何事も無かったかのように、いつもの日常を取り戻す。

「あの中年サラリーマンに何があったのかな、3秒程だったから半月程度は耐えたと思うけど、最後は反省出来たのだろうか」

「心が折れるくらいのダメージは与えてますね。

自分がやった事をそのままカウンターで喰らいましたから、トラウマレベルかと。

これでまた同じことする人はもう救いようがありませんよ?」

まるで見ていたかのような話ぶりだ。

もしかしてトレース出来るのか?と聴いたところ、出来るという事だった。

「俺もリプレイ等で見れないのかな?」

ダメ元で聴いたところ視れるらしい、視れるんかい!

思わず突っ込んでしまった。

「どうやれば視れるんだ?」

「手を繋いで目を閉じて貰えれば直接脳に送れますよ」

「直接脳に?目を瞑る?」

いまいちよく解らない方法だ。

「いえ、目を開いていてもいいですけど、見えている景色とダブってよく見えないと思いますよ。

映画館みたいに目の前にスクリーンが現れるイメージをして貰えれば理解出来るかと」

「なるほど、スクリーンと今見えている景色がダブってしまうとごちゃごちゃして見えないしな。

あとで静かなところで見せてもらうか」

「帰ってからゆっくり見るのがいいでしょうね、半月くらいの期間拘束されてましたから。

ダイジェストみたいにして見ても時間掛かるでしょうし。それに・・・今はデート中ですから」

なんか嬉しそうだ、ただの街ブラなんだけどな。


そのまま博多から地下鉄で西区の方面に向かう。

アウトレットモールまで行きそこのフードコートで昼食。

そのまま店をぶらぶらと散策、気に入った服を片っ端からコピーしまくった。

お店の方、社会人になったら買いに来ます!と心の中で詫びながら。

ゲームコーナーで2人で体感ゲームをしプリクラを撮ったりして時間まで遊びまくった。

完全なるリア充だな〜、今の俺。

そうして充実した夏休みを満喫した、まだ終わってないけど。


夕方、家に帰ってから夕食まで暇つぶしに宿題を片付ける。

そのまま夕食を済まして風呂も入ってスタンバイOK。

いつもはテレビ見たり、ネットでYouTube見たりと暇つぶしするんだけど、今日は面白いムービーが視れる。

他人の不幸は蜜の味じゃないけど、初めての執行だからいいでしょ。

あの年配サラリーマンも自業自得だし。


部屋に戻ると知美が部屋で待っていた。

なんか寝間着だ・・・

「今日は寝屋を共にするという事で、よろしくお願いします」

・・・・・・・

・・・・・・・

「全部視るのに時間が掛かりそうだから寝た状態がいいか?」

「・・・スルーしないで下さいよ〜、というか突っ込んで下さいよ!

それともネグリジェの方が良かったですか?」

そう言いながらクネクネしている。

「そうだな〜、タオル1枚がいいな。

下着装着無しで」

そういうと知美は顔が赤くなってしまった。

背伸びするからメッキが剥がれるんだよ!

「冗談はそのくらいにして、ベッドに横になるから準備よろしく」

「・・・判りました、それじゃ私も横で寝て準備しますね。

あっ!そうだ!もうちょっと深く入ってみます?」

「深くとは?」

「邪魔される可能性がほぼ無いので、意識をそのままダイブさせる事ですよ。

今日の記憶の中にそのまま入れます。

私と手を繋いでおかないと現実に戻されちゃいますが」

まじか!そりゃいいなって事で中に連れて行ってもらう事にした。

「それじゃ目を閉じて下さいね、そのまま意識を放り出す感じで・・・そうそう、それじゃ行きますよ〜」

数秒後OKが出たので目を開けると・・・


電車の中に2人で立っていた。


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