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2-27・・・セカンドコンタクト②

見えている理由ねぇ、この歳でもう順番が廻って来るなんて思わなかった。

剣真は私が見えている理由を知らないって事は、教えてもらってないのかぁ、どうしよう言わないとダメだよね、はぁ・・・。


「じゃあとりあえず道場に行きますか」

私だけじゃ説得力無いと思うんで父さんにも協力してもらおう。

剣真は不思議そうな顔をしていたけど、何も言わずに付いて来た。

そういうところは感が良いというか人を疑わないというか・・・


道場に到着して先ず父さんを探す。

ちょうど乱取りが終わった所で挨拶を交わしていた。

目が合ったのでゼスチャーでこっちに呼ぶ。

ある程度近づいて剣真が目に入った時、一瞬停止しそのまままた近づき私の方を見たので頷いた。

それだけで理解したのだろう、ジッとある一点を見つめてから深呼吸をしている。



「剣真、もう順番が廻ってきたのか。

その娘はNo107か?」

いきなりの事で彼は驚いているようだ。

それもそうだろう、いきなり言い当てられたのだから。

ただ、本当にNo107なのかは判らんが。

「・・・そうだけど、おじさん、見えてるの?」

「ああ、お前の肩に乗っていて学校の制服着ているのまでな」

「なんで見えてるの?

楓も見えていて理由を聴いたら道場に連れてこられた。

そこでおじさんまで見えてる・・・

もしかしてサクラおばさんも見えるの?」

剣真は信じられないという顔で問い掛けてきた。

理解が追いつかないのだろう。

「う〜ん、結論を言うなら見える。

ただ、理由を説明となるとちょっと時間が掛かるんだが、聴くか?」

剣真はしばらく考えた後

「うん」

そう答えた。



署の一室を借り、3人で向かい合っている。

俺はおじさんに連絡しとけと言われたんで、話を聴く前に家に電話してこの態勢になっている。

ちなみに父さんと母さんは

『ちゃんと聴いとけ』

それだけしか言わなかった。

「それでおじさん、何故か教えてよ」

「そうだな、どこから話していいか・・・はっきり言うぞ?

俺は元No431だ。

サクラは元No430 だった。

それだけ言えば理解するか?」

・・・いやいや、思考の片隅にその可能性はあったけど、実際にそう言われたら驚くよ。

しかし、その方が理解出来る。

楓とおじさんが知美を見えている事とか。

少し頭の中を整理する。

「ビックリしたけど、そう考えた方が理解出来る事が多いんで信じる」

「そうか、それでどうする?」

何を聴いているのだろうか。

「どうするって?」

「いや、何とも思わないのか?

俺たちは元々人間じゃ無いんだぞ?今まで通りでいいのか?」

そう言われてやっと理解した。

「だって俺の母さんだって一緒でしょ?

それに今更何を疑ったり差別する必要はないよ?

むしろ見た目が若いとか、異様な強さとかの裏付けが取れて逆に安心した。

それに今は人間なんでしょ?問題無いよ」

そう言われておじさんと楓は安心した様な顔をしている。

が、ちょっと修正項目があるようで

「一つ修正させてもらいたんだが、俺の力は自分で得た力だ。

サクラの予知は産まれながらのスキルで、その娘の楓はそのスキルを継承したんだ。

若く見えるのは・・・元妖精の名残かもしれんが」

「うん、解った。

おじさんの努力の積み重ねでここにいるってことだよね?」

そう言うとユウヤおじさんは満足げに首肯し

「まあ、それ以外で一番の幸運はお前の親父さんに会えた事だがな」

そう言いながら昔を思い出しているのだろう、微笑んでいた。


「それでもういいかな?理解したって事で」

楓が待ちきれないという感じで聴いてきた。

「ああ、充分理解したよ。

もうちょっと早く教えてくれれば良かったのに。

でも特殊な案件だったから言い辛かったか?」

「そりゃそうよ、嫌われるかと思った。

幼馴染だし、そうなった場合は精神的に辛いわよ」

ほっとしている様子だ。

「そのくらいで嫌わないよ?でも・・・目が3つあるとか胸が3つとか見えない翼とかあるとかだったらもしかして・・・だったかも?」

「そんなことあるわけないじゃない!馬鹿じゃないの?

疑うなら見てみる?」

そう言いながら脱ごうとしていたので慌てて制止する。

「解った!ゴメン!俺が悪かった!」

そう言うと

「解ればいいのよ!」

それからぼそっと≪ありがと≫と聴こえないように呟いていた。


今まで蚊帳の外だった知美が恐る恐る前に出る。

「あの~、そろそろ会話に入って良いですか~?」

「おお、そうだった。

紹介しておかないとな、え~とNo107改め監視者の知美だよ。

おじさん、楓よろしくお願いします」

俺が知美を紹介すると

「後任のNo107です、今回剣真さんの監視者として赴任しました。

よろしくお願い致します」

そう一礼をし挨拶をした。

「おうよろしくな、剣真のサポートしっかりな。

駄目なら没収しろよ?厳しくジャッジしてくれ」

とユウヤおじさん。

「よろしくね~、小っちゃくて可愛いわね」

と楓は知美を人形のように抱きしめていた。

多分、発見した時から触りたかったんだろう、目が輝いている。

知美は助けを求めている目をしているが、ゴメン、しばらく我慢してくれ。

心の中で詫びてそっと目を逸らした。


それから解放されるまで10分程時間を要した。

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