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2-20・・・ミスコン編③

呼ばれて1人づつ出てくる1年の女生徒は半分引きつっていた。

先ほどの司会者のせいだと思われる。

盛り上がりはマックスだけど、壇上から下を見ると多分、餓鬼が襲って来るイメージではないかと。

集団催眠が発生するとシャレにならなくなるレベル。

というかお前たちそんなに飢えてんのか?

側から見てると怖いわ。

まだ制服での晒しでこれなら、フリーの衣装なら暴動起きるんじゃ?

なんて事思いながら後ろの方に移動し見学。


1年から3年まで一通り自己紹介を終え、ちょっと違和感。

なんか多くね?50人くらいいるぞ。

1年13名、2年20名、3年19名らしい・・・

おかしいな〜と思って約定読み返すと、相手を選ばなくてもいいような文面があった。

楓〜あいつ騙しやがったなぁ、あとで文句言ってやる!

くそっ!


それから1時間程準備期間を設けて再度スタート。

時間はもう14時、これ終わるのかよ〜って思ってると、次は1人づつ出て来た。

準備終わった1年の娘からなのだろう、先程とは順番が違うから。

出てくるたびに盛り上がりまくってるんだよな、あれは司会者のせいだと思うよ、煽りすぎだって。

色んな衣装を身にまとって出てくる候補者を見てると横から声が。

「おい剣真、ちょっといいか?」

優二が立っている。

「こんなとこにいたのか?てっきり楓を見る為に前列にいると思ってたぞ」

半分冷やかし気味に返答。

「おじさんが手伝ってくれって言ってるんだ、ちょっと来てくれ」

「おじさん?」

「楓のおやじさんだよ、警備で来てるんだって。

さっき会ったんだよ、それでこの盛り上がりだろ?

集団暴動にでも発展したら大変だから、応援を呼んでるらしいんだけど時間が掛かってるんだよ。

それで少しの間手伝ってくれって」

確かに今暴動が発生したら怪我じゃ済まないかもな。

「解った、行こう」

そのまま舞台袖に案内され、ユウヤおじさんの元へ。


「おお、来てくれたか、すまない楽しんでいる所に」

おじさんが頭を下げて来たので慌てて制止する。

「いや、おじさん、どうせ暇潰してたんで別にどうってことないよ」

「そうか?それならいいんだが。

それでだ、この状況がちょっとまずいんだ。

集団催眠状態になって誰かがステージに上がるようなことになれば暴動になってしまう。

それを食い止めるのを手伝ってくれ」

また頭を下げようとするので慌てて制止する。

「それはいいけど、その場合どうやって止めればいいの?」

「まず女生徒を舞台袖に逃がすのが先決だろうな、そのあとはマイクで呼びかけるしか」

アバウト過ぎるな、しかし他にやりようがないからな、それに掛けるか。


1年の女生徒も終盤を迎え、次に楓が出て来た。

「おおおおおおおぉぉぉ~~~」

「きゃ~~~かわい~~~~」

大合唱だった。

着て来た服装は・・・メイド服。

スカートの丈は膝が隠れるくらいのタイプ。

思わず見とれっちゃったよ、いかんいかん。

楓はその場で一回転し、最後にカーテシーの仕草でスカートの裾をつまみ持ち上げて挨拶をして終わっていた。

一瞬、会場が静かになりまた大声援が沸き起こっていた。

静かになった事、その間に楓が袖に引っ込んだことで出鼻を挫かれたのだろう、何も起こらずほっとした。

それから1年生が終わり、2年生~3年へと滞りなく進んでいた。

さすがに3年となると服装とかポージングとか大人っぽく感じ、2年の違いというのはここまでかよと感心することとなった。


ついに最後の出場者となった。

やっと終わりか、長かった・・・

そう思いながら壇上に目をやると、水着の格好でパレオを腰に巻いた美人なお姉さんが立っていた。

みんな一瞬呆けたあと、本日一番の盛り上がりを見せた。

と同時に前列にいた男子生徒が思わず一歩前に出てしまい、慌てて戻ったんだけどそれが発端となって数人がステージへ。

幸いなことは、大半の客が水着の姿に見とれてしまい動かなかったことで数名で済んだ事。

その為、俺とおじさん、優二が舞台袖から制止する為に飛び出しなんとか捕まえることが出来、間に合ったと思ったんだが、実は暴漢?はもう一人いて、その水着美女に触ろうとして少し屈み込んだ瞬間・・・

舞台袖から新たに現れたガードマン?に思いっきり踵落しを食らっていた。

会場が静まり返り、しばらくその状態が続く。

みんな信じられないといった表情をしている原因は、その踵落しを食らわせたのがメイドだったからだ。

そう、楓である。

あまりにも綺麗に決まった為、どう声を掛けていいのか迷ったが、とりあえず

「スカートで踵落しはやめような?」

「えっ、横からだったし、どうせ下にドロワーズを着こんでるから・・・」

「そういう事を言ってるんじゃないんだよ。

ニーソックスより上の生足が見えるだろうが!」

その突っ込みに会場が沸いた、本日一番の盛り上がりだった。


この時、ユウヤおじさんは完全に苦笑い状態だった事を付け加えておく。


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