表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/257

2-16・・・高校編③

結果は・・・俺の判定負け。

10分戦っても決着が付かず終了となったのだ。

もちろん両手・足技をお互いに繰り出しての応酬だったのだが、楓は攻撃が得意で俺は防御&かわすのが得意なので決定打にならなかった。

といってもお互いに防御も攻撃も一定レベルは十分あるんだけれど。

こういう場合は手数が多いほうにポイントがつくわけで・・・

この判定には楓は納得していないから捕捉しないと負けと思ってる。

矛盾という言葉を引用すると、矛が貫けられないなら盾の勝ちということなのだろうか。

「あたしの負けでいいわ!捕まえられなかったし」

「いやいや、俺の負けだ、認めるよ」

お互い潔く負けを認めている。

いつものことなので廻りのみんなは無視して自分の練習を黙々とこなす。

「じゃあ、引き分けってことでいいかな?」

「それでいいわ、議論しても仕方ないし・・・」

いつものことなので素直に引いてくれた、良かった。


「それじゃご褒美はどうするんだ?」

優二が爆弾落しやがった、このままフェードアウトするつもりだったのに。

「あ~、それがあったわね、優二は膝枕ね。

剣真は・・・+耳かきかな」

「いいのかよ?引きわけなのに?」

「お互い勝ちってことでいいわ。

5分間でいいでしょ?二人とも」

異議はないので了承したが優二が条件?を出した。

道着より制服でお願いします、と。

その瞬間、廻りからは《おお~!》の声が上がった。

羨ましかったんだね、みんな。

優二は頭の収まりがいい真っ直ぐバージョンの体勢でしてもらっていた。

この場合顔が真上に来るから、見上げる優二に対し覗き込むような楓となる。

流石に300秒は耐えきれなかったのか、顔→胸を見て後半は眼を瞑っていた。

顔が赤くなっていたので恥ずかしくなったのだろう。

恐るべし!

でも、昇天して幸せそうな顔してたよ。

あとで写メを送ってやろう、感謝しろよ?

もちろん俺も制服でしてもらった、でも横バージョンになってしまった。

耳掻き出来ないから・・・

150秒ずつ掃除してもらいすごく気持ち良かった。

顔を体の方に向ける態勢の時は、目の前にお腹が見えるからちょっと見上げたりして、初めての角度から見える楓はかわいかった。

気が緩み、手が遊んでいたため、思わずお尻を触ってしまった。

柔らかいなぁ・・・そう思いながら至福の300秒が過ぎていった。

後で考えると、よく殴られなかったと冷や汗をかいたよ。


「はい終了!

2人共次は勝ってね。

それと、剣真は狼、優二は・・・セントバーナード亜種ってとこかな?」

お互い昇格していたけど、亜種ってなんだよ・・・

「おお〜、亜種か。

狼まであと少しだよな!

権利はもうすぐゲットだぜ〜〜」

友よ、お気楽だな。

でも相手は若虎だぞ、差はあまり縮まってないと思う。

強いて言えば力はあるけどスピード不足かな。

興奮冷めた頃にアドバイスしておこう。

今のままじゃセントバーナード止まりだ。


それから楓は荷物を取りに行きユウヤおじさんの車で帰っていった。

そう、おじさんも一緒に鍛錬していたのだ。

虎だ、ボス虎だよ!

あの楓が戦って60秒持たないんだ、勝てる気が全くしない。

娘が膝枕等いいのかよ!って思うだろうけど、そこは寛大なんだよな。

苦笑いはしてたけど、おじさん。

友人関係には全く口を出さないし、男連れてても気にしていない。

そんなものだと割り切っているのかもな。

気分高揚そのままに俺たちも帰路についた。


そんな日々を過ごし、ゴールデンウィーク突入。

2日目に設定し、今日これから会う約束だ。

場所は博多駅、ここならみんな定期持っているから余計な費用は掛らない。

学生だからな、倹約しないときついんだよ。

そろそろバイト考えないとな。

しかしながら、今日は軍資金を母さんから貰って来ている。

「これ、持って行きなさい、今日バッチリ決めるのよ?」の一言添えて。

万札貰ったから有り難く使わせてもらおうと思う。


改札を出て、外の地下街入口に着くと俺が一番乗りだった。

直ぐに平君が到着、その5分後に優二が到着。

優二と平君は初対面だったので軽く紹介する。

女性陣は更に遅れて10分後に到着、3人まとめて来た。


「おい川田君!あれって川田楓さんじゃ?」

「そうだけど、知ってるのか?」

「知ってるも何も工業系の全クラスで評判の娘だぞ?何故知りあ・・・あ、苗字・・・」

完全に見落として部分に気付いたようだ。

「ああ、俺の幼馴染だ、けれど親戚って訳じゃない」

ここから廻りに聴こえないように小さく喋る。

「それから、楓は優二が狙ってるから邪魔はしないでな?

フラれたらアタック解禁するからそれまで待っててくれ、好意があるならの話だけど」

それを聴いた平君は苦笑しながら首肯した。

それからお互いに軽く紹介し合って目的の場所に向かって行った。

落ち着いた場所で話さんと通行人の邪魔だからな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ