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2-15・・・高校編②

「「すいませんでした!!」」

観念したのか古賀・多田両名は冤罪だったと認めた。

勉強のストレスと小遣い稼ぎが目的だったみたい。

「そうですか、それが最後の言葉ですか?

今日の内に学校の友人にお別れの電話をした方がいいんじゃないですか?先輩?」

楓が怖い、とても。

青ざめた2人は無言になり・・・その内罪を擦り付け合い始めた。

20分程醜い喧嘩を聴かされた後、面倒くさくなり条件を出した。


1、2度と冤罪行為をしない事。

2、駅構内に1週間謝罪の広告を出す。

3、学年トップ30に入ること。

これが出来れば見逃してやらんでもない。


こちらは告訴を保留にしている為受け入れるしかない。

これで手打ちとすることにしたけど、またやらかすだろう。

これを成し遂げられればあんた達立派な人間になれるよ、あんたら。


それと、最初に担当した警察の人は刑事さん両名にしこたま怒られていた。

今の世の中、冤罪事件が多発しているのに、鑑識呼んで調べる事をしなかった事に対してだ。

別室で怒鳴られているのを聴きながら交番を後にした。

人って自己中なのが多いんだな、信じられん・・・心からの反省もしてないし、また繰り返すだろうなぁ。

なんか納得できないんだけど・・・う~ん。

その思いが後の出会いと生き様を変えることになる。


そんなこんなで遅くなってしまったが、学校へ行くことにした。

4時限目には間に合うだろうか。

遅れていくのはちょっと恥ずかしいが、ゴールデンウイークの予定も話し合わないといかんからな。


学校についた時、ちょうど4時限が始まる前だった。

「おう、重役出勤だな?なんかあったのか?」

「いや~ちょっとな、」

あまり言いたくなかったんで誤魔化した。

平君はその空気を読んでそれ以上の追及は無かった。

話を替えるため昨日の話の進捗を報告。

「ゴールデンウィークは3VS3になったから。

女の娘3人いるから頑張ろうぜ」

「そ、そうなのか?」

意外だったようで驚いている。

「何でだ?遊びに行くっていったら男女混合だろ」

「いや、そうだけど多くて2VS4くらいだと思ってた」

多分男が4人って意味だろう。

「一応、1組は決定してるから2VS2になるかな、幼馴染の友達がフリーのはずだから上手く立ち回ってくれ。

俺との奪い合い?てことになるけどこればっかりは会話してみないと判んないしな」

「ああ、自信ないけど判った」

平君は戸惑いながらも受け入れた。

いいやつだから上手くいってくれるといいんだけど。


帰り際、いつものファストフード店にて短い時間を過ごしていた。

今日は道場に行くのでそのまま向かうところなのだが、優二に話があると誘われたのだ。

「楓、なんでタイミング良く剣真の右手だけ撮ってたの?」

優二が今日の列車の中の出来事をダイレクトに聴いてきた。

「ちょっとした感かな?なんか後ろで変な動きしてたからさ、最近多いじゃない?こういう犯罪行為っぽいの」

もっともらしい事を言って誤魔化す。

俺は答えを知っているから黙って聴きに撤している。

優二はじっと楓を見、それから俺を見てしばらく考えた後

「じゃあ、あの時俺と剣真の立場が逆だったとしても結果は同じだった?」

「当り前じゃない、友達でしょ?」

当然のごとく答える。

その言葉に少し安心したと同時に、友達か・・・と小さく呟く。

付き合いは1年未満だけれど、今までの廻りの雰囲気等で何か感づいていたが確信が持てないようで自分に言い聞かせるように納得してるようだ。

楓からの自分もいざという時には助けてくれるという言葉に少し安心したのかもしれないが。


署の道場に着いた時、朝担当してくれた刑事さんから顛末を聴いた。

これに関して身内の事なんで、特に追加で処罰等は無しにする代わりにこれからしっかり対応してくれとお願いしておいた。

そのまま着替えて道場へ。

2時間程鍛錬しそのまま終了しようかとした時、楓から提案が。

「ちょっと勝負しない?」

「「何故に?」」

ハモった。

「どのくらい強くなったかなって思ってさ、久しぶりに戦おうよ」

「いや、勝てないし・・・」

「そうだな、気功使われるとな・・・」

俺達はちょっと及び腰だった。

それならと、廻りの人間に呼びかける。

「誰か私と戦らない?」

呼びかけるも全滅である。

「ほら~、誰も相手してくれないから剣真か優二に頼んでるんじゃん。

もし勝ったらご褒美あげるから」

ご褒美って言ってもな~~2人で悩んでいると

「じゃあ、耳かきしてあげる!負けても膝枕!」

え~~?・・・

「俺やる!」

「・・・・えっ?」

優二が挙手し俺が唖然とした。


「おい!大丈夫か?」

心配する俺をよそに

「大丈夫!なんとか善戦するよ!最低膝枕・勝って耳かき付きだぞ!?

男としてやらなきゃならん時があるんだ!」

なんちゅう理屈だよ!

「そこまで言うならいいけど・・・あいつ今日のうっぷん晴らしするつもりだぞ?

あの顔は間違いない」

そう言いながらそうなった原因は俺じゃんと再確認してたんだが。


「はじめ!」

俺の合図で両者激突し手わざ、足技を繰り出し2分程で優二が倒され降参した。

ああ~前回よりも2倍持ったけど・・・まだまだ差は大きいな。

そう分析していると

「剣真、あなたもやろうよ」

まさかのお誘いだった。

「いや・・・俺は弱いし・・・」

「何言ってんの?私、剣真に勝ったこと無いんだけど?」

いや勝ったこと無いだろうけど、負けたことも無いよね?

実はいつも決着が付かず判定負けなのだ、俺が。

理由は俺が護りに特化してて攻撃が得意ではないから。

多分、父さんの性格をそのまま受け継いでいるのだろうと推測している。

「俺だと逃げてばっかりで面白くないだろ?」

「それでも捕捉する練習になるから、いいでしょ?」

今日助けてもらった恩もあるし、仕方なく試合に応じることにした。


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