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2-13・・・剣真の葛藤⑥

もう2時間足止め食らっていたんで解散しようとした時、佐々木君が割って入って来た。

「あの!佐々木優二です。

以後お見知りおきを!」

まさかのアピールだった。

「はぁ?・・・川田楓です」

なに?どうしたの?みたいな顔をする楓。

好意があるんだろ!と耳打ちをする。

「さっきも言ったけど、私強い人が好きなんだけど、この人の位置は?」

俺に対しての質問だ、意味は理解しているので・・・

「そうだな~・・・・セントバーナード犬・・・かな」

「ふ~ん、じゃあ狼くらいになれば考えるわ。

それから私、剣真君と同じ高校行くから、その気があれば・・・来なさい」

おお~挑発か~、久しぶりだな、今まで付いて来れた奴はいないけど。

「解りました、俺強くなりますから!」

それを聴いて楽しそうに微笑んでおばさんと去って行った。

去り際に≪ご褒美考えといてね≫と言って。

あ~~母親って正体を明かさずに行っちゃった・・・まあいいか。


2人を見送りながら

「お前・・・大丈夫か?」

佐々木君への最終確認を行った。

「ああ、一目ぼれってあるんだな、アタックしてみるよ、ダメもとで。

それと・・・俺がアタックしていいのか?あんなかわいい娘、滅多にいないぞ?」

「お前ならいいよ、人として信用しているから、強敵(とも)だからな」

そう言って黙って握手しあった。

友よ、これからが大変だぞ?付いていけるかなぁ。

思わず心の中で合掌していた。


残りの2人も興味津々だったが、冷やかし等ではなく応援する意思が見て取れた。

こいつら良い奴だなと再認識出来た一日だった・・・いや、まだ終わってないぞ!


約束通り昼食ファストフードを奢り受験前のストレス発散を行った。

明日からまた勉強だ、夏休みにレベルアップしとかないと。


それから数ヶ月が経ち、受験も終わり高校も希望高に合格。

もちろん、佐々木君も同じ高校に合格。

いや〜、恋をすると何でも出来るんだな。

まあ、正月の初詣に楓ちゃんの晴れ着姿見たら、意地でもストーキン・・・いや側にいたいと思う。

これで盾ゲットね。

ちなみに矛は俺ね、その為に同じ高校に誘われたんだし。

それから前回の《ご褒美》なんだけど、コスプレしてって言ったらしてくれた。

カラオケ店で3着限定で。

言ってみるもんだ。


イケメングループ=残念グループの3人はギリギリの成績だったようで何とか底辺の高校に揃って合格。

中学在学中に色々色恋沙汰でやらかしたらしく、いろんなヤバイ連中から目を付けられているという噂もちらほら。

それでも女の子を取っ替え引っ替えしてたから、がせネタかも?

同級生達はみんな顔さえ良ければ良いのかよって陰口言ってた。


そんな訳で俺と優二、そして楓が揃って同じ高校に通い始め2週間が経った。

俺は技術系、あの2人は普通科へ。

技術系のクラスは40人中35名は男である。

父さんの時代は全員男だったって言ってたから増えた方なのか?

普通科クラスは40人中半分が女生徒らしい。

技術系の奴らは羨ましがっていたけど、いやいやウチのクラスにも女の娘いるじゃんか?5人だけど。

今のうちに声掛けとけよ。


やはり高校生ともなると、男女問わず大人びた顔と体つきになる。

数ヶ月前までとは見違えるくらい。

高校デビューとか言って春休みに頑張ったのか判らんが。

この時点で格差も出てくる訳で・・・

中学と違い明らかなグループ分けとなっていた。

そう、イケメンと不細工括りだ。

いわゆる差別化という暴力だね、無駄な事だとは思うけど、世の中そんなものだ。

俳優・女優・アイドルを見れば理解できると思うけど、ルックス良ければ正義である。

この一年で勉強した事だ、あまり好きじゃないシステム。


俺は気さくな友人をクラスで見つけることが出来た。

人を見下さない奴で面倒見が良い、表立って目立つ事をしない損するタイプに感じる男だ。

その理由を聴くとブサメンだからだと。

そんな事ないぞ?って言ってもお前から言われてもな〜って苦笑しながら言われた。

昔なんかあったのだろうか、それ以上理由を教えてくれなかったんでそれで終了した。

彼女もいないとの事で、一緒に見つけようぜ!と言うと、何故か暗い顔になって、そうだな・・・と失笑していた。

こいつには相応の見返りがあっても良いと思った。


来週からゴールデンウィークとなるある日の下校時の事。

いつもの3人で遊びの予定を組む為、ファストフード店で駄弁っていた。

楓と優二は相変わらず師弟関係みたいな状態。

客観的に見るとカップルに見えるんだけど。

「ねぇ剣真、聴いてる?」

ボーッとしてると声を掛けられた。

「ああ聴いてる、ごめん考え事してた」

「どうした?やっぱり楓を諦められんか?参戦してくれてもいいぞ?」

実に楽しそうに挑発してくる。

いやそこは俺のものだと突っぱねるとこだろ?

相変わらずいい奴だな。

「そんな事よりさ、出掛けるなら友達連れて来たらダメかなぁ?」

「彼女できたのか?」

「彼女できたの?!」

2人して食い付いてきた。

「・・・いや、男だけど、いい奴なんだ。

だから楓の友達も連れて来てくれたら嬉しいんだけどなぁと思ったんだ」

「そうねぇ・・・いいけど」

そう言いながら2人の顔を覗き込む。

「心配すんなって、俺たちは楓一筋だから!なっ剣真?」

俺も入ってんのかよ?

「そうだな、優二が離れたら俺が貰ってやるから心配すんなって」

そういうと優二が真っ赤な顔で否定した。


俺が1人、優二が1人、それに楓が3人に声を掛ける事でまとまった。

果たして何人来てくれるか、また明日の帰りに報告会をする事で解散となった。


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