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2-12・・・剣真の葛藤⑤

秋穂君達イケメングループは一瞬何言われたか判らなかったようでフリーズ中。

数秒後再始動する。

「なっなんだよ!それは!

レッサーマングースってそんなのいねぇだろうが!

お前ら馬鹿にしてんじゃねえぞ!」

お怒りモードである。


俺と楓はそんなのどうでもいい、という感じで無視して話し込んでいた。

「どうする?この後俺側としては学校で面倒な事になりそうなんだけど」

「そんなの知らないよ。

それに何あれ?剣真君の学校あんなのがモテるの?信じられない!」

「そうは言ってもなぁ、現実なんだからしょうがないでしょ?」

聴こえるように話し込んでるから秋穂君がヒートアップ。

「お前らどうなるか判ってるんだよなぁ?」

「あ〜、もしかして知り合いにヤクザいるとか?

お前ら攫われて売り飛ばすとかのネタ?」

「ああ、そうだぜ?

兄貴にケジメつけてもらうから待っとけよ?」

あ〜、粋がって言っちゃったか・・・

そろそろ助け舟出さんとマズイかな。

「あ〜、秋穂君?それ以上はマズイと思うよ?

今の言葉撤回した方が・・・」

「ウルセェ!」

そう言いながら殴り掛かってきた。

危ないな〜

「じゃあさ、秋穂君の実力を見せてよ。

楓ちゃんは強い奴が好きなんだからさ」

そこでハッと気付いたようで、楓に向かって勝負を申し込んでいる。

「なんで私が受けないといけないのよ?

剣真君が見定めてよ!」

「俺が?嫌だよ!

何のメリットも無いじゃんか!」

「それなら勝ったらご褒美あげるよ」

「なんだよご褒美って!俺は小学生か!」

「かわいい娘からのご褒美だよ?嬉しいでしょ?」

「・・・・・」

はぁ・・・結局こうなるのかよ。

「判った、それじゃ秋穂君ちょっと離れた所に公園があるからそこで勝負しようか?」

「おう!いいぜ!

それから俺が勝っても何でも言うこと聴いてくれるんだろうなぁ」

もちろん、楓に対して言っている。

楓は半笑いで

「何でも聴いてあげるわよ。

あんたの希望する内容は何となくわかるけど」

おう、絶対だからな!と粋がっている。

それを聴いて更に面倒くさいと思う俺がいた。


公園に着いて勝負方法を決める。

「じゃあ、お互い向き合って1発ずつ撃ち合って、地面に膝が付いたり尻餅付いたりしたら負けでいい?」

「「それでいい」」

楓は頷く。

「それじゃお互い準備してから指定の場所に着いてね」


俺は一緒に遊びに来ていた友人に詫びを入れる。

「ごめんな、すぐに終わらせるから駅前のゲーセンに行こう、飯おごるよ」

「いいのか?幼馴染が危ないのにそんなんで?」

「いいからいいから、アイツ俺より強いし」

それを聴いた3人はびっくりしていた。


秋穂君達はというと

「瞬殺で倒して来るから1時間後はお楽しみな?

今日は最高な日になるぜ」

「俺たちにも楽しませてくれよな」

「もちろんだぜ、2人いるから順番決めとけよ?

俺の後だがな」

ゲスな会話が囁かれていた。


「じゃあ、指定の位置に着いたけどどっちから攻撃するの?」

「先行は譲ってやるよ、どうせチキンのパンチだからな」

秋穂君からのささやかなプレゼントだった。

「ありがとう、それじゃ先に行くよ。

3・2・1・・・」

ゼロの言葉と同時に顔辺りに寸止め食らわせた。

取り巻きの2人が、何やってんのヘタレか?と失笑していると・・・

秋穂君の膝が折れて地面に這いつくばった。

「「「「「えっ」」」」」

敵味方のギャラリー一言で沈黙。

「勝者!剣真君!」

当然の結果のように宣言した。

だから嫌だって言ったのに・・・


意識を失った秋穂君をサクラおばさんが覚醒させた。

ちなみにまだ姉さんで通している。

「気が付いた?どうなったか理解できる?」

優しく声を掛けられた当人は夢見心地のままだ。

ぼんやりしながら周囲を見渡し、楓の姿を確認するとイキリだした。

「なんかイカサマしただろう?さっきのは無効だ!」

いやいや、完全に伸されましたよね?あなた。

仲間であるはずの2人からは無理だって!と諭されている。

このままじゃ埒が明かないんで助け舟を出すことにする。


「秋穂君さ、楓ちゃんには勝てないって!」

「なんでだよ!アイツはどれくらい強いってんだよ」

ちょっと俺にビビッているのか先ほどの強がりは半減中。

「あいつは・・・そうだねぇ・・・虎の子かな・その隣の姉さんは・・・虎・・・かな」

ちょっと遠い目で答えた。

「「「「「えっ?」」」」」

「「「「「・・・・」」」」

数秒の沈黙の後

「じゃあ、お前の位置は?」

それに答えたのは楓だった。

「剣真君はねぇ・・・さっきの戦いから・・・レッサーウルフかな。

去年までは野犬だったから昇格だね!」

俺までまさかのレッサー系かよ!


「嘘だろ?なあ?」

秋穂君が俺に聴いてくる。

「さっきの寸止めの一撃だけど・・・俺は10センチくらいしか衝撃破・・・気功って言ったほうが良いのかな?届かないけど、楓ちゃんは100センチくらい届くよ?

奇襲仕掛けても俺、勝てないから・・・」

言ってる自分が情けなくなってきた。

それからイケメングループは心が折れたのか黙って帰って行った。

これで暫くおとなしくなってもう少し他人に優しくなってくれるといいんだけど。


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― 新着の感想 ―
[一言] 楓ちゃんはララァではなくハマーン様みたいなのかな
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