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2-11・・・剣真の葛藤④

月曜日から楓からレクチャーされた事を実践。

週・月単位でコミュニケーション障害が改善されていき、それなりに交流出来るようになって来た。

友人が増えた事で色々なグループと話せるようになると、

弊害が出てくる事もあったが何とか上手くやっていた。

そんな事が日常になってきたある日のこと。


たまたまイケメングループと話しをしていた時、楓とのプリクラ写真を見られてしまった。

「その娘誰?妹?」

「ああ、幼馴染だよ、別の中学に行ってる」

「へぇ、すごくかわいいじゃんか、紹介してよ」

その一言にグループの男女4人が殺到する。

「いや~、彼氏いるはずだよ、確か。

だから無理かな」

「ねぇねぇ、彼氏いるのに川田君とプリクラ撮るの?」

女子生徒の突っ込みだった。

「姉弟みたいなもんだし、俺は異性に入ってないからノーカウントだと思うよ?」

「ふ~ん、そうなんだ~~」

そう言いながらプリクラ写真を見る女子達は、なんか頷き合いながら考えているようだった。

なんか不気味な感じがするな~と思っていると

「ねぇ、じゃあ川田君はフリーなの?」

突然問いかけられた質問に意味が分からず返答出来ずにいた。

「だから、彼女いないの?」

「あ、ああ~いないよ、あまり喋るのは苦手なんで・・・」

「それじゃ・・・私が立候補しちゃおうかな~~」

「え~、いいよ、俺はまだまだ悪友達とバカやっているのが楽しいんで、ははは」

冗談と思ったんでそれとなく返事をしてみた。

そこでチャイムが鳴ったんで挨拶して席へ戻った。


それから数日後、教室内はちょっとした雰囲気になっていた。

何となく場の空気が悪いというかなんというか?

悪友3人に聴いても判らないというし、ん~、まあいいか。

更にしばらく経って隣の席の娘からメモ書きで、イケメングループから悪口言われているよって情報が流れて来た。

それを見た時、何か癪に障るようなことしたっけ?程度の認識しかなかったから、教えてくれた娘にはゼスチャーでありがとうとの返事をしておいた。

放置して置けばその内収まるだろうと考え、いつものメンバーで駄弁る日々を送る。

それ以降は特に何事もなく、3年へ進級した。


進級したと言ってもクラス変えは無く顔ぶれはそのままだった。

受験も控えている為、教室の休み時間に意味もなく駄弁る事も少なくなり、勉強の教え合い等にシフトしつつある。

それでも、やはり年頃なので異性の話しになるとエンドレスループになるのだが。


そんな中、夏休みに入り勉強の強化のため図書館で勉強していると佐々木君から連絡があった。

「もしもし?」

『ああ、いきなりだけど明日暇?』

「暇というか受験勉強してると思う」

『そうだよな〜、4人で息抜きに遊びに行かないか?

と言っても博多とか天神に行くくらいだけど』

少し悩んだけどOKした、みんなで遊びに行くのもアリだしな。

明日昼前に古賀駅に集合という事にした。

今日は夕方までしっかり勉強だな。


次の日、駅に集合し、とりあえず博多駅へ。

ここからどうしようかなと思っていると、向こうから2人組の娘が歩いてきた。

「あっ、楓ちゃん・・・とサクラおばさん。

《サクラおばさん・・・若い・・・》」

向こうもこちらに気付いて近寄ってきた為、どうしようかと思ったけど仕方ない。

手を挙げて久しぶり〜と挨拶。

こちらのメンバーとは初対面なので、紹介した。

楓ちゃんはいいとして、サクラおばさんは大学生のお姉さんとして紹介したが疑いもなく信じてもらえた。

挨拶程度の世間話をしていると後ろからまた声を掛けられた。

振り向くとクラスのイケメングループの3人だった。

「おっ?そっちのかわいい娘どっかで見たことあるな?」

「秋穂君、川田君のプリクラに写っていた娘だよ」

「あ〜そうだそうだ、実物の方がかわいいな〜

そっちはお姉さん?姉妹で美形って最高だな。

2人とも暇なら遊ばない?おごるよ」

その問いの返事も聴かず神戸君が畳み掛ける。

「川田君付き合ってないって言ってたよね?

俺たちと遊んでも問題ないっしょ?」

この3人組は秋穂・峰・神戸という名で、表ではイケメントップ3と言われているが勘違いトップ3とも言われている。

顔さえ良ければ何やってもいいという思想の持ち主なので、まともな娘は少し距離を置いている。

「誘うのは構わないけど・・・と」

俺の声を遮って楓ちゃんが答える。

「私、強い人が好きなんだけど、あなたたち強いの?」

「もちろんだよ、おれ・・・」

「あなたに聴いてないんだけど?

剣真君そこのところどうなの?」

秋穂君の俺つぇぇぇ申請を遮ってこちらに振ってきた。


そうだなぁ、しばらく考えて答えを出す。

「レッサーマングースってところかな?3人とも」

「なるほど・・・」

楓はそれからイケメン3人組へ向き直り、ごめんなさい無理ですとお辞儀。

通りすがりの人達に失笑混じりの視線をもらっていた。



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