追記11・・・旅行の後
社員旅行の次の日、仕事を終えて帰った後にお互いの情報交換をした。
一通り報告し合った後、笑いあってしまった。
こんな身近に面白いネタが転がっているとは思わなかった、それも3件。
俺らから見ると面白いんだけど、当人たちとしてはそれでは済まされない、だって真剣なんだろうから。
彼女達ももう25くらいだろうし、適齢期で彼氏とイチャイチャしたいだろうしな。
イケメンと可愛い娘とのカップルか・・・
いかん、負のオーラ出そうだ。
その雰囲気を察知したのか
「ねえ、なんかマイナスオーラ感じるんだけど?」
・・・クリスさんエスパーか?!
「いや、そんな事ないよ?リア充爆発しろ!とか思ってないから」
いかん、思わず本音口走ってしまった。
「また〜、そんな事言ったら川さんだってリア充側になるんだよ?」
そんな事ないだろ?って思って考え込んでると
「目の前の人は?」
「嫁さん」
「その嫁の歳は?」
「25くらい?」
「子供は?」
「1人いる・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「あなたはリア充ではなくて?」
「・・・すいませんでした、リア充側でした。
綺麗な若い嫁と子供がいてこれ以上の贅沢を言うとバチが当たります」
土下座する勢いで詫びた。
「え〜と、そんな訳でフォローしたいと思います」
「フォローに徹するだけでいいのか?」
カップルへ昇格させるのでは無いのか?という疑問を投げかけた。
「うん、みんな好き=交際=結婚では無いよね?
一つの選択肢として上手くいけば良いかなってレベルでいいと思う、今は」
ドライだな、さすが女だ。
「でもまあ、養っていけるかも判んないしぁ。
人間になりました=紐生活ですっていうのも無理だし、妥当なところか」
納得していると
「これが逆だったらねぇ、色気で落とすけど」
なんか怖い事言ってるけどその通りだから否定出来ない。
躾出来てて、可愛いとか美人だったらコロッといきそうだしな。
男って単純なんだもの。
「それじゃ、まず住民票の確認かな。
みんなどんな感じで関わっているかチェックしないと」
「うん、それから仕事に就いてもらおう」
手っ取り早く同じ会社でいいか、承認制の異能力だから近くにいないと発動させられないし。
その後は若い者同士に任せるという事で放置。
「明日話して、休みの日にでも住民票をもらってきてもらってまた話ししようか」
「そうだね、上手くいけばいいけど。
それと・・・今日はどうする?」
横で寝ている息子を見ながら問いかける。
「そうだなぁ、旅行中楽しめなかったし・・・」
そう言いながら部屋に連れ添って行くのだった。
次の日、ユウヤにお願いして三人のデータを取り寄せてもらった。
流石に市役所で直接申請出来ないし。
三人共に地方出身で親と死別、彼女達と同じアパートに現住所がある事になっていた。
「これなら仕事に就くのも問題ないだろう」
一人で納得しながら次のステップへ。
更に次の日、三人共に出勤していたのでパートナーの情報を渡した。
働くかどうかは任せるという事も言ってある。
多分だけど何かアクション起こすだろう。
データ見せた時の彼女達の顔は面白かったな。
まさか同住所になってたなんて思いもしなかったろうし。
それから一週間経たないくらいに、社員面接に来た3人の姿が。
若いっていいねぇ。
因みに歳は25で登録されていて、大学卒業してフリーター上がりという設定だったらしい。
その他の面倒くさい税金とか、国民年金とか細かい所は公安の方でチョチョイと操作してくれていたようだ。
実験体は日本に多分10名といないだろうし、そのくらいはね、マークついでにフォローするでしょ。
そんなわけで一つの問題は解決かな?
仕事続けばいいけど・・・
まあ、次の問題の方が・・・どちらかというと大変かもね。
面接は採用となり、必要な書類等揃えるために1ヶ月程かかりそうだった。
その間に免許取得の為、自動車学校へ。
Ⅰヶ月ちょいくらいで取れると思う、これから先は必須だと思うし。
お金が掛かるので貸そうか?と言ったら、そこまで甘えられないと固辞された。
一応、マスターから援助があるらしく、そこから出してもらうとの事、必要経費計上らしい。
因みにクリスの分は無かったの?と聴くと、辞した時にクビになった仲間のために使ってくれと置いてきたとの事。
よく出来た嫁だなって思うのと同時に、支度金程度持ってくればいいのにと思ってしまったのは内緒だ。
そんな訳で監視員3名、Ⅰヶ月ちょい後に正社員候補として入社。
免許取得は少し遅れたけれど、なんとか次のステップへ。
こちらとしては、3人に護衛&パートナーが付いて人手不足解消出来たこと等で一石二鳥だ。
ただ・・・会社の野郎どもの落胆ぶりが半端なかったようだ。
さっさと声掛けとけば良かったのにな、ドンマイ!
余談だが、将聖達3人は相当モテたようで、穏便に断るのに苦労したらしい。
イケメンだからね・・・フッ・・・