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追記⑥・・・三人娘、結城沙知のその後

「ご飯だよ、おいで~」

異能力をもらった後、試しに助けた犬と猫に懐かれた為、世話をしている。

本当は飼ってやりたいんだけど、このアパートはペット禁止なんだよね。

そんなわけで1日1回餌を与えてるんだけど、こうやって声を掛けると何処からともなく現れる。

「今日も元気に生きててくれたね」

そう声を掛けながら頭を撫でてやる。


この子達を助けてから1年程過ぎ、私のレベルは4になった。

No111君はそのままでは呼びづらいので優斗と命名した。

月に1~2回程、魔法使い・僧侶・賢者の能力を使い人知れず人助けをする日々。

一度知り合いに見られて相当焦ったなぁ、恰好があれだったから・・・

コスチュームは相変わらずだけれど、具現変化で普通の格好に見えるように隠蔽してるから今は抵抗がない。

ただ、異能力者には隠蔽スキルは働かないようなので気を付けないと。

レベルアップボーナスは・・・

レベル2で具現変化の隠蔽スキル取得

レベル3で動物言語理解

レベル4で動物全般の言葉取得を貰った。

中でも隠蔽スキルは重宝しており、これがあるおかげで変身しても、他人には普通の格好にしか見えない。

だからアニメに出てくるようなコスプレしてもOK。

やっぱり可愛い格好したいし、だってまだ21だから。

それと、動物系のスキルをもらったおかげでペットを外飼い出来るようになった。

お互いに言葉を交わすようになって色々重宝出来るようにもなったんだよね。

ただ、動物には宗教心とか無いから躾がまだまだだけどさ。

その内に使役出来るようなスキルをもらおうかな。

動物を飼うんじゃなく使役するなんて、召喚を使う魔法使いみたいで憧れる。

イケメンの彼氏?もいるしリア充生活の真っ最中~


ペットたちにご飯を与え、食べるとこを見ながらぼーっと考え事していると、声を掛けられた。

「サチさん、なに黄昏てるんだ?」

「ちょっとね、ここ1年間の出来事を思い出してたの。

あれから色々なことがあったなって、環境が思いっきり変わっちゃったからさ」

遠目でリア充生活を語ってみた。

「本当だな、今まで数人監査員したけど、1年でここまで上手く立ち回れた人間は初めてだ」

優斗君は昔を思い出しているのだろう、目を瞑っている。

思い出したくも無い人間も居るのかな?時々顔が引きつってるし。

過去の事は聴かないのがマナーだよね。


「今日はこれからどうすんだ?

ネタ探し?それとも?」

優斗君が問いかけて来た。

「そうだねぇ、天気も良いしデート日和だよね」

「了解」

優斗はそう言いながら人サイズ(服装はお出かけ仕様)になった。

日頃は小人サイズで生活し、休み等で出かける時だけ人サイズになる(いつでも変化出来るんだけど・・・)

何故?と聴いた事あったけど、なんか仕事とプライベートと区別したいのだそうだ。

男子って生き物はよく判んない。

別に常時人サイズでもいいんだけどな、なんか同棲って感じがして。

もしかして実験体としか思ってないのかな。

そういえば着替え中でも完全無視してるしな・・・かなりショックだよ、はぁ・・・。

とにかく着替えよう・・・


サチさん、また目の前で着替えてる・・・

俺って男じゃなく犬猫のオスの位置なんだろうか?

いつも見て見ぬふりはしているけどさ、なんかな~~このまま見てるだけってのも飼い殺しだよな。

理性が持たないと思って、普段は小人のまま過ごしてるんだけどその内まずい事になりそうだ。

下手に手を出してクビになりたくないしな

う〜ん、川田さん達に相談して見るか。

などと考えているうちにサチさんの準備が終わったようだ。


「お待たせ〜、行こうか」

「サチさん、今日は何処へ」

「デートって言ったらドライブでしょ」

そう言いながら車のキーをブラブラさせている。

確かにネタ探しじゃなかったら大勢いるところじゃなくてもいいからな。

そう自分に言い聞かせる。

そのまま車に乗り込んで出発し道中他愛もない話が続く。

1時間程走らせて着いた先は海が見える丘の駐車場だった。

この時期には珍しく、誰もいなかったため、降りてブラブラと歩くことに。


「ねぇ、優斗君これから先どうなると思う?」

「??どうなるとは?」

いまいち投げ掛かられた話題に付いていけず聴き返していた。

「あと何年くらいこの関係続けられるのかな?」

そういうことか・・・

「そうだなぁ、サチさんが引退するか・・・没収されるまでかな?

没収は無いと思うけど」

「そうだね、でも10年も出来ないと思う、だって私も30歳までには結婚とかしたいし」

「・・・・そうか・・・その時はまた流れる事になるかな。

それまではサチさんのサポートを全力でやらないとな」

それから二人共にしばらく黙って海を見ていた。


う~ん、もっと喰いついてくるかと思ったけど、意外とドライな反応。

彼にとって私はやはり監視対象なのかな・・・踏み込んで今の関係が崩れたら嫌だし、

もうしばらくこのままの関係で行くしかないのかな・・・

今度クリスちゃんに聴いてみようかな、仲間だったんだから相談してみよう。


サチさん、あと10年って言ってたな。

期限決められたって事か?結婚もしたいって言ってたな。

そりゃそうだよな、人間は寿命が80年くらいだったはずだったから、ずっと趣味というか好きな事して生きていくわけにもいかないだろうし、妥当か。

それまでにはレベル5には楽勝でなれるとは思うけど、レベル10は無理だろ。

それまで俺も楽しむかな。


お互いに考え事をまとめて顔を見た時に目が合ってしまって思わず笑ってしまった。

しばらく笑いあった後、

「「もうしばらくよろしく」」

ハモった。

また笑いあいながら、お互い今後の事を前向きに考えるのだった。


それからまた車でドライブがてら昼食を取り、午後からネタ探しに意識が行くのだった。

『『もうしばらく、この関係で行こう』』

心の声もシンクロする二人であった。


この二人が付き合うのはもう少し先になる。



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