表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/257

追記②・・・プロローグ・・兼人&こはる編

本編最終話の続きを少しだけ・・・


川田の孫の兼人とユウヤ達の孫のこはるは、今人生の分かれ道に立っていた。


兼人は考えていた。

何故、爺さんを知っている?それに伝説の川田氏の血縁者ってなんだ?

父さんと母さんは何か知っているのか?

色んな事を頭の中で考えていた。

無害っぽいんだけど、こんな妖精っぽいのはお伽話の中だけじゃないのか。

とにかく、ここにいるのは俺だけじゃない、こはるもいるんで下手な事出来ない。

落ち着け俺!


「そちらの目的は何となく理解した。

しかし、本当かどうか判らないから少し考えたいんだが?」

それに対して、No107 と呼ばれる女性型が答えた。

「構いませんよ、お二人で相談して下さい。

別に拒否でも構いませんからね」

「・・・判った」


「こはる、どうする?

俺としては面白そうだから、実験体とやらになるのは良いんだけど、お前は・・・女だからな、下手な事されるとまずいから拒否してもらいたいんだけどな」

無駄な説得と思われたが、一応言ってみた。

「何言ってんの?こんな面白そうな事を兼人だけにやらせるわけないじゃない!私もやる!」

・・・無駄な説得だったな、こはるは黙っていれば相当な美人なんだが、口を開くと男勝りな所がある。

両親と祖父母全員、警察関連の最前線だから武道系もひと通り段持ちだし、まともに襲ったら返り討ちになるくらいだからな、仕方ないか。

ただ、それは相手が人間だったらの話だ。

「でもな、相手はあれだぞ?

人外の力等で襲われたらどうすんだ?

男ならボコボコにされて痛い目にあうだけだけど、女は別の意味で精神的に痛いぞ?」

「心配してくれるんだ?」

「当たり前だろ?俺はお前より弱いけど、矜持ってのがあるからな」

こはるは意外そうに笑いながら俺の顔を見ているが、目は冷静だ。

「そう、ありがと。

でも、私のばあちゃん譲りの能力知ってるでしょ?

だから大丈夫、信用出来るよ、この妖精達は」

「・・・判った。

じゃあ一緒に参加しよう」


「待たせたな。

俺たち二人とも実験体になるよ、話の続きを頼む」

それから異能力の説明を30分ほど聴き、今日のところはそれで終わった。

時間も遅いし、望む能力も直ぐには頭に浮かばないし。

ただ、最後に一つ聴いておきたい事項があった。


「伝説の川田の家系って何だ?それと、なぜ二人一緒に来た?こんな宝くじ以下の当選確率なのに」

当然の質問だった。

「じゃあ順番に説明していきますね。

50年ほど前、初代No107が初めて川田氏に接触。

実験体となり、わずか3年ほどで条件クリアし引退しました。

因みに100年強の間にクリアした人間は今まで3人ほどです。

一人は兼人さんの祖父、そしてもう一人はあなたの父親の剣真さん、後の一人は別地区の方です。

これが伝説と言われる理由。

それと何故2人同時かというと、クリアしたらボーナスとしてその方の子孫に優先的に実験体になる権利が与えられます。

今回はたまたま二人分がアジア圏に移ったので、優先的に声かけてさせてもらっただけです」

「「・・・・・」」

「川田のじいちゃんのおかげというのは判ったけど、何故私も?たまたまなの?」

「いえ、それは貴方の家系が川田家と深い繋がりがあるからです。

そこはあなた方の身内からお聴きください」


私も関係者だったんだ、もしかして血縁者なのかな?

何故家族ぐるみの付き合いなのか判んなかったけど、今やっと私のルーツがわかりかけて来た。

ここら辺は後でパパとママに聴くとして・・・

「私のパートナーはどっち?」

どっちでも良いけど、一緒に行動するなら体育会系がいいな、退屈しないで良さそうだし。

「俺です、No50を冠しています」

男型の妖精が答えた。

「ふ〜ん、それで何が得意なの?」

「格闘系です、そこら辺の輩には負けないと思います。

こんな事言っては失礼かと思いますが、こはる様にも負けないかと」

「ほう!直ぐにでも手合わせって言いたいけど、今度の休みにでもいいわ、楽しみ」

「ご期待に添えれるかと思いますよ」

二人の顔笑ってるけど・・・目が真剣だ。


父さん・じいちゃんすげぇな。

日常の行動からは全然イメージ湧かないぞ、それ。

しかし、よくもまあハードル上げてくれたもんだ、なんかやり辛いな。

仕方ない、出来るところまでやってみるか。

「それで、君が俺のパートナーか・・・よろしく頼むよ。

何か得意な事はあるのかな?」

「いえ、特には無いですけど、特異能力として動物と会話出来ます、言語ではなくテレパシー的な」

「そりゃすごい!面白い能力だね。

とにかくよろしく」

そういうと、丁寧にお辞儀で

「こちらこそよろしくお願いします」

そう返して来た。

まだ硬さが取れないなぁ、まあ当然だろうけど。

俺だっていきなり女の子とパートナーなんて緊張しまくりだけど。


「それじゃ、下に降りようか。

今日はもう帰らないとな、明日は学校だし」

降りるとみんな待っていた。

まるで4人で降りて来るのが判っていたかのように、お茶が人数分出てきた。

「「・・・・」」

クリス婆ちゃんが開口一番

「連れはどうしたの?」

「「・・・・・」」

「あれ?断ったの?あらあら勿体ない」

「「いや、断ってない・・・よ」」

事がスムーズに運んでいる事態に付いて行けない2人。

「そうなの?じゃあ、出てきなさい。

遠慮は要らないわよ?」

その言葉に2人が可視化で出てきた。

「「あの・・・初めまして、今回サポートの役に付かせて頂きます」」

「俺・・・いや私がNo50です」

「そして私がNo107です」

クリス婆ちゃんは昔を思い出すかのように

「懐かしいわねもう50年か、知美さんもそうでしょ?」

兼人の母である知美も同じ感想のようで

「はい、お義母さん、あの頃が懐かしいですね」


その会話に俺は反応した。

「母さん、婆ちゃん何その会話?

その言い方だとまるで昔この2人と同類だったって聴こえるんだけど?」

「そうだけど?

私と知美さん、それからユウヤとサクラもそうだったのよ?その2人に教えて貰わなかったの?」

「我々から秘密を暴露出来ませんから、皆さんから教えてもらってくださいと話しておりましたので」

その言葉に兼人とこはるはフリーズするのであった。


「それじゃ何?爺ちゃんと父さんは妖精と結婚したのか?

というか結婚出来るのか?

いやいや、その前に小人じゃないんか?」

頭の中がパニクっている俺は、何を言っているのかよく判らずに聴きまくっていた。

「そうよ、私は今のあなたみたいに実験体となったお爺ちゃんを好きになって結婚したのよ。

あなたのお父さんも同じなのよ」

「でも人サイズ・・・」

「ああ、それはね・・・そこのお二人さん、見せてやって」

そう言われた小人妖精は瞬時に大きく、人サイズになった。

「「!!!」」

「「大きくなった・・・・」」

しばらく呆然していた。


「そういう訳なの、だから仲良く頑張ってね。

ああ、それからパートナー=結婚ではないから、気楽にね」

気楽にねって言っても、そこまで聴いたら気楽にできね〜。

こはるも同様だろうとそっちの方を見ると、なんかお互いに品定めする様に見つめ合ってる。

目がハートっぽくなってたら、

「春が来たのかよ!このリア充共!」

と妬み節もネタとして発する事も出来たが、ありゃ強敵=友

の雰囲気だよ、関わっちゃダメだ・・・


う〜ん、それじゃ気を取り直してNo107と向き合うか。

「そういう事だから、よろしくな」

「はい、不束者ですがよろしくお願いします」

・・・・見合い結婚の初夜かよ・・・

「近いうちに欲しい異能力を選定するから待っててくれよな、それまでは自由にしててくれよ」

「はい、判りました」

まだ言葉遣い硬いな、どうすればいいかな・・・

「敬語要らないから、友達の様に喋って貰えると助かるんだけど、歳も近いだろ?」

「それじゃ、そういう風にやってみます・・みるよ」

うん、それでいいか。


横眼で兼人達がひと段落したのを見極め、こちらも落ち着こうかと思ってるんだけどな。

人型になったNo50君を見ちゃうと、ウズウズしてきちゃった。

強いなって肌で感じるくらいに興奮してるよ。

一応女子高生なんだけど・・・

手合わせは後日って約束してるから今は我慢だね、うん。

「それじゃあたし達もよろしくだね」

「はい、私も貴女と行動できる事が楽しみでなりません」

「その言葉使い何とかならない?堅すぎだよ!」

「手合わせ後に変えようかと思います」

へぇ、強ければ従うし、弱ければ下に見るって意味かな。

ふふふ・・・楽しみ!

「判った、それじゃよろしくね。

私の異能力申請は数日待っててね、それまでは普通に仲良くね」

手を差し伸べて握手を促す。

それに応えるNo50であった。


それから数日後、お互いのパートナーとして登録完了となった。


その後の話はその内に・・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ