123 通達と段取りと
次の日、妖精達に一斉に通達が入った。
任務中の妖精には通知はまだだ。
家の3名は直ぐにでもって思っていたようだけど、仕事しているしちゃんと話してから人間になるらしい。
ユウヤはともかく、サクラの特異能力はどうなるのかと思ってたら、元々の個人スキルなので無くなる事はないそうだ。
人間で言うところの超能力みたいなものか。
「そう言う事なんで、無くなるのは小人化・と服等の具現化能力・その他便利能力だよ。
私が人間になった瞬間に異能力返上となるからよろしくね」
そうか、今はまだ使えるのか。最後に・・・と思っても今更使いたい能力は無いけどな。
「それなら今の内に服とか買っておかないと不便じゃないか?」
「「「あ~!」」」
みんな便利能力が無くなる不便さを実感しつつある。
人間って不便な生き物なんだぞ?
「そう言えば人間になった妖精ってどのくらい居るんだ?」
「え~っとね、・・・全体の3割弱みたい。
元々このままでいいってのが全体の2割は居たはずだから、まあ多いほうではないかと」
人間になっても生活が出来ないと意味無いしな。
「希望を叶えてどんな生活してんのかな?
クリスみたいに誰かとくっ付いたりとか?」
「それは多いと思うよ、今までは好きな人がいても、なかなか告白出来なかったから」
クリスはストレートに来たような気がするけどな。
これからどうするかな、会社の3人娘には後日話すとして、妖精君達に言ってもいいのかな?
その内バレるしいいか、なるようになるさ。
あと、公安の山口氏にも話しとかないとな、それから・・・特にないか。
「考えがまとまったんで、とりあえず当面の買いものをしますか。
今日一日必要なものを買い込むよ、みんなさっさと準備する!」
みんな準備に散って行った。
1時間後みんなの準備が整い、いざ出発。
ショッピングモールへ買い物だ。
一番嵩張るであろう服を先に買うこととした。
買い過ぎても無駄にはならないからだったんだけど、女性陣の買いものは長いということを忘れていた。
ユウヤと二人でベンチで待ちぼうけを食らう事となった。
「ねえ、川田さん」
「なんだ、ユウヤ」
「あの・・・ありがとう・・・俺達を拾ってくれて」
「なんだ?急に。
それに、その言葉は最初に聴いた気がするが?」
「いや、人間になる前に行っておきたくて」
「そうか、人間になって能力とか無くすけど仕事に支障はないのか?
サクラは特殊能力が残るからどこでも引っ張りだこだと思うが」
一応、今後どうするのか本人の口から聴きたくて問いてみた。
「俺は最初から格闘系がメインだったからそんなに変わらないよ。
しいて言えば、傷等の治りが遅くなるって事かな」
「気を付けてくれよ?
いきなりサクラを未亡人にすんなよ?」
「そんなことしないよ、一緒に生きて最後は看取るか看取られるかで終わりたいから」
「そうだな、でもいきなりタイヤしても、サクラだったらいくらでも貰い手がありそうだよな?
あんなに可愛んだから」
「そんなこと言ったら、クリス姉さんだっていくらでも男が寄ってくるよ?
ちゃんと長生きしてくれよな」
「そうだな、クリスの相手出来るのは俺だけだからなぁ。
みんなクリスが切れたとこ見たことないから、あんなふうに寄ってくるんだよ。
実は切れたら制止者がいないと暴走するから・・・」
「ふふふっ・・・はははははっ」
「言い過ぎたかな?」
「いや、充分的を射ていると思うよ、やっぱり川田さんが貰ってやらないと・・・」
「そうだな~~~はははっ」
「買い物終わったよ~~」
以外に早かったな、もう少し掛かると思ってた。
「もういいのか?それが当面の服、その他かい?」
満足げに首肯している、まあ、いつでも買いに来れるからいいのか。
「ユウヤはいいのか?服とか」
「うん、俺は今ある服で十分だし、買いたきゃ仕事帰りにでも寄り道して買って来れるし」
それから今後の事を話しながら、ランチとデートを楽しみながら一日が過ぎて行った。