118 異能力2人目、その後②
ユウヤ・サクラが悶絶状態から復帰する頃、結城さんたちとはすでに別れショッピングに戻っていた。
「二人共まだ引きずってるのか?」
「「・・・・・・」」
まあいいや、しばらく放置プレイしておこう。
「クリス、今日は何か特に買う物あったっけ?」
「ん~~特には無いかな、食材の買いものくらいかな?」
そうか、それならそんなに時間は掛からないか。
久しぶりのデート楽しむ事にしよう。
「先に昼食とってデートしますか?姫?」
「そうね、ちゃんとエスコートしてね」
最上階・・・と言っても3階にあるレストランで食事となった。
展望台となっており、海が見える場所でもある為人気がある店だ。
駐車場も平面で広くとっており、モール・駐車場・海となっているため見渡しは最高。
食事が終わり、これからの行動を計画していると、ふと窓の下の駐車場が騒がしいというか人だかりが出来ていた。
「何かあってるのかな?人が集まっているけど」
「えっどこ?」
「下の駐車場だよ、人が沢山いる、野次馬みたいな陣形に見える・・・あっ!場内での接触事故かな?」
よく見ると、変な停め方をしている車のそばで二人の人間が変な動きをしているように見える。
ぶつけたショックでドアが開かなくて誰か閉じ込められてるのかな?
そんなに緊急事態じゃないような気もするけど、なんか焦ったような動きだな。
消防に連絡したのかな、しかし野次馬は野次馬だな、遠めに見ているだけか。
おっ!二人組が車の方に近づいて行った、なんかカラフルな格好してるな?
「クリス、ちょっと観に行こうか?なんか変だ」
「了解、ほらユウヤ達も行くよ?」
1階に降りて駐車場に行くと、騒ぎの原因が判った。
最初の二人は夫婦で、ぶつけたショックで後部座席のドアが開かなくなっている。
不幸な事に下より何かが漏れている・・・匂いからしてガソリンだ。
だからみんな遠めに見てたのか、これはマズい。
そして助っ人に入っていたのは・・・変なコスプレ下した(どっかのアイドルか!と突っ込みたくなる衣装を着た)女性とタキシードの男であった。
助けてもらっている手前、だれも異議を唱えない。
「・・・・あれ・・・あれだよな?クリス」
「・・・・あれだと思うけど、今はそれどころじゃ無いでしょ?川さん」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「そうだな・・・」
「おい、そこの!え~と・・・美少女仮面にタキシード仮面!」
不意に呼ばれた二人はびっくりしてこっちを見た、そしてフリーズした」
やっぱりか、でも今はそれどころじゃないだろ!
「俺がドアをなんとかこじ開けるから漏れている液体を何とかしてくれ!」
そう言いながらクリスに武闘家・腕力MAXで承認を依頼してOKをもらっていた。
2人の謎仮面はフリーズからすぐに立ち直り、首肯した。
車に近づき、後部ガラスを割り扉に手を掛けて、深呼吸して一挙に引っ張るとドアが手前に吹っ飛んだ。
そのまま中に入り、小学生低学年の二人の子供を連れだした。
その間、液体が漏れている部分にはいつの間にか砂がてんこ盛りとなっており、これ以上外に流れないようになっていた。
消火器は店舗の人がちょうど持ってきてくれたんでそのまま噴射。
後は消防車の到着を待つだけだけど、遠くからサイレンが微かに聴こえて来たから大丈夫だろう。
ここですることは残り一つ、逃げることだ。
「クリス、No111君に念話で不可視化で逃げろと伝えてくれ、そして立体駐車場屋上で待つと
それが終わったら俺達もフェードアウトするぞ」
「了解、伝えるね」
騒ぎの後、ヒーロー達がいなくなった事で更に騒ぎとなってしまった。
仮面の二人はともかく俺ら身バレしてるかもしれない、外見変身させてなかったし、仕方ない」
立体駐車場の屋上で待ってると結城ペアが現れた。
バツが悪そうにしているけれど、人の命を救ったんだ、胸を張ってほしい。
「どうも、先ほどは・・・」
「そうだな、判断が少し遅いな、テキパキと行動して名前を告げずに去っていくのが真のヒロインだぞ?
あれじゃ、その内捕まって質問攻めにされて正体がバレるぞ。
恩を売りたいわけじゃないだろ?」
「はい、そうです・・・あの・・・私の格好・・・」
「何を言っているんだ?ヒロインなんだからOKだろ?
テンション上がるなら結構じゃないか?美少女仮面?」
「いや~~~~その呼び方止めて下さい~~~」
なんか萌えるな・・・
その後、いろいろレクチャーして解散となった。
No111君の能力等はまた後ほど聞く事にして。