117 異能力2人目、その後
数日経ち、ある休日の某所。
いつもの如く、クリス達と4人でショッピングモールに買い物兼遊びに来ていた。
お互いペアでショッピング、廻りから見るとリア充死ねや!の光景。
特にユウヤ・サクラコンビは厨二病患者の敵である。
そんな中、そのリア充環境に慣れない男が一人。
「今日も死ねや光線が痛いなぁ。
まあ、3年くらい前までは俺もあちらの人間だったからなぁ、でも死ねや光線は出してなかったけど」
「もうそろそろ慣れてもいいと思うけど?」
呆れたように諭されたけど、慣れないもんだ。
しばらく買い物を楽しんでいると・・・
「あれ?結城さんじゃない?」
そう言われてみて見ると、確かに結城さんだった。
隣にいるのはもちろん、No111だ。
邪魔しちゃ悪いから遠目に見ていると向こうも気づいた。
そのまま気づかないフリして去っていくのかと思っていると、近づいて来た。
普通、気まずいんじゃないかと思いながら挨拶を交わす。
「こんにちは、二人共。
デートかな?それともネタ探し?」
「え〜とっ、療法・・・いえ両方です」
そうか・・・そういえば最初の頃はよくネタ探していろんなところ廻ったな、懐かしい。
「無理に探すと逆に見つからないから、気楽に行った方が良いよ、楽しもう」
「はい、そのつもりで一緒に出かけてます」
しかし、No111君は本当に・・・イケメンだな。
ユウヤも他の妖精達もビジュアル的には良いし。
ふと気づくと、ユウヤ達に目線が行っている。
そうか、初対面だったな。
「こっちはユウヤとサクラだ、クリスと一緒だ」
「元No431のユウヤだ、よろしく」
「元No430のサクラです、よろしくお願いします」
挨拶をされて意味が判らないようで、半信半疑で聴いてきた。
「元って妖精だったの?
それが何で一緒にいるの?」
当然の質問か、どう答えてらいいかな、俺が答えたら機密事項に引っかかりそうだ。
「それはね、監視役のお役目が終わって、さ迷っていた所をスカウトしたの。
偶然見つけて暇そうにしてたんで、私が誘って。
ユウヤはサクラに付いて来たんだけど」
「その二人の事なら知ってます、どういう関係かも。
そうですか、一緒にいるんですね」
No111君は面識は無いけど二人を知っているようだった。
なぜ知っているのかと思っていると、察したのか話し始めた。
「その二人は幸せ有名ですよ、というか知らない方が珍しいですね。
うまくいって良かったと思います、なにせその娘は大多数から狙われていましたから」
ユウヤ・サクラ組は「えっ?」っという顔をしてたけど、何となく判る気がする。
最初会った時に、サクラに危害を加えらると思って喧嘩を吹っ掛けてきたユウヤ。
それをクリスが一喝し、そのまま任務をリタイヤし付いて来た経歴があるからな。
固まっている二人を他所に、今までの経過を話してしまうクリス。
それはいいのだけど、ユウヤを一喝した部分を省いて話してしまう所はしっかりしているな。
まあ、補足として後で言っとこうか。
「そんなに有名だったのか?」
「そんなに有名だったの?」
ほぼ二人がハモりながら聞いた。
「No431・・・いや今はユウヤか、気づかないと思ってたのか?あんなにNo430 、今はサクラか、を気遣っているのはバレバレだったぞ?
肯定派の間ではなんとかならないかって会議まで開かれるくらいだったから、良かったよ。
仲間に報告しとかないとな」
ユウヤは片膝ついてしまった。
「それからサクラ、鈍感な所があって危ない所あったがうまくユウヤの気持ちに応えてくれて良かったよ。
他の奴に持っていかれたら、パーテイー組んで奪還作戦を行わなければならなかったからな」
サクラは顔を両手で隠して悶絶している。
お前たち、ある意味残念カップルだったんだな・・・
「No111君はそれで良かったのか?
彼氏に立候補するとか無かったのかい?」
当然の質問をぶつけて見た。
「二人の間柄を知ってましたから、その間に割って入る事は出来ませんよ。
ただ、空気を読めない奴とかチャラ男はどこの世界にもいますので・・・」
「・・・だそうですが、何か言う事は?」
「「心配してもらってありがとうございます・・・・」」
まあ、これが精一杯か。