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異能力を貰って人生変えようと思ったんだが・・・  作者: 剣真
3ヶ月経過 新体制スタート
114/257

114 異能力 3人目

最後は吉井さんだ。

次の日にまた同じ喫茶店で話を聴くことにした。


「え〜と、私は単純に癒しの能力を貰いました。

僧侶系の奇跡の力ってやつですね」

癒し単発で来たか、余計なものは無しのようだから意外に強い能力かもな。

「それで制約と誓約は?なんか付けたのかい?」

「はい、癒しの能力の完全版と言うのかな?

生涯10回の全回復能力を発揮できる能力を附帯して貰いました。

死ななければほぼ全回復出来ます、それも瞬時に。

ただ、無くしてしまった部位とかは再生出来ませんが」

10回か・・・少ないのか多いのか判らないけど、思い切った能力をもらったもんだな。

「じゃあその他はどのくらいの回復に?」

「赤チン・軽症(軽・重)・重症(軽・重)の5段階に分けます。

回復させると、軽い順に赤チン(1日)、軽症(2~4日)、重症(5~10日)で治ります。

1日最大5回まで行使可能です」

一点特化させるとそこまでいけるのか、すごいな。

怪我等の具合はどう判断するのかな、妖精君に聴くか〜。

「妖精君、不可視の人間サイズで出てきてくれない?」

数秒で現れた。

「コードネームNo790です、この姿では初めまして」

すごいイケメンだな、こんなのが近くにいるなら幸せか。

そんなこと言ってる場合じゃないな。

「怪我を5段階に分けてるけど基準はあるのかい?」

少し考えて

「絶対的なものはありませんが、実際の程度によって異能力が勝手に判別し治します。

体内の損傷とかは見た目では判りませんから」

そりゃそうか。

「それでは一通り聴いたんで、今更ながら言うけれど悪いことに使うなよ?

妖精君もこの実験体と長く居たいなら助言等してあげてくれ」

みんな頷いている。

「縁があって仲間となったんだから、最低数年は秘密を共有したもの同士仲良くやって行きたいしさ。

困ったことがあったら相談し合えるのも強みだし、その時は遠慮なく助け合いたい。

それでは、検討を祈る、何もなかったら解散」

そう言いながら席を立とうとしたところ、吉井さんから待ったの声が。


「あの、課長、一つお願いがあるんですが」

緊張した、そして悲しげな顔で訴えてきた。

「何か分からない事があったかい?」

「いえ、みんなの異能力は理解したのでいいのですが、それとは別件でお願いが」

なんだろう?ちょっと真面目系?

「実は、実家で犬を飼ってました。

ちょっと前に病気で死んじゃって・・・この能力をもらったのもベル・・・あっ犬の名前ですけど、治すつもりだったんです。

でも一歩間に合わなくて・・・」

そうなのか・・・それで僧侶特化だったんだ。

「それは残念だったね、辛かったと思う」

「いえ、それでですね、課長はある能力を持っていると聴いたのですが?」

「・・・召喚の事かい?」

「はい、それならベルを呼び出してもらえるかと思いまして・・・お願いできますか?」

正直しばらくやってない奴だよな、入院して試しに呼び出したっきりのような・・・

クリスを見ると頷いている、ヤレってことだろう。

「呼び出しは出来るよ、でも正直呼び出しに応じるかどうか判らないけどどうする?」

心配顔で問いかけてくる。

「呼んでも来ないって事ですか?」

「この世に未練?が無ければもうすでにあの世に行っている可能性がある。

まだそこら辺にいれば呼び出すことは可能だけれど、まだ問題がある」

「どんな問題です?」

「私の召喚はゲームに出てくるアンデッドみたいに強制ではないんだ。

あくまで未練があり、最後に別れとか言いたいことがある場合・・・更に言えば会いたいと思っている同士に効果があるんだけど・・・」

ある意味ちょっと意地悪な言い方かもしれないけど、本当に会いたいと思っているのか知りたいんだよな。

ただ、異能力を見てみたいだけでは無いと思うけど。

吉井さんは涙目になって訴えるように言った

「本当に会いたいです、最後に会って別れを言いたい。

看取れなかったのを詫びたい、それだけです」


「・・・解った、ちょっと待ってて準備するから」

緊張しながら精神統一をした。



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