108 本来の・・・
本日は広島にて一泊。
昼間に観光出来る場所を廻り、夕方にホテルへ。
近くの繁華街にて夕食を摂り、ゆっくりと部屋でくつろぐ。
クリスがマッサージしてくれると言うので、お言葉に甘えてほぐしてもらっている最中に話しかけた。
「なあ、クリスそろそろいいんじゃないか？
本当の姿を晒しても」
「えっ？」
フリーズしてしまった。
「いや、だから本来の姿があるんだろ？
今の姿は俺の好みに合わせてくれているんだろうから、一度本来の姿を見せてくれよ」
「・・・・いいの？このまま固定も出来るんだよ？
姿変わって嫌われたらと思うと・・・」
「嫌うねぇ・・・そう思うかい？」
「・・・・信じてるけど、ちょっと怖いかな」
「妖精の顔が本来の姿なんだろ？
問題ないと思うんだけどな」
しばらく考えた後、意を決して本当の姿を晒す決心をしてくれた。
余程の覚悟があったのだろう、ちょっと緊張気味だ。
「それじゃちょっと待っててね、風呂場で変わって来るからいいと言うまで開けないでよ？絶対だよ？！」
俺は了承しその時を待った。
しばらくして、時間にして５分程だったと思う。
１時間くらい待ってるような重い雰囲気の中、クリスが風呂場から出てきた。
「？？？あの？クリスさん？
どこが変わってるの？あまり変化が無いように見えるけど」
「いやいや、よく見てよ。
身長とか、胸とか目とか違うでしょ？」
そう言われて見ると、、、、
身長は５cmくらい低いかな？
胸は１つサイズダウンして見た目Bくらいかな？
目は気持ちタレ目になったせいで少し優しい顔になった？
「はいはい、確かに違うね。それでその他の違いは？」
「えっ？他とは？」
「いやそれ以外の部分は？」
「え～～と・・・・」
「まさか・・・乳輪が異様に大きいとか、かつらとか？
それとも・・・胸が３つあるとか？」
その時、バシッと頭に衝撃が！？？？
「あほかい！あたしゃバケモンか？」
「えっ、違うんかい？てっきり俺らと違うんかと・・・」
「これが本来の姿だよ！これがすべて！」
そうなのか、あまり変わらんぞ？
マジマジと見てみるけど少しイメージが変わったくらいかな？
「あまり変わらんぞ？まだまだストライクゾーンだし。
顔が優しくなって髪もポニーテールが映えると思うし」
「そ・そう？こっちに変えようかな・・・」
モジモジしているところはいいなぁ、最高だ。
「廻りの目があるからゆっくり変えて行けばいいんじゃないか？
それにしても・・・やっぱり可愛いな、クリス」
思わず本音が出ちゃったよ。
あぁ、クリスの顔が・・・なんかドヤ顔になってるよ。
「可愛い？ねえ可愛い？
休みの日はこれで行動しようか？」
「・・・・ああ、そうしてくれると嬉しいよ。
やばい、うぜえ・・・話題を変えないとまずい」
「そうだ、髪結ってくれよ、ポニーテール見てみたいな～」
「今からですか？」
「うん、寝る前に見てみたいな～、その後もいろいろ見てみたいところもあるし。
明日も休みだから今日はゆっくり出来るしな～」
ちょっと考えて
「判った、ちょっと待ってね結うから」
そう言いながらセットを始めた。
よし、話題をちょっと逸らせたぞ。
あとは・・・なるようになるさ。
「出来たよ～これでいい？」
おお～イメージ通りに似合ってるな。
「生きてて良かったよ、本当にそう思う、クリスのこの姿が見れて最高！」
そんな会話していると、クリスが急にモジモジし始めた。
「なんだ？トイレか？」
その瞬間、バシッと横っ腹に衝撃が走った。
「なっ、痛いんだけど？」
「トイレとかありえない、もうちょっとオブラートに包んでよ！
ちなみにトイレじゃないからね！」
ちょっと冗談が過ぎたようで反省。
「ゴメン、クリス。
それから・・・今日いいかい？なんかすべてを見たくなって・・・」
クリスもその気だったらしく
「私をちゃんと見てね？いろんなところも込みで。
それから・・・見るだけじゃ無いよね、もちろん」
首肯で返事をしそのまま電気を消すのだった。
