#33 値段は見なかったことにしましょう。
お盆も終わりましたね。
親戚で集まるのは楽しいっちゃ楽しいけど疲れます。
今日は、この間比奈ちゃんに聞いたお店に行くことになった。
「お父様もお母様も仕事だから、可愛い愛梨が心配だ!」
と言ってお父様が心配していたけれど、
たまたま空いていたらしい海にぃも一緒に来てくれることになったので
大丈夫だと言って押し通した。
石塚さんに送ってもらうから、行き先を言う必要がある。
で、その行き先は聞いたまんまを伝えたんだけど
「かしこまりました。」と言ってくれた。
住所も店名もわからないのに分かったのかなぁ?
プロだから色んな店知ってて特徴と簡単な場所説明だけで分かるとか?
うーん……。
まぁいいや。
任せよう。
スマホのカバーを探しているのは分かってるんだし、店違っても
そんなに問題ないだろう。
てか違う店でも私じゃ判断しようがないしね。
「到着致しましたよ。」
へぇー、ここか。……もちろん見たことも聞いたこともないんだけど。
でもすごく、こう、高級感のあるお店っぽいな。
比奈ちゃんのお母さんが連れて行くようなお店なんだし、それも当然か。
「じゃ、入ろうか。愛梨。」
「そうですわね。お兄様。」
「え?どうして口調変えたの?そのままの愛梨が可愛いよ?」
またなんか余計なのがついてる。
海にぃは、こういうこと誰にでも平気で言うからなぁ。
その顔でそれを言ってりゃ、そりゃ女の子達引っかかるわ。
でもこのお店だとお嬢様口調の方が合うし……。
セレブが行くようなお店だと誰が聞いてるか分からないからね。
「いいえ。お兄様だけの前じゃないですもの。お店ですから。」
「……そうか、確かに。僕の前だけじゃないと。それに、たまにはお兄様って呼ばれるのも良いな。」
そういえばお兄様なんて呼ばなくなったもんなぁ。
たまにはお兄様呼びでもいいかもしれないな。
「いらっしゃいませ。初めてのお客様でしょうか。」
「はい。九条と言います。」
うん?なんで自己紹介したんだろう。
あ、でもセレブ御用達とかいうお店だとそういうのが必要だってイメージあるわ。
で、2回目からは「いらっしゃいませ〇〇様。」って言って迎えてくれる的な。
まあ黙っとこ。
海にぃいるし任せよう。
「少々お待ちください。」
あれ?行っちゃった。
「多分店長の人を呼びに行ったんじゃないかな。それだけ九条の名は大きいんだよ。」
え?でも九条って言っただけで九条財閥って分かるのはなぜ?
この店に来るようなセレブには少ない名前なのかな?
うーん……。まぁ、私には分からないなにかがあるのかもしれないね。
ってあれ?海にぃ私の心読んだ?顔に出てたのか?
「お待たせ致しました。この店の店長を任されております高見と申します。
本日は何をお探しでしょうか。」
「スマホカバーですわ。私のお友達がこちらのお店で
購入したというカバーが可愛かったから見に来ましたの。」
「どのようなタイプのカバーをお探しですか?」
うわプロだなぁ。6歳の子供に対してもすごく丁寧な対応。
あ、考えてなかったけど手帳型とかもあるよね。
「とりあえず、店内を見て回っても良いかしら。」
「かしこまりました。では、何か用がございましたらお申し付け下さい。」
えへへー。どこから見ようかなぁ。
「これなんて良いんじゃない?愛梨に似合うよ。」
「うーん、パステル系が良いですわ。あ、この辺とか。」
「じゃあ、これは?」
「可愛いですわね。でももうちょっとーー」
「ありがとうございました。またお越し下さいませ。」
うん。良いのが買えて良かった。
手触りも良いし。
いやぁー、でも値段見た時はビビった。
いやマジあれはやばい。
スマホカバー1つでウン十万とか本当すごい店だ。
Amazanだったら千円しないのだってあるぞ。
まあ海にぃもこれくらいなら大したことないよって言ってたし、
セレブなら普通なのかもしれないって考え直して、選んだんだけどね。
まぁ支払いはカードだったし、考えないようにしよう。
※PV60000越え!ありがとうございます!




